改葬許可申請書の書き方。法定の記載事項と必要書類を整理

大久保亮佑

執筆・編集: 大久保亮佑株式会社Kogera代表生前整理アドバイザー2級

更新日: 2026年8月6日

改葬許可申請書を前にして、どの欄に何を書けばいいのか、添付書類は何が要るのか、不安に感じている方は少なくありません。実は、申請書に書く内容は全国共通の法令で決まっています。

記載事項は墓地埋葬法の施行規則で7項目が定められており、様式の見た目が自治体ごとに違っても、書く中身は大きく変わりません。一方で添付書類には自治体差があり、当サイトが実査した149自治体のうち、改葬先の受入証明書を必要書類に挙げていたのは35件でした。

申請書のしくみ: 法律で決まっている部分

遺骨をいまのお墓から別の場所へ移すには、現在お墓がある市区町村長の改葬許可が必要です(墓地、 埋葬等に関する法律 第5条)。その申請書に何を書くかは、同法の施行規則第2条で全国共通に定められて います。つまり、自治体ごとに様式のレイアウトは違っても、「書く中身」は法令で決まっている7項目が 基本です。

このページでは、法令で決まっている記載事項・添付書類と、自治体によって異なる部分(受入証明書や 委任状など)を分けて整理します。なお、当サイトは制度の一般的な解説と公式情報への案内を行うもので、 書類作成の代行や個別の記入指導は行いません。個別の事情に応じた書き方は、申請先の自治体窓口に ご確認ください。

記載事項は7項目(施行規則第2条)

施行規則第2条第1項が定める記載事項は、次の7項目です(条文の文言のまま記載し、補足を添えて います)。遺骨1体につき1件の記載が必要で、複数の遺骨をまとめて改葬する場合は、自治体所定の 名簿・別紙を使う運用が一般的です。

  1. 死亡者の本籍、住所、氏名及び性別
    戸籍(除籍)の記載と一致させます。古いお墓では戸籍をさかのぼって確認が必要になることがあります。
  2. 死亡年月日
    戸籍(除籍)謄本や過去帳で確認できます。
  3. 埋葬又は火葬の場所
    現在お墓がある墓地・納骨堂の所在地です。
  4. 埋葬又は火葬の年月日
    不明な場合の書き方(「不詳」等)は自治体により運用が異なるため、窓口にご確認ください。
  5. 改葬の理由
    「墓地の承継者がいないため」など、事実をそのまま記載すれば足ります。
  6. 改葬の場所
    遺骨の移動先(新しい納骨先)の名称・所在地です。
  7. 申請者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者等との関係
    申請者が墓地使用者本人でない場合は、後述の承諾書が必要になります。

古いお墓の改葬では、死亡者の本籍や埋葬年月日がすぐには分からないことがあります。その場合でも、 推測で埋めるのではなく、戸籍(除籍)謄本・過去帳・墓地の管理記録などで確認できた範囲を記載し、 確認できない項目の扱いは窓口に相談するのが確実です。「不詳」と記載できるかどうかの運用は自治体に より異なります。

添付書類: 法定のものと自治体ごとのもの

施行規則第2条第2項は、申請書に添付する書類として次を定めています。第一に、墓地等の管理者が 作成した、埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面。いわゆる埋蔵証明書・収蔵証明書で、いまの お墓の管理者(寺院・霊園・自治体)に発行してもらいます。第二に、申請者が墓地使用者本人でない場合の墓地使用者等の承諾書(またはこれに対抗できる裁判の謄本)。第三に、その他 市町村長が特に必要と認める書類です。

この「市町村長が特に必要と認める書類」の部分に、自治体差が現れます。当サイトが公式サイトを実査した149自治体(うち必要書類の記載を確認できたのは147件)では、改葬先の受入証明書(墓地使用許可証等の相当書類を含む)を挙げていたのが35件、 代理人が申請する場合の委任状を挙げていたのが26件、申請者と墓地使用者が 異なる場合等の承諾書類を挙げていたのが74件でした。

注意したいのは、これは各自治体の案内ページに「明記されていた」件数だという点です。リストに 挙がっていない自治体で不要という意味ではなく、案内ページの記載範囲の違いも含まれます。ご自身の 自治体で何が必要かは、自治体別データベースの個別ページ(出典・確認日つき)と、リンク先の公式案内でご確認ください。

郵送での提出はできるか

窓口が遠方にある場合に気になるのが郵送申請です。当サイトが実査した149自治体のうち、 郵送での申請を「可」としていたのは83件で、郵送不可と明記していたのは3件にとどまりました。多くの自治体で郵送対応が可能になっている一方、返信用封筒の 切手代や、追跡可能な郵送手段の指定など、細かな条件は自治体ごとに異なります。手数料と郵送実費の 実情は手数料の記事で詳しく整理しています。

つまずきやすい点

実査データと各自治体の案内から見えてくる、つまずきやすい点を3つ挙げます。第一に、埋蔵証明書の取得を後回しにすること。申請書自体は書けても、いまのお墓の管理者の 証明がなければ受理されません。寺院墓地の場合は、証明書の依頼がそのまま「墓じまいの意思を伝える 場面」になるため、家族・寺院との話し合いを済ませてから動く順序が大切です。

第二に、申請書の様式を別の自治体のものと取り違えること。記載事項は全国共通ですが、 様式・名簿の形式・受入証明書の要否は自治体ごとに異なります。必ず「いまお墓がある」市区町村の様式を 使ってください(改葬先の自治体ではありません)。第三に、遺骨の数え漏れ。古いお墓では 埋蔵されている遺骨の数が想定より多いことがあり、申請は遺骨1体ごとに必要です。事前に管理者へ 埋蔵状況を確認しておくと、二度手間を防げます。

次の一歩: ご自身の自治体の様式を確認する

書く内容は法令で決まっている7項目、添付書類は「埋蔵証明書+自治体ごとの追加書類」。この全体像を 押さえたら、次はご自身の自治体の様式と窓口を確認する段階です。当サイトの自治体別データベースでは、 申請様式へのリンク・窓口・手数料・郵送可否を、自治体公式サイトの出典と確認日つきで公開しています。

改葬全体の費用感をまだ把握していない場合は、費用シミュレーターで総額の目安を先に確認しておくと、 家族との話し合いや寺院への相談が進めやすくなります。

大久保亮佑

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。 掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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