埋葬許可証とは|火葬許可証との違い・納骨での使い方・再発行・改葬許可証との関係
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年9月2日

埋葬許可証とは、亡くなった方の遺骨をお墓や納骨堂に納めるときに、墓地・納骨堂の管理者へ提出する許可証です。実務では、火葬場で火葬済みの証明を受けた火葬許可証が、この役割を果たします。
根拠は墓地、埋葬等に関する法律の第5条・第8条・第14条。改葬(墓じまい)のときに必要なのは、これとは別の「改葬許可証」です。当サイトが実査した149自治体のうち5件は、改葬許可申請の書類として埋火葬許可証の写しを挙げていました。
埋葬許可証とは何か(法律が定める3種類の許可証)
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)は、第5条第1項で「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない」と定めています。そして第8条で、許可を与えるときは「埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない」と続きます。埋葬許可証は、この3種類のうち「埋葬」の許可を証明する書類です。
ここで注意したいのは、法律上の「埋葬」の意味です。第2条第1項は「この法律で『埋葬』とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう」と定義しています。つまり法律の文言どおりの埋葬許可証は、土葬の許可証です。焼骨(火葬した遺骨)をお墓に納める行為は、法律では「埋蔵」(墳墓の場合)または「収蔵」(納骨堂の場合)と呼び分けられています。
それなのに、なぜ日常では「納骨に埋葬許可証が要る」と言われるのか。次の節で説明します。
火葬許可証との違い:火葬済みの証明で埋葬許可証になる
現在の日本では、ほとんどの方が火葬されます。火葬の許可は死亡届を受理した市区町村長が行い(第5条第2項)、火葬許可証が交付されます。申請書に書く事項は施行規則第1条で定められており、死亡者の本籍・住所・氏名、性別、出生年月日、死因、死亡年月日時、死亡の場所、埋葬又は火葬の場所、申請者の住所・氏名及び死亡者との続柄の8項目です。
火葬が終わると、火葬場がこの許可証に火葬済みの証明をします。施行規則第8条の文言は「火葬場の管理者は、火葬を行つたときは、火葬許可証に火葬を行つた日時を記入し、署名し、印を押し、これを火葬を求めた者に返さなければならない」。返ってきた火葬済みの火葬許可証を、遺骨と一緒に保管し、納骨のときに墓地・納骨堂の管理者へ提出します。
この「火葬済みの証明がある火葬許可証」を、自治体や実務の場では埋葬許可証、あるいは埋火葬許可証と呼ぶことがあります。たとえば大阪市北区の公式ページは「火葬許可証は、火葬する時と火葬後に焼骨を墓地・納骨堂等に埋葬・納骨する時に必要です」と案内し、佐世保市の公式ページは「埋火葬許可証」という呼び方を使っています。法律上の名称は火葬許可証、役割は納骨の許可証。呼び名が2つある、と理解しておくと混乱しません。
納骨先の管理者がこの書類を求める根拠は、法律第14条です。第1項は墓地の管理者について「埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない」、第2項は納骨堂の管理者について「火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない」と定めています。管理者は許可証を受け取らなければ納骨させることができません。だから納骨の日に必ず持参を求められます。
埋葬許可証のもらい方と、納骨での使い方
一般的な流れは次のとおりです。ただし窓口・様式・受付時間は自治体ごとに異なるため、実際の手続きは死亡届を出す自治体の公式案内でご確認ください。
- 死亡届を提出する
死亡届の提出とあわせて、火葬(埋葬)許可の申請をします。葬儀社が届出を代行する場合も、申請者は遺族です。 - 火葬許可証(埋葬許可証)の交付を受ける
交付するのは死亡届を受理した市区町村長です(第5条第2項)。 - 火葬の当日、火葬場に許可証を提出し、火葬済みの証明を受けて返してもらう
施行規則第8条の手続きです。返却された許可証は骨壺の箱に納められていることが多く、そのまま保管します。 - 納骨の際に、墓地・納骨堂の管理者へ提出する
第14条により、管理者はこれを受理してから納骨させます。提出した許可証は管理者が保管するのが通例です。
なお、埋葬・火葬は「死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない」(第3条本文)とされています。許可証があっても、この時間制限は別に守る必要があります。
紛失したとき:再発行と証明書の例
納骨まで年月が空くと、許可証が見当たらないことがあります。再交付の可否・手続き・手数料は、死亡届を提出した自治体の運用によって異なります。当サイトが公式ページで確認できた例を挙げます。
- 大阪市北区……火葬許可証の再発行は「死亡届を提出した役所でしか発行できません」。申請できるのは当時の届出人、直系親族、祭祀承継者など。手数料は無料で、死亡から5年以上経過している場合は火葬場の火葬証明書もあわせて必要と案内しています(大阪市北区公式ページ、2026年9月2日確認)。
- 佐世保市……「埋火葬許可証を紛失した場合」は、納骨先へ火葬証明書と再発行した埋火葬許可証の2種類の提出が必要と案内しています。火葬証明書は1通300円で火葬場が発行します(佐世保市公式ページ、2026年9月2日確認)。
当サイトの自治体別データベース(改葬許可の実査)でも、埋火葬許可証の写しや埋火葬に関する証明を有料で交付している自治体が3件確認できています。公式の文言をそのまま示します。
- 寝屋川市……埋火葬許可証(写)を1通300円で交付可能(申請先:寝屋川市 市民サービス部 証明発行窓口)。出典:「諸証明等交付申請書」PDF。改葬許可申請における埋葬事実証明の代替としてこの写しが使えるかは同資料に明記なし。(出典・2026年7月29日確認)
- 加古川市……「埋火葬に関する証明」を市民課で1件300円で交付可能(根拠:加古川市手数料条例 第2条第1項第5号ウ)。改葬許可申請時の埋蔵証明(納骨証明)の代替として使用できるかどうかは条例上明記なし。(出典・2026年7月29日確認)
- 大垣市……「埋火葬許可証にかわる証明書(埋火葬許可証発行済証明書)」を窓口サービス課で1通300円で交付可能(根拠:大垣市手数料徴収条例 別表16の部8「埋火葬証明書交付手数料」)。改葬許可申請での使用可否は環境政策課の改葬ページに明記なし。(出典・2026年7月29日確認)
いずれも一例です。ほかの自治体では窓口・手数料・必要書類が異なることがあります。「無料だろう」「同じ手続きだろう」と推測せず、死亡届を提出した自治体の窓口にご確認ください。
改葬許可証との関係:墓じまいで必要なのはどちらか
墓じまい(改葬)で必要なのは、改葬許可証です。埋葬許可証ではありません。改葬許可証は、いまお墓がある市区町村長が交付する別の許可証で(第5条第2項)、申請書の記載事項も施行規則第2条で別に定められています。すでに納骨のときに提出した埋葬許可証を、改葬で再び使うことはありません。
ただし接点はあります。改葬許可申請書には死亡者の本籍・氏名・死亡年月日を書く欄があり、その確認書類として「戸籍(除籍)謄本または埋火葬許可証の写し」を挙げる自治体があります。当サイトが公式サイトで必要書類を確認できた146自治体のうち、埋火葬許可証(火葬許可証)の写しに触れていたのは5件でした。具体的には高松市・吹田市・春日井市・安城市・旭川市です。手元に火葬許可証の写しが残っていれば、戸籍をさかのぼる手間が省ける場合があります。挙がっていない自治体で使えないという意味ではなく、案内ページに書いてあるかどうかの違いも含まれます。
改葬許可証の取得方法・必要書類・手数料は改葬許可証とはで、申請書の書き方は改葬許可申請書の書き方で整理しています。
よくある質問
法令の条文はe-Gov法令検索で、自治体の運用は各公式ページで確認しています。埋葬許可証そのものの全国データは当サイトにないため、自治体ごとの扱いは公式案内でご確認ください。
埋葬許可証と火葬許可証は同じものですか?
法律上は別の許可証です。墓地、埋葬等に関する法律 第8条は「埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証」の3種類を定め、施行規則第4条で様式も分かれています。ただし現在の日本ではほとんどが火葬のため、火葬場が火葬済みの旨を記入して返した火葬許可証(施行規則第8条)を、納骨のときに提出します。この火葬済みの火葬許可証を、実務や自治体の案内では「埋葬許可証」「埋火葬許可証」と呼ぶことがあります。
埋葬許可証はどこでもらえますか?
死亡届を受理した市区町村長が交付します(墓地、埋葬等に関する法律 第5条第2項)。死亡届と同時に火葬(埋葬)許可の申請をし、その場で許可証を受け取るのが一般的な流れです。申請書の記載事項は施行規則第1条で定められています。改葬許可証のように「いまお墓がある自治体」ではなく、「死亡届を出した自治体」が窓口になります。
埋葬許可証を紛失したらどうすればいいですか?
再交付の可否と手続きは、死亡届を提出した自治体の運用によります。たとえば大阪市北区の公式ページは、火葬許可証の再発行は「死亡届を提出した役所でしか発行できません」とし、手数料は無料、死亡から5年以上経過している場合は火葬場の火葬証明書もあわせて必要と案内しています(2026年9月2日確認)。ほかの自治体では扱いが異なることがあるため、死亡届を出した自治体の窓口にご確認ください。
改葬(墓じまい)のときにも埋葬許可証は必要ですか?
改葬に必要なのは、いまお墓がある市区町村長が交付する改葬許可証です。埋葬許可証を再び使うわけではありません。ただし当サイトが実査した149自治体のうち5件は、改葬許可申請の必要書類として「埋火葬許可証(火葬許可証)の写し」を戸籍謄本の代わりに挙げていました。死亡者の本籍・氏名・死亡年月日を確認する目的です。
埋葬許可証に手数料はかかりますか?
死亡届の際に交付される埋葬許可証・火葬許可証の手数料は、各自治体の条例によります。当サイトの自治体別データベースは改葬許可証の手数料を実査対象にしており、埋葬許可証の手数料は収録していません。お住まいの自治体の公式案内でご確認ください。
次の一歩:改葬なら自治体別データベースへ
埋葬許可証は「死亡届を出した自治体」が交付し、納骨のときに使う。改葬許可証は「いまお墓がある自治体」が交付し、遺骨を移すときに使う。この2つを分けて考えれば、窓口で迷うことは減ります。
これから墓じまいを考えている方は、改葬許可申請の窓口・手数料・郵送可否を自治体別データベースでご確認ください。自治体公式サイトの出典と確認日つきで、149自治体(45都道府県)を公開しています。改葬という言葉そのものから知りたい方は改葬とはからどうぞ。
参照元
- 墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)第2条・第3条・第5条・第8条・第14条〔2026年9月2日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)第1条・第2条・第4条・第8条〔2026年9月2日〕
- 厚生労働省 法令等データベース「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)〔2026年9月2日〕
- 大阪市北区「火葬許可証の再発行について」〔2026年9月2日〕
- 佐世保市「火葬証明書・分骨証明書・改葬許可証」〔2026年9月2日〕
- 当サイト 改葬許可(自治体別)データベース(149自治体・45都道府県を実査)〔2026年9月2日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。