改葬許可証とは|取得方法・必要書類・改葬許可申請書との違い

大久保亮佑

執筆・編集: 大久保亮佑株式会社Kogera代表生前整理アドバイザー2級

更新日: 2026年9月2日

改葬許可証とは。取得方法と必要書類|当サイトが実査した149自治体のうち手数料を無料と明記していたのは44件

改葬許可証とは、いまお墓や納骨堂にある遺骨を別の場所へ移す(改葬する)ときに、遺骨が現在ある市区町村長が交付する許可証です。この1枚がないと、新しい納骨先は遺骨を受け入れられません。

根拠は墓地、埋葬等に関する法律の第5条と第8条。手数料は自治体によって違い、当サイトが公式サイトを実査した149自治体では「無料」と明記していたのが44件、有料が8件でした。

改葬許可証とは何か(法律上の位置づけ)

改葬許可証は、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)にもとづいて市区町村長が交付する、3種類の許可証のひとつです。同法第8条は「市町村長が、第五条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えるときは、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない」と定めています。改葬許可証は、このうち「改葬」の許可を証明する書類です。

では改葬とは何か。同法第2条第3項の定義は「埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すこと」。いまのお墓(墳墓)や納骨堂にある遺骨を、別のお墓や納骨堂へ移す行為そのものを指します。墓石を撤去することは、法律上の「改葬」には含まれません。撤去は墓地の管理者との契約上の手続きで、改葬許可証とは別の話です。

許可を出すのは、どこの自治体か。第5条第2項は「改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」と定めています。つまりいまお墓がある市区町村です。移す先の自治体でも、申請する人の住所地でもありません。遠方のお墓を改葬する場合、申請先は遠方の自治体になります。そのために郵送申請を受け付ける自治体が多くあります(後述)。

改葬許可申請書・埋葬許可証・証明書との違い

改葬の手続きでは、似た名前の書類がいくつも出てきます。役割の違いを先に押さえておくと、窓口の案内が読みやすくなります。

  • 改葬許可申請書……申請する人が市区町村に出す書類。記載事項は施行規則第2条で7項目が全国共通に定められています。申請書の書き方で項目ごとに整理しています。
  • 改葬許可証……申請を受けて市区町村長が交付する書類。様式は施行規則第4条で「別記様式第三号」と定められています。この記事の主題です。
  • 埋葬許可証・火葬許可証……人が亡くなったときに、死亡届を受理した市区町村長が交付する許可証(第5条第2項・第8条)。火葬のあと、火葬場が火葬済みの旨を記入して返すのが火葬許可証で、これが納骨のときに使われます。改葬とは別の場面の書類です。詳しくは埋葬許可証とはをご覧ください。
  • 埋蔵証明書・収蔵証明書……いまのお墓・納骨堂の管理者(寺院・霊園・自治体)が発行する、遺骨がそこにあることを証明する書面。改葬許可申請書の添付書類のひとつです(施行規則第2条第2項)。自治体によっては、申請書の中の証明欄に管理者の署名・押印をもらう形をとります。
  • 受入証明書……改葬先(新しい納骨先)が受け入れることを示す書面。法令に明文はなく、「市町村長が特に必要と認める書類」として求める自治体があります。当サイトの実査では35自治体が必要書類に挙げていました。

整理すると、改葬許可申請書と埋蔵証明書(と、自治体によっては受入証明書)を出して、改葬許可証をもらう。改葬許可証は、手続きのゴールにあたる書類です。

改葬許可証の取得方法(4つの段階)

改葬許可証を手にするまでの段取りは、大きく4段階です。順番が前後すると二度手間になりやすい箇所があるので、流れとして把握しておくと安心です。なお当サイトは制度の一般的な解説と公式情報への案内を行うもので、申請の代理や書類作成の代行は行いません。

  1. いまのお墓の管理者に、改葬の意思を伝え、埋蔵証明書(または申請書の証明欄への署名・押印)を依頼する
    寺院墓地なら、この依頼がそのまま「墓じまいを伝える場面」になります。家族の合意を先に済ませておくと、話が進めやすくなります。
  2. 改葬先を決め、必要なら受入証明書(使用許可証等の相当書類)を用意する
    受入証明書を求めるかどうかは自治体ごとに違います。求める自治体では、先に改葬先の契約を済ませておく必要があります。
  3. いまお墓がある市区町村に、改葬許可申請書と添付書類を提出する
    窓口のほか、郵送で受け付ける自治体が多くあります。当サイトの実査では149自治体のうち郵送「可」が84件、「不可」と明記していたのは3件でした。
  4. 改葬許可証の交付を受ける
    交付までの日数は自治体により、即日から1週間以上まで幅があります(後述)。受け取った許可証は、新しい納骨先に提出します。

手続きの全体像(家族との話し合いから納骨まで)は墓じまいの流れで6段階に分けて整理しています。改葬許可証の取得は、その中盤にあたります。

必要書類:法定のものと自治体ごとのもの

施行規則第2条第2項が定める添付書類は3つです。墓地等の管理者が作成した埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面(埋蔵証明書等)。申請者が墓地使用者本人でない場合の墓地使用者等の承諾書。そして「その他市町村長が特に必要と認める書類」。3つめが自治体ごとの違いの源です。

当サイトが公式サイトで必要書類の記載を確認できた146自治体では、埋蔵・収蔵の証明を求めていたのが115件(うち別紙の証明書として65件、申請書内の証明欄で54件)。改葬先に関する書類が58件、承諾書類が81件、代理人が窓口に立つ場合の委任状が28件、本人確認書類が36件でした。これは各自治体の案内ページに「明記されていた」件数で、挙がっていない自治体で不要という意味ではありません。

書類ごとの役割と出現頻度は必要書類の一覧に、代理人が申請する場合の扱いは委任状が必要な場合にまとめています。ご自身の自治体で何が要るかは、自治体別データベースの個別ページ(出典・確認日つき)と、リンク先の公式案内でご確認ください。

手数料と交付までの日数(149自治体を実査)

改葬許可証の手数料は、法律で全国一律に決まっているものではなく、自治体が条例で定めます。当サイトが自治体公式サイトを1件ずつ実査した149自治体(45都道府県)では、「無料」と明記していたのが44件。金額が明記されていた「有料」が8件で、1件あたり300円〜600円でした。公式サイト・公式PDFに手数料の記載自体が見当たらなかった自治体が97件、全体の約65%を占めます。

記載がない自治体のうち7件については、手数料条例の別表まで確認し、改葬許可に該当する項目が置かれていないことを確かめています。それでも当サイトは「無料」とは断定していません。確認できた事実と、そこからの推測は分けて示す方針です。有料自治体の一覧と郵送時の実費は手数料の記事で整理しています。

交付までの日数はどうか。処理日数について公式サイトに記載があったのは43件(約29%)にとどまります。うち即日交付相当の記載が15件、1週間以上かかるとの記載が17件。同じ改葬許可証でも、窓口でその場で受け取れる自治体と、郵送で1週間程度かかる自治体があります。日数の記載がない自治体では、余裕を持って申請するか、窓口に目安を聞いておく。そのどちらかになります。

受け取ったあとにすること

改葬許可証は、新しい納骨先の管理者に提出します。法律第14条第1項は、墓地の管理者は「埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない」と定め、第2項は納骨堂の管理者について「火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない」としています。許可証は受け取って終わりではなく、次の管理者に渡して初めて役目を果たします。

いまのお墓から遺骨を取り出す作業(閉眼供養・石材店による取り出し)と、墓石の撤去は、改葬許可証の交付とは別に、墓地の管理者との間で日程を決めて進めます。許可証を受け取ってから遺骨を移すまでの間、遺骨を自宅で一時的に保管する方もいます。この期間の扱いや、改葬許可証に有効期限があるかどうかは自治体によって案内が異なるため、交付を受けた窓口にご確認ください。

許可証を紛失した場合の再交付の可否・手続きも、自治体ごとの運用です。当サイトでは確認できた範囲を超えて一般化しないため、交付元の自治体窓口へお問い合わせください。

よくある質問

回答中の件数は、当サイトが自治体公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)のデータからの集計です。

改葬許可証は誰が発行しますか?

改葬許可証は、遺骨が現在ある場所(いまのお墓・納骨堂の所在地)の市区町村長が交付します。墓地、埋葬等に関する法律 第5条第2項が「改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする」と定めています。改葬先(新しい納骨先)の自治体や、申請者の住所地の自治体ではありません。

改葬許可証と改葬許可申請書は何が違いますか?

改葬許可申請書は、遺骨を移したい人が市区町村に「出す」書類です。改葬許可証は、その申請を受けて市区町村長が「交付する」書類です。申請書に書く内容は施行規則第2条で7項目が定められており、許可証の様式は同規則第4条で別記様式第3号と決められています。申請書を出し、審査を経て許可証を受け取る、という順番になります。

改葬許可証の取得に手数料はかかりますか?

当サイトが自治体公式サイトを実査した149自治体のうち、改葬許可証の手数料を「無料」と明記していたのは44件、金額が明記されていた「有料」は8件(1件あたり300円〜600円)でした。公式サイトに手数料の記載自体が見当たらない自治体が97件(約65%)あります。金額は自治体別データベースと、リンク先の公式案内でご確認ください。

改葬許可証は遺骨1体ごとに必要ですか?

改葬許可申請書の記載事項(施行規則第2条)は死亡者ごとの情報で構成されているため、申請は遺骨1体につき1件が基本です。複数の遺骨をまとめて改葬する場合は、自治体所定の名簿・別紙を使う運用が多く見られます。様式と枚数の扱いは、いまお墓がある自治体の窓口にご確認ください。

改葬許可証を受け取ったあとは、どこに提出しますか?

新しい納骨先(墓地・納骨堂)の管理者に提出します。墓地、埋葬等に関する法律 第14条は、墓地の管理者は改葬許可証等を「受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない」、納骨堂の管理者も同様に「受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない」と定めています。許可証がないと、新しい場所に納骨できません。

次の一歩:ご自身の自治体の窓口を確認する

改葬許可証は、いまお墓がある市区町村長が交付する。申請書と埋蔵証明書を出して受け取る。受け取ったら新しい納骨先に渡す。ここまで押さえたら、次はご自身の自治体の窓口・様式・手数料・郵送可否です。当サイトの自治体別データベースでは、自治体公式サイトの出典と確認日つきで、これらを1ページにまとめています。

手続き全体の中で費用がいくらかかるかが気になるなら、墓じまいの費用相場もあわせてどうぞ。改葬許可証の手数料は、総額の中ではごく一部です。

大久保亮佑

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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