改葬許可申請は郵送でできる?自治体別の可否と同封するもの
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年8月16日
お墓は生まれ育った町に、いまの暮らしは遠く離れた場所に。改葬許可の申請だけのために往復するのは、時間もお金も惜しい話です。
郵送で受け付ける自治体は、思っているより多くあります。当サイトが公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)のうち、郵送申請を「可」としていたのが83件。全体の約56%です。逆に「不可」と明記していたのは3件にとどまりました。
郵送できる自治体はどれくらいあるか
当サイトは自治体の公式サイトを1件ずつ確認し、郵送申請の可否と手順を記録しています。収録149自治体の内訳は、「可」が83件、「不可」が3件、公式ページに可否の記載自体が見当たらなかったものが63件でした。
はっきり不可としている自治体が3件しかない、という点は覚えておく価値があります。遠方だから諦める、代わりに誰かに頼む——その前に、まず郵送で足りないかを確かめる。往復の交通費も、家族に頼む気兼ねもいりません。
なお、実査の過程で公式ページから判断できなかった自治体には、当サイトから担当課へ直接照会したものがあります。新潟市保健所環境衛生課からは「郵送での申請は可能」との回答(2026年7月30日)、品川区戸籍住民課からも同様の回答(2026年8月1日)を得ました。高槻市については、同市のQ&A集に郵送提出の注意事項が明記されていることを保健衛生課への照会とあわせて確認しています(2026年8月1日)。
同封を求められるもの
郵送可の83自治体のうち、具体的な手順や条件の記述まで確認できたのは80件。何を同封するよう書かれていたかを数えると、次のようになります。
| 求められていたもの | 言及していた自治体数(郵送可83件中) | 補足 |
|---|---|---|
| 返信用封筒・返信用切手 | 66件 | 許可証を返送してもらうため。ほぼ標準の同封物 |
| 切手(額の明記あり) | 10件 | 110円・180円・490円など、金額まで書いている自治体 |
| 申請者の本人確認書類の写し | 17件 | 窓口なら提示で足りるものを、郵送では写しで送る |
| 日中連絡が取れる電話番号 | 16件 | 記載内容の確認で連絡が入るため。必須としている自治体が多い |
| 定額小為替・郵便小為替 | 6件 | 手数料が有料の自治体で、現金の代わりに同封する |
| 事前の連絡・相談 | 8件 | 郵送前に担当課へ一報を求めるタイプ |
| 簡易書留・レターパック等の追跡郵便 | 4件 | 返送方法を指定・推奨している自治体 |
圧倒的に多いのが返信用封筒です。改葬許可証は紙で交付されるため、返送手段を申請者側で用意する、という考え方になります。逆にいえば、返信用封筒さえ整えておけば大半の自治体は形になる。仙台市のように「返信用封筒は不要、返信用切手だけ同封」という運用もあるので、封筒の要否は各自治体の案内で確かめてください。
表の件数は「公式ページに書かれていた」数であって、書かれていない自治体で不要という意味ではありません。案内ページにどこまで書くかは自治体によって幅があります。
切手代・小為替の実際
切手について金額まで書いていたのは10件でした。実際の記載を並べると、幅の広さが見えてきます。札幌市は返信用郵便切手490円分(簡易書留郵便350円+普通郵便140円の内訳つき)。仙台市は改葬者名簿1〜8枚までの場合に110円分。宝塚市は180円切手を貼った角2サイズの返信用封筒を指定しています。八王子市・町田市・久留米市は110円。同じ「返信用封筒」でも、額はここまで違います。
手数料が有料の自治体では、現金書留ではなく定額小為替を使う運用が一般的です。実査で小為替に触れていたのは6件。富山市は「郵送の場合、手数料300円は郵便小為替で同封。窓口の場合は現金払い」と書き分けています。一宮市は手数料分の定額小為替に加え、許可証を郵送で受け取るなら110円切手も同封するよう案内。小為替は郵便局の窓口で買う必要があり、発行手数料も別にかかります。当日に思い立って揃うものではない、と考えておいてください。
切手が足りなかったらどうなるか。三鷹市は「切手が不足する場合は不足分受取人払いで返信」と明記していました。すべての自治体がこう扱うとは限りませんが、少なくとも足りない=即やり直し、ではない例があります。
見落としやすい条件
金額以外にも、郵送ならではの条件があります。まず連絡先の記入。16件が電話番号や連絡先に言及していました。窓口なら口頭で済む確認が、郵送では電話に置き換わるためです。生駒市は「平日日中に連絡のつく電話番号を記載してください」、豊橋市は電話番号・メールアドレスを必ず記入するよう求めています。
次に原本か写しか。大阪市は「本人確認書類を除き、必要書類は原本が必須」。三鷹市も同封書類はすべて原本でコピー不可としています。一方で八千代市は「本人確認書類は郵送の場合コピー可」。窓口では提示で済むものが、郵送では写しになったり原本になったりする。ここは自治体ごとに読み分けが要ります。
事前の連絡を求めるタイプも8件ありました。豊田市は、事前に申請書の写しをFAXまたはメールで送って内容確認を受けてから一式を郵送する方式で、許可証の返送は簡易書留かレターパックプラスのみ。姫路市・厚木市・小田原市・豊島区も、郵送を希望する場合はまず担当へ相談するよう案内しています。いきなり送らないほうがいい自治体がある、ということです。
細かいところでは、越谷市が「消せるボールペンでの記入は不可」、和歌山市が「『改葬の場所』欄が未記入の場合は受付不可」と釘を刺しています。盛岡市には「書類の不備・不足がある場合は郵便でのやりとりが複数回になることがある」という注意書きが。往復するたびに数日が飛びます。急ぐなら、送る前に一度電話で確認するほうが速いこともあります。
逆に、郵送だからこそ書類が減る例もあります。柏市は「郵送の場合は戸籍謄本の同封は不要」としており、交付までは1週間程度と案内しています。
郵送を受け付けていない自治体
実査した範囲で、郵送不可と明記していたのは3件です。堺市は堺市立斎場の窓口での申請のみ。市川市は「郵送での申請は受け付けておりません」と公式ページに書いています(理由の記載はありません)。吹田市については当サイトから市民室へ照会し、「郵送での申請は受け付けておらず、原則窓口のみでの受付となる」との回答を得ました(2026年8月1日)。
窓口へ行けない事情があるなら、家族に窓口へ立ってもらう選択肢もあります。その場合に委任状が要るかどうかは自治体によって違うため、委任状が必要な場合の整理をご覧ください。
記載がない自治体はどう考えるか
いちばん多いのが、実はこの63件です。公式ページに郵送の可否そのものが書かれていない。当サイトはこれを「可」とも「不可」とも決めつけず、記載なしとして扱っています。推測で埋めれば、この記事もデータベースも信用できないものになるからです。
ただ、記載がない=できない、ではありません。岡山市は本文に郵送の記載がない一方、申請書の様式に「送付先を変更」欄があり、少なくとも許可証の郵送返送は運用上あり得ると読めます。高松市の手続きフロー図にも「申請者に改葬許可証を郵送します」との記載が。中野区は「窓口にお出でいただくことができない場合は、戸籍係までお問い合わせください」と、個別対応の余地を示しています。
一方で、京都市のように「申請は窓口までお越しください」と書いている自治体もあります。記載がないなら電話で聞く。それがいちばん確実で、たいていは数分で済みます。
当サイトは、制度の一般的な解説と公式情報への案内を行うものです。書類作成の代行や記入指導は行いません。郵送の可否や同封物の判断に迷う場合は、申請先の自治体窓口へ直接ご確認ください。
次の一歩:自分の自治体の郵送可否を調べる
郵送は多くの自治体で使える手段です。返信用封筒と切手、連絡先の記入。この3点を押さえておけば、大きく外すことはありません。あとは、お墓のある市区町村の案内に合わせるだけ。
自治体によっては、郵送に加えてオンライン申請も選べます。マイナンバーカードの要否や添付書類の形式まで公式ページで比較し、自分が揃えやすい方法を選んでください。
当サイトの自治体別データベースでは、郵送可否・必要書類・窓口・手数料を、公式サイトの出典と確認日つきで公開しています。収録数は毎月増やしていく予定で、この記事の件数もDBの更新にあわせて自動で切り替わります。送るものを整える前に、必要書類の一覧で全体像を確かめておくと迷いが減ります。
参照元
- 札幌市 改葬の手続き(返信用郵便切手490円分の内訳を明記)〔2026年7月13日〕
- 仙台市 改葬許可申請(改葬者名簿1〜8枚までは切手110円分)〔2026年7月13日〕
- 豊田市 改葬の手続き(事前の内容確認と、簡易書留・レターパックプラスでの返送)〔2026年7月29日〕
- 宝塚市 改葬許可申請(返信用封筒は180円切手貼付・角2サイズ)〔2026年7月29日〕
- 三鷹市 改葬許可申請(切手不足分は受取人払い・同封書類はすべて原本)〔2026年7月29日〕
- 柏市 改葬許可申請(郵送の場合は戸籍謄本の同封が不要・交付まで1週間程度)〔2026年7月29日〕
- 市川市 改葬許可申請(郵送での申請は受け付けていないと明記)〔2026年7月29日〕
- 堺市 改葬許可申請(堺市立斎場窓口での申請のみ)〔2026年7月16日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。