土葬の改葬は改葬許可証で火葬できる|再火葬の流れと、遺骨が土に還っていた場合

執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)

更新日: 2026年9月8日

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土葬の改葬と再火葬|改葬許可証で火葬できるか、遺骨が土に還っていた場合。当サイト実査892自治体で土葬に触れていたのは59件

土葬のお墓を墓じまいするには、改葬許可と火葬の手当ての両方が要ります。土葬された遺体を別のお墓に移すことも法律上の「改葬」で(墓地、埋葬等に関する法律 第2条第3項)、火葬は火葬場でしか行えないからです(第4条第2項)。多くの自治体は、火葬許可証を別に取るのではなく「改葬許可証で火葬できる」と案内しています。

一方で、掘ってみたら遺骨が土に還っていて何も出てこないこともあります。その場合は改葬の手続き自体が不要になる。当サイトが実査した892自治体(47都道府県)で土葬・再火葬に触れていたのは59件で、法律に手順の明文はありません。八王子市・長野市・高崎市・つくば市・川口市・水戸市・舞鶴市などの公式文言を、進める順番に沿って並べます。

要点:土葬骨の改葬で、火葬骨の改葬と違うところ(自治体公式ページの文言にもとづく)

論点扱い根拠にした公式の文言
改葬許可必要(火葬骨と同じ)法 第2条第3項「埋葬した死体を他の墳墓に移し」。八王子市「火葬骨を改葬する手続きと同じ」
火葬骨壺で納めるなら必要つくば市「必ず火葬する必要」・高崎市「許可されていないことがほとんど」・長野市「改葬先によって」
火葬の根拠書類改葬許可証(火葬場の手続きは別途)法 第14条第3項。八王子市・長野市・長崎市・佐世保市。相模原市は「火葬炉使用承認申請」
申請書土葬骨と火葬骨で分ける例あり八王子市・町田市。「埋葬の場所・年月日」欄は倉敷市の案内
遺骨が土に還っていた改葬手続き不要(掘る前は要注意)水戸市・川口市・大津市「不要/土は対象外」・舞鶴市「掘り返す前に許可を」
火葬して同じお墓に戻す改葬に当たらない例あり八王子市「改葬手続きには当たりません」・舞鶴市「元のお墓へ戻すとき」は許可不要

自治体名は、その自治体が公式ページに明記していたことを示します。記載のない自治体で同じ扱いになるとは限らないため、いまお墓がある市区町村の窓口と、使う火葬場に確認してください。

法律の位置づけ:土葬骨の改葬は「改葬」+「火葬」

墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)は、「埋葬」を「死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ること」(第2条第1項)と定義しています。法律用語の「埋葬」は土葬のことで、火葬した遺骨をお墓に納めるのは「埋蔵」です。そして「改葬」の定義は「埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すこと」(第2条第3項)。土葬された遺体を別のお墓に移すことは、条文の前半にそのまま当てはまります。改葬許可が要る点は、火葬骨と変わりません(第5条第1項)。

違うのは、火葬が加わることです。「火葬は、火葬場以外の施設でこれを行つてはならない」(第4条第2項)。掘り起こした土葬骨を骨壺に納めて別のお墓へ移すなら、その前に火葬場で火葬する段取りが要ります。火葬場の管理者は「火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない」(第14条第3項)。この条文が、改葬許可証で火葬できる根拠になっています(後述)。

法律が定めているのはここまでで、掘り起こしの手順、洗骨、火葬場の予約、土葬骨と火葬骨が混在するときの申請の分け方は、自治体と火葬場の運用です。当サイトが実査した892自治体の案内ページで土葬・再火葬に触れていたのは次の59件でした。

改葬許可の案内ページで土葬・再火葬に触れていた自治体(当サイト実査データの原文)
自治体公式ページの記載(当サイトの転記)確認日・出典
長崎市再火葬や土葬遺体の火葬にも改葬許可証が必要(市内で火葬する場合はもみじ谷葬斎場 095-861-0298へ予約)2026年9月3日・出典
尼崎市土葬されている場合・分骨・自宅供養等の場合は要相談2026年9月2日・出典
前橋市土葬された遺体の改葬や分骨など特殊なケースは個別問い合わせが必要との案内あり2026年7月29日・出典
秋田市市営墓地(平和公園・南西墓地・河辺墓地・北部墓地)が関わる場合の手続きは同ページに別記載があり、市営墓地用の様式(埋蔵・改葬届、遺骨埋蔵(焼骨)・埋葬(土葬)証明書 など)は「市営墓地に関する様式集」( https://www.city.akita.lg.jp/kurashi/1005988/1004248.html )に掲載2026年9月3日・出典
水戸市記入例の注記: 申請書は遺骨1体につき1枚/土葬の土や遺品などは改葬許可の対象にならない/不明の場合は「不詳」と記入(死亡年月日・埋葬年月日など)/「埋葬又は火葬の場所」には現在遺骨が埋蔵されている墓地の所在地及び名称を記入/墓地管理者(住職や霊園の代表者など)から現在遺骨が埋蔵されていることを証明する署名・押印を受ける/墓地使用者が申請者と異なる場合は墓地使用者の承諾欄に署名・押印2026年9月3日・出典
熊谷市土葬された遺体を改葬する場合は改葬前に火葬が必要なことがある旨の記載あり2026年9月13日・出典
木更津市申請が必要なときは「墓地を移転するとき」「土葬した遺体を火葬するとき」2026年9月13日・出典
伊勢崎市土葬されていた遺体を火葬し改葬する場合は改葬許可証が必要になるため問い合わせるよう案内2026年9月18日・出典
沼田市改葬とは、1埋葬(土葬)した死体を他のお墓に移すこと、2埋葬(土葬)した死体を他の場所に埋蔵すること、3収蔵した焼骨を他のお墓または納骨堂へ移すこと、4過去に埋葬した死体を火葬し他のお墓に移すこと、をいう2026年9月18日・出典
舞鶴市改葬許可が必要な移動は、墓地(納骨堂)から墓地(納骨堂)へご遺骨を移すとき、土葬した死体を火葬した後にほかの墓地に移すとき等2026年9月18日・出典
松阪市土葬の遺体を改葬する場合、納骨前に火葬が必要となる可能性があるため事前に改葬先の墓地(納骨堂)管理者に確認するよう案内2026年9月18日・出典
玉野市改葬許可が不要な場合として、土葬の場合等で遺骨が土に返っている場合、土葬した死体を火葬し元の墳墓へ戻すとき、分骨するとき(改葬許可証ではなく分骨証明書が必要)、火葬後自宅で保管していた遺骨を納骨するとき(納骨の際は火葬許可証が必要)を挙げている2026年9月18日・出典
東金市改葬許可が必要な場合(墓地(納骨堂)から墓地(納骨堂)へご遺骨を移すとき、土葬した死体を火葬した後にほかの墓地へ移すとき等)と、改葬許可が不要な場合(分骨するとき、既にご遺骨が土に還っているとき、自宅保管のご遺骨を墓地(納骨堂)に移動するとき等)を具体的に列挙している2026年9月18日・出典
湖西市よくあるご質問には、申請窓口は湖西市役所環境課のみ(地域センターでは申請不可)、死亡者の本籍等が不明な場合は「不詳」と記入、土葬されている遺骨も改葬可能(改葬先で火葬が必要になる場合あり、その際は改葬許可書の取得と火葬場予約・使用許可申請が必要)、改葬先が決まっていないと申請できない、共同墓地(みなし墓地)は地元の共同墓地管理者からの埋葬証明があれば申請受付可、との記載あり2026年9月18日・出典
野洲市よくあるお問い合わせとして、土葬した遺体で骨が土に還っている場合は改葬許可不要、分骨は改葬に当たらず改葬許可不要(分骨証明書を分骨先管理者に提出するのみで市区町村での手続きなし)と説明2026年9月18日・出典
宮津市改葬許可の流れは、1改葬許可申請書等の提出(市民環境課環境衛生係【本館1階】へ)、2改葬許可書の交付(改葬許可の申請人数にもよるが一週間程度)、3既存墓地から遺骨の取出(土葬の場合で火葬が必要なときは市民環境課市民窓口係で火葬場使用許可申請手続きが必要)、4改葬地の墓地に納骨(改葬地墓地管理者へ改葬許可書の提出が必要)、の4段階2026年9月18日・出典
京丹後市改葬許可申請が必要な場合は、現在の墳墓等から別の墳墓等へ遺骨を移すとき、埋葬されている死体を火葬した後に焼骨を別の墳墓等に移すとき、土葬した死体を火葬した後にほかの墓地に移すとき、永代供養・墓じまいで墓石の撤去等墓地を整理する場合など2026年9月18日・出典
陸前高田市土葬した遺体を他の墓地に移す場合は火葬が必要となり、別途火葬料金(4,000円)を要する旨を明記2026年9月18日・出典
鶴岡市土葬された遺骨の場合は火葬(有料)が必要になる場合がある2026年9月18日・出典
那須塩原市分骨・死産・土葬の場合は別途窓口に問い合わせるよう案内されている(別手続きのため本レコードには含めていない)2026年9月18日・出典
上野原市改葬する際に埋葬されている遺体を火葬する場合は再火葬の手続きが必要(別手続きのため本レコードには含めていない)2026年9月19日・出典
甲州市土葬されている方の改葬の場合は火葬を行う必要がある2026年9月19日・出典
飯田市土葬の遺骨を火葬にする際は別途手続きが必要(別手続きのため本レコードには含めていない)2026年9月19日・出典
伊那市記入例には、土葬の場合は埋められている場所・火葬の場合は火葬した場所を記入すること、死亡胎児の場合は分娩年月日を記入することなどの注記がある2026年9月19日・出典
境港市既に土葬された死体を火葬して同一のお墓などへ戻す行為や、既に納骨された焼骨を洗骨して同一のお墓などに移動することは改葬にあたらず手続き不要(別手続きのため本レコードには含めていない)2026年9月19日・出典
高梁市「埋葬又は火葬の場所」欄は、土葬の場合は「埋葬」を丸で囲み墓地の所在地を、火葬の場合は「火葬」を丸で囲み火葬した施設の住所と施設名を記入する2026年9月19日・出典
新見市改葬許可が必要な場合は、墓地から墓地(納骨堂)へ遺骨を移すとき、土葬した遺体を火葬し他の墓地(納骨堂)へ移すときなど2026年9月19日・出典
瀬戸内市土葬の場合等遺骨が土に返っている場合・土葬した死体を火葬し元の墳墓へ戻すとき・分骨するとき(分骨証明書が必要)・火葬後自宅保管していた遺骨を納骨するとき(火葬許可証が必要)は改葬許可が不要(別手続きのため本レコードには含めていない)2026年9月19日・出典
庄原市土葬骨も法律上改葬でき、納骨先が焼骨しか受け入れできない場合は火葬が必要2026年9月19日・出典
周南市土葬されていた遺体を火葬し、別の墓地等に移すときは改葬及び火葬の手続きが必要(別手続きのため本レコードには含めていない)2026年9月19日・出典
三豊市改葬許可が必要な移動は、墓地(納骨堂)から墓地(納骨堂)へご遺骨を移すとき、土葬した死体を火葬した後ほかの墓地に移すとき2026年9月19日・出典
八幡浜市同一覧には委任状や火(埋)葬骨再火葬許可申請書、各種証明書の郵便請求書も併載されている2026年9月19日・出典
新居浜市土葬遺骨については再火葬が必要となる場合があるため事前に相談する2026年9月19日・出典
西予市土葬の場合は再火葬を行う旨の案内があるが、これは改葬後の別手続きのためrequired_documentsには含めていない2026年9月19日・出典
四万十市土葬した遺骨が土中に現存する場合は改葬許可が必要だが、土葬から年数が経過し既に遺骨が土中になく土や遺品のみを取り出す場合は改葬許可は不要(この場合は改葬先側・特殊なケースのためrequired_documentsには含めていない)2026年9月19日・出典
田川市火葬せずに土葬をしている(遺骨でなく死体の)場合も、同様の手順で申請が必要2026年9月19日・出典
多久市土葬されていた場合など改めて再火葬することも考えられ、その場合は別途「改葬火葬許可証」による再火葬の許可が必要(本レコードの対象外)2026年9月19日・出典
諫早市墓地や納骨堂に納めているお骨をもう一度火葬することを「再火葬」という2026年9月19日・出典
雲仙市改葬に合わせて遺骨の再火葬を雲仙市内の斎苑で行う場合は、改葬とは別に再火葬の申請が必要(予約要、使用料が発生する場合あり)で、これは別手続きのためrequired_documentsには含めていない2026年9月19日・出典
天草市天草市の改葬許可は再火葬の許可を兼ねている2026年9月19日・出典
合志市墓じまいのため菊池広域連合等で再火葬する場合、自宅敷地内などにある個人墓等に現在納骨している場合、一度も納骨せずに自宅で保管されている場合は、いずれも事前に環境衛生課へ相談するよう案内がある2026年9月19日・出典
佐伯市改葬に合わせて遺骨を小さくまとめる再火葬を行う場合は別手続き(火葬許可証の取得、1炉あたり使用料金6,000円)であり、required_documentsには含めていない2026年9月21日・出典
西都市墓地や納骨堂に埋蔵された焼骨や埋葬された死体(土葬)を別のお墓に移す行為を「改葬」という2026年9月21日・出典
薩摩川内市遺骨を何らかの目的で再火葬される場合も、改葬許可が必要2026年9月21日・出典
姶良市必要書類は、現在遺骨がある場所や墓地等の代表管理者の有無により異なり、市は(1)遺骨が自宅にあり死体火葬許可書〔火葬済〕が手元にある場合、(2)同・再火葬予定の場合、(3)遺骨が自宅にあり死体火葬許可書が手元にない場合、(4)管理組合がある墓地や納骨堂に遺骨がある場合、(5)管理組合がない墓地や納骨堂に遺骨がある場合、の5パターンに分けて案内している2026年9月21日・出典
長与町改葬手続きが必要な例は「遺骨を町内の墓地等から別の墓地等に移動するとき」と「町内の墓地等にある遺骨を再火葬するとき(再火葬後の移動先は不問)」2026年10月3日・出典
寄居町土葬された遺体を改葬する場合は、改葬前に火葬が必要なことがある2026年10月3日・出典
三股町再火葬(合骨など)で都城市斎場を利用する場合は「斎場利用許可書」が必要で、町民保健課 戸籍住民係で手続きと記載2026年10月3日・出典
吉岡町土葬された遺体の改葬や分骨などは問い合わせ、と記載2026年10月3日・出典
那須町注意事項に「お骨1体につき申請書1枚が必要です」「死産の場合や土葬されている場合の改葬については、担当課窓口にお問い合わせください」と記載2026年10月3日・出典
加美町埋葬(土葬)されていた遺体を改めて火葬する場合は斎場使用予約が必要(案内Wordに斎場使用料「管内5,000円/管外10,000円」)2026年10月4日・出典
さつま町再火葬が必要な場合は「火葬場予約については、改葬許可申請時に窓口で予約をします2026年10月4日・出典
那智勝浦町土葬されている方は改葬前に改めて火葬が必要となる場合があり、「改葬の際の斎場使用料は10000円になります2026年10月4日・出典
川棚町川棚斎場で再火葬を希望する場合は火葬炉の予約と改葬許可証の提示が必要で、火葬炉の使用料が発生2026年10月4日・出典
羽後町「土葬から改葬する場合は、事前に火葬する必要があります2026年10月4日・出典
屋久島町「改葬先で再火葬を行わないと納骨を受け入れていただけない納骨堂等がありますので、必ず申請前に、改葬先の管理者に確認をしてください2026年10月4日・出典
大槌町「※ 「土葬骨」を改葬する際は火葬が必要となります2026年10月4日・出典
池田町改葬許可が必要な移動(墓地(納骨堂)から墓地(納骨堂)へ移すとき/土葬した死体を火葬した後ほかの墓地に移すとき)と不要な場合(分骨するとき等)の一覧あり2026年10月5日・出典
大多喜町「大多喜町で再火葬(改葬の火葬)をされる際は、火葬許可証と一緒に改葬許可証を無相苑にご提出ください2026年10月5日・出典

このほか、2026年9月8日に当サイトが公式ページの本文を読んで確認できた自治体の文言を、以下の各節で引用します。そもそも自分の場合に改葬許可が要るのかを先に確かめたい方は改葬許可は必要?不要?で、8つの場合に分けて判定しています。この記事は、土葬骨があると分かった後の進め方に絞ります。

進める順番:確認から納骨までの7段階

火葬骨の改葬が「申請→交付→取り出し→納骨」の4段階なら、土葬骨ではその間に確認と火葬が挟まります。自治体の公式文言を順番に置くと、こうなります。

  1. いまの墓地の管理者に、遺骨の数と種別を確かめる
    八王子市は手続きの最初の段階で「納骨されている遺骨が何体あるか、火葬骨か土葬骨かの種別を必ずご確認ください」と案内しています。古いお墓では、火葬骨と土葬骨が同じ区画にあることも珍しくありません。
  2. 改葬先に、土葬のままの受け入れ可否と、火葬骨の受け入れ条件を聞く
    土葬のまま移せる墓地はほとんどないため(次々節)、多くの場合は火葬が前提になります。改葬先が決まらないと改葬許可申請書の「改葬の場所」欄が埋まりません。
  3. いまお墓がある市区町村に改葬許可を申請する
    八王子市は「土葬骨を改葬する場合の手続きについては、火葬骨を改葬する手続きと同じです」としつつ、土葬骨と火葬骨が混在する場合は申請書を分けるよう案内しています(「申請書で変わるところ」の節)。前橋市のように「土葬された遺体の改葬や分骨など、詳しい内容についてはお問い合わせください」と個別対応にする自治体、小田原市のように「土葬された御遺体を火葬後に改葬する場合は、お問い合わせください」とする自治体もあります。
  4. 改葬許可証の交付を受けてから、掘り起こす
    順序が逆になると、許可を受けずに改葬したことになります(第5条違反は第21条の罰則対象)。舞鶴市は「改葬の許可はお墓を掘り返す前に必要です」と明記しています。掘り起こしは石材店に依頼するのが一般的です。
  5. 必要なら洗骨する
    長野市は「土葬・火葬いずれの場合においても、事前に洗骨が必要となる場合が多いので、土葬の場合は改葬先、火葬の場合は火葬場に事前にご確認ください」と案内しています。土や副葬品を取り除く作業で、誰が行うか、費用に含まれるかは石材店との取り決めになります。
  6. 火葬場を予約し、改葬許可証を持って火葬する
    長崎市は市内で火葬する場合の斎場の予約先まで案内しています。八王子市は「火葬に関する詳細については火葬場にご確認ください」、つくば市も「火葬場の予約方法などは、利用する火葬場にお問い合わせください」としています。
  7. 火葬骨を骨壺に納め、改葬先に改葬許可証を提出して納骨する
    ここからは火葬骨の改葬と同じです。許可証の渡し先や、受け取ったあとの扱いは改葬許可証の有効期限と紛失で整理しています。

火葬許可証は別に取る?改葬許可証で火葬できる仕組み

通常の火葬では、死亡届を出した市区町村が火葬許可証を交付し、火葬場はそれを受理して火葬します。土葬骨の場合、亡くなったのは何十年も前で、当時の埋葬許可証はいまのお墓に納める際に管理者へ渡されているのが普通です。では何を根拠に火葬するのか。法第14条第3項は、火葬場の管理者が受理すべき書類を「火葬許可証又は改葬許可証」と並べて書いています。改葬許可証そのものが、火葬の根拠書類になる仕組みです。

自治体の案内もこれに沿っています。八王子市「土葬骨の火葬については、発行した改葬許可証で火葬することができます」。長野市「火葬する場合で長野市の斎場を利用される場合は、改葬許可証を提示いただくことで火葬いただけます。長野市以外の火葬場を利用いただく場合は、それぞれの火葬場へお問い合わせください」。長崎市「再火葬や土葬遺体の火葬にも改葬許可証が必要」。佐世保市は用語の説明で「埋葬骨…土葬された遺骨(改めて火葬をする場合も改葬許可証が必要です。)」と書いています。

ただし、火葬場側の手続きが別にある場合があります。相模原市は「土葬されていた場合、改めて火葬することも考えられます。この場合は、火葬炉使用承認申請が必要となります」と案内しています。改葬許可証があれば自動的に火葬場が受け付ける、という意味ではなく、火葬場ごとの申込みや予約は別に要る。長野市が「それぞれの火葬場へ」と書くのも同じ理由です。市区町村によって火葬場が市営か広域組合かも違うため、どこで火葬できるかは墓じまいと火葬場の整理もあわせてご覧ください。

なお、火葬許可証で火葬した場合は火葬場の管理者が許可証に火葬の日時を記入して返す決まりがあります(施行規則第8条)。改葬許可証で火葬した場合に火葬済みの証明がどう記録されるかは、火葬場と改葬先の双方に確認しておくと、納骨のときに困りません。

改葬先が受け入れるか:土葬のまま移せる墓地はほぼない

法律は土葬を禁じていません。それでも土葬のまま移すのが現実的でない理由を、高崎市が端的に書いています。「土葬は法律では禁止されていませんが、現在は自治体の条例や墓地・霊園の規約などによって、許可されていないことがほとんどです。改葬する先の墓地・霊園などで事前にご確認ください」。続けて「土葬されていた遺体を火葬し別の墓地や霊園などに移すときは、改葬及び火葬の手続きが必要になりますので、お問い合わせ下さい」。

つくば市は納骨の形から書いています。「土葬されているご遺体を、改葬先で骨壺に入れて納骨する場合には、必ず火葬する必要がありますのでご注意ください」。長野市は「基本的には可能ですが、改葬先によって土葬ができない場合があります。その場合は火葬が必要となりますので、事前に改葬先へご確認ください」。八王子市は「改葬する遺骨が土葬骨で、改葬先の墓地等が八王子市内の場合は、一度火葬をする必要があります。なお、改葬先が八王子市外の場合は、火葬の要否について改葬先の墓地管理者または改葬先市区町村へご確認ください」と、改葬先の自治体の条例で決まることを示しています。草津市も「土葬した死体を改葬する場合、火葬が必要な場合があります」。

つまり、火葬の要否を決めるのは、いまの自治体ではなく改葬先です。改葬先を決める段階で「土葬骨を火葬したうえで納める」と伝え、受入証明書や使用許可証をもらう。永代供養墓や納骨堂を改葬先に選ぶ場合も同じで、骨壺の大きさに規定があるところでは、火葬後の骨壺のサイズまで確かめておくと二度手間になりません。改葬先の選び方は取り出した遺骨をどうするかで整理しています。

申請書で変わるところ:土葬骨と火葬骨を分ける、埋葬の場所・年月日

改葬許可申請書の記載事項は施行規則第2条第1項で全国共通に定められており、そのなかに「埋葬又は火葬の場所」(第3号)と「埋葬又は火葬の年月日」(第4号)があります。火葬骨なら火葬場の名前と火葬日を書く欄ですが、土葬骨では埋葬した場所と日付を書きます。倉敷市は「火葬の場合は火葬した日や火葬場について、埋葬(いわゆる土葬のこと)の場合は埋葬した日や場所について記載してください」と案内しています。

土葬骨と火葬骨が同じお墓にある場合、申請書を分ける自治体があります。八王子市「改葬する遺骨に土葬骨と火葬骨双方が含まれる場合には、土葬骨と火葬骨で改葬許可申請書を別に分けて申請する必要があります」。町田市「改葬するご遺骨に土葬骨と焼骨双方が含まれる場合には、土葬骨と焼骨の改葬許可申請書を分けてそれぞれ申請する必要があります」。埋葬か火葬かで記入欄の内容が変わるための運用です。挙がっていない自治体でも、様式に「埋葬・火葬の別」の欄があれば同じことが起きるので、申請先の記入例を先に見ておくと迷いません。

古い土葬骨では、死亡年月日や本籍が分からないことがあります。記入例の注記などで、分からない項目は「不詳」と書くよう案内していた自治体が実査892件のうち56件(仙台市・福岡市・長崎市・鹿児島市・静岡市・熊本市・足立区・品川区・尼崎市・水戸市・横須賀市・町田市・山形市・松本市・倉敷市・呉市・秦野市・熊谷市・深谷市・佐倉市・守口市・箕面市・土浦市・石巻市・南房総市・匝瑳市・下呂市・湖西市・桑名市・米原市・木津川市・滝沢市・名取市・多賀城市・岩沼市・富谷市・南砺市・野々市市・茅野市・高梁市・周南市・新居浜市・伊予市・福津市・朝倉市・熊取町・宇美町・播磨町・寄居町・水巻町・三股町・辰野町・太子町・川俣町・桑折町・厚岸町)ありました。水戸市の記入例は「不明の場合は『不詳』と記入(死亡年月日・埋葬年月日など)」としています。除籍謄本で確認できる範囲は確認したうえで、それでも埋まらない欄をどう書くかは申請先の案内に従うことになります。欄ごとの書き方は申請書の書き方、添付する書類は必要書類の一覧をご覧ください。

遺骨が土に還っていた場合:不要になるが、掘る前に許可を

土葬から長い年月が経つと、遺骨が土に還って何も出てこないことがあります。移す遺骨が存在しなければ、法律の定義上の改葬は成立しません。水戸市「遺骨が存在しない場合(土葬し、土にかえった場合など)は改葬手続きは不要です」。川口市「土葬された遺体(遺骨)を他の墓地等に移動する場合も、改葬許可が必要になります。ただし、土葬から年数が経過し、既に遺体(遺骨)が土中になく、土や遺品のみを移動する場合は、改葬許可手続きは必要ありません」。大津市は「土葬されていた場所の土を新しい墓地に入れたい、など土の移動に関する内容は、改葬先の墓地等管理者へご相談ください(土は改葬許可の対象ではありません。)」と、土そのものを移したい場合の相談先まで書いています。

問題は、掘るまで分からないことです。舞鶴市は改葬許可が必要ない場合に「土葬の場合などで、既にご遺骨が土に返っているとき」を挙げたうえで、「ただし、改葬の許可はお墓を掘り返す前に必要です。ご遺骨が残っている可能性があるときは、事前に改葬の許可を受けてください」と続けています。土に還っている見込みでも先に申請し、掘ってみて遺骨がなければ許可証を使わずに終わる。この順番なら、遺骨が残っていた場合に無許可で動かす事態を避けられます。使わなかった許可証の扱いは改葬許可証の有効期限と紛失(使わずに時間が経った・改葬先が変わった)で触れています。

遺骨が出てこなかった場合でも、墓石の撤去と区画の返還は残ります。土を改葬先に持っていくかどうかは、大津市の案内どおり改葬先の管理者との相談です。

火葬して同じお墓に戻す・再火葬

墓石を建て直す工事で土葬骨が出てきて、火葬してから同じお墓に戻したい、という場面があります。八王子市はこれを改葬とは扱いません。「埋葬(又は埋蔵)された土葬骨を一度火葬し、元の墳墓へ戻す場合、改葬手続きには当たりませんが、土葬骨を火葬するための証明書(埋火葬許可証及び埋火葬済証明書に代わる証明書)の交付申請手続きで火葬を行うことができます。この場合には、市民課戸籍担当へご相談ください」。舞鶴市も「土葬した死体を火葬後、元のお墓へ戻すとき」を改葬許可が必要ない場合に挙げています。

改葬ではないが火葬の根拠書類は要る、という扱いで、八王子市では証明書の交付申請という別の手続きになります。この運用を公式ページに書いている自治体は多くないため、同じお墓に戻す予定でも、まず申請先の窓口に「改葬に当たるか、火葬の書類は何か」を聞くところから始まります。

火葬骨をもう一度火葬する「再火葬」(骨壺を小さくしたいときなどに行われます)についても、長崎市と佐世保市は改葬許可証が必要と案内しています。火葬済みの遺骨だから許可は要らない、とは限らない点に注意が要ります。

費用で増える項目(金額は書きません)

火葬骨の改葬にはない費目が3つ加わります。掘り起こしと洗骨の作業費(石材店)、火葬場の火葬料、新しい骨壺の代金です。火葬料は火葬場ごとに定められていて、一律ではありません。当サイトには土葬骨の改葬に固有の費用実数がないため、ここで金額は書きません。石材店の見積もりに「掘り起こし」「洗骨」が入っているか、火葬料は誰が立て替えるかを、見積もりの段階で確かめておく。それが数字を確かにする最短の方法です。

墓石の撤去や改葬先の費用を含めた全体の目安は費用シミュレーターで試算できます。土葬骨の火葬料と掘り起こし費は試算に含まれないので、別枠で見込んでください。

よくある質問

回答中の自治体の文言は、当サイトが2026年9月8日に各自治体の公式ページ本文を読んで転記したものです。件数は実査した892自治体(47都道府県)のデータからの集計です。

土葬のお墓を墓じまいするとき、火葬は必ず必要ですか?

別のお墓や納骨堂に骨壺で納めるなら、火葬が要ります。つくば市は「土葬されているご遺体を、改葬先で骨壺に入れて納骨する場合には、必ず火葬する必要があります」、高崎市は「土葬は法律では禁止されていませんが、現在は自治体の条例や墓地・霊園の規約などによって、許可されていないことがほとんどです。改葬する先の墓地・霊園などで事前にご確認ください」と案内しています。長野市のように「改葬先によって土葬ができない場合があります。その場合は火葬が必要となります」と、改葬先次第とする自治体もあります。火葬の要否は、改葬先の受け入れ条件で決まります。

土葬の遺骨を火葬するのに、火葬許可証は別に取るのですか?

多くの自治体は、改葬許可証で火葬できると案内しています。八王子市は「土葬骨の火葬については、発行した改葬許可証で火葬することができます」、長野市は「火葬する場合で長野市の斎場を利用される場合は、改葬許可証を提示いただくことで火葬いただけます」、長崎市は「再火葬や土葬遺体の火葬にも改葬許可証が必要」としています。法律も、火葬場の管理者は「火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない」(第14条第3項)と定めており、改葬許可証が火葬の根拠書類になる仕組みです。ただし相模原市は「火葬炉使用承認申請が必要となります」と、火葬場側の手続きを別に案内しています。使う火葬場に確かめてください。

お墓を掘ったら遺骨が土に還っていて、何も出てきませんでした。手続きは要りますか?

移す遺骨がなければ、改葬の手続きは不要と案内する自治体が目立ちます。水戸市は「遺骨が存在しない場合(土葬し、土にかえった場合など)は改葬手続きは不要です」、川口市は「土葬から年数が経過し、既に遺体(遺骨)が土中になく、土や遺品のみを移動する場合は、改葬許可手続きは必要ありません」。大津市は「土は改葬許可の対象ではありません」としています。ただし舞鶴市は「改葬の許可はお墓を掘り返す前に必要です。ご遺骨が残っている可能性があるときは、事前に改葬の許可を受けてください」と、掘る前に許可を取る順序を示しています。

土葬の遺骨と火葬した遺骨が同じお墓にあります。申請書は1枚でいいですか?

分けて申請するよう案内する自治体があります。八王子市は「改葬する遺骨に土葬骨と火葬骨双方が含まれる場合には、土葬骨と火葬骨で改葬許可申請書を別に分けて申請する必要があります」、町田市も「土葬骨と焼骨の改葬許可申請書を分けてそれぞれ申請する必要があります」としています。申請書には「埋葬又は火葬の場所」「埋葬又は火葬の年月日」を書く欄があり(施行規則第2条第1項第3号・第4号)、倉敷市は「埋葬(いわゆる土葬のこと)の場合は埋葬した日や場所について記載してください」と案内しています。

古いお墓で、亡くなった年や本籍が分かりません。申請できますか?

分からない項目は「不詳」と書くよう案内する自治体があります。当サイトの実査892自治体のうち、記入例の注記などで「不詳」「不明」と記入するよう公式に書いていたのは56件(仙台市・福岡市・長崎市・鹿児島市・静岡市・熊本市・足立区・品川区・尼崎市・水戸市・横須賀市・町田市・山形市・松本市・倉敷市・呉市・秦野市・熊谷市・深谷市・佐倉市・守口市・箕面市・土浦市・石巻市・南房総市・匝瑳市・下呂市・湖西市・桑名市・米原市・木津川市・滝沢市・名取市・多賀城市・岩沼市・富谷市・南砺市・野々市市・茅野市・高梁市・周南市・新居浜市・伊予市・福津市・朝倉市・熊取町・宇美町・播磨町・寄居町・水巻町・三股町・辰野町・太子町・川俣町・桑折町・厚岸町)でした。水戸市の記入例は「不明の場合は『不詳』と記入(死亡年月日・埋葬年月日など)」としています。戸籍(除籍)で確認できる範囲は確認し、それでも分からない欄は申請先の案内に従って書く、という順番になります。

次の一歩

土葬骨の改葬は、改葬許可を取り、交付された許可証で火葬し、火葬骨として納める。この骨格に、いまの管理者への種別確認と、改葬先への受け入れ確認が前後に付きます。当サイトは制度の一般的な解説と公式情報への案内を行うもので、個別の判定や申請の代理は行いません。ご自身の場合の順番は、いまお墓がある市区町村の窓口と、使う火葬場に確かめてください。窓口・担当課・様式は自治体別データベースに出典・確認日つきで載せています。市役所の窓口で何を聞けるかは墓じまいの相談は市役所でできる?で整理しました。

掘り起こし・洗骨・墓石の撤去は石材店の仕事です。土葬骨を扱った経験があるか、洗骨まで含めた見積もりかは業者によって差が出るところなので、複数の石材店に同じ条件で見積もりを頼んで比べる方法があります(以下は広告リンクです)。
全国の優良石材店から一括見積りが無料で出来る【墓石ナビ】比べられるもの: 複数の石材店から届く墓石撤去の見積もり(金額と内訳)を、同じ条件で並べて比較できます費用: 見積もりの依頼は無料です。依頼した石材店と契約する義務はありません依頼後に起きること: 入力した電話番号・メールアドレスに確認の連絡が入ります。この連絡に応じてはじめて見積もりが進みます無料で見積もりを依頼する(確認の連絡あり)外部サイト(墓石ナビ)に移動します。

参照元

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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