墓じまいを自分でやる方法|自分でできる手続きと頼む必要がある作業

大久保亮佑

執筆・編集: 大久保亮佑株式会社Kogera代表生前整理アドバイザー2級

更新日: 2026年9月8日

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墓じまいを自分でやる方法|申請書を公式サイトで公開している自治体は実査149件中132件

墓じまいは、手続きの大部分を自分で進められます。改葬許可申請は申請者本人が市区町村に出す手続きですし、寺院や霊園への連絡も、改葬先の契約も、本人が動くことです。業者に頼まなければならないのは、墓石の解体・撤去と、それに伴う遺骨の取り出しです。

当サイトが公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)では、132件(約89%)が申請書の様式を公式サイトで公開し、86件(約58%)が郵送での申請を受け付けていました。役所に何度も足を運ばなくても済む自治体が多い、ということです。この記事では「自分でできること」「頼む必要があること」「頼むかどうかを選べること」の3つに分けて、順序と確認点を整理します。

この記事の要点(当サイト実査149自治体・公営墓地31運営主体)

自分でできる家族の合意、いまの墓地の管理者への相談、改葬先の選定・契約、改葬許可申請、閉眼供養の依頼、新しい納骨先への納骨
頼む必要がある墓石の解体・撤去・搬出と遺骨の取り出し(石材店。公営墓地31運営主体のうち「業者の指定なし」と明記 10件・記載なし 21件)
申請の手間様式を公式サイトで公開 132件/郵送申請可 86件/申請書内の証明欄で管理者の証明を受ける形 66件(146件中)
行政の費用改葬許可証の手数料は無料と明記 44件・有料 9件(300600円)・記載なし 96件。総額を動かすのは撤去工事と納骨先
順序の要遺骨を取り出す前に許可を受ける(順序を明記していた自治体 4件)。改葬先が決まらないと申請書の「改葬の場所」が埋まらない

自分でできること・頼む必要があること・選べること

「自分でやる」と一口に言っても、墓じまいの作業は性質の違うものが混ざっています。分けてみると、次の3つに整理できます。

墓じまいの作業を、自分で行うか・頼むかで分けた一覧
区分作業相手・根拠
自分でできる家族の合意づくり/いまの墓地の管理者への相談と連絡/改葬先の見学・選定・契約/改葬許可申請/閉眼供養の依頼/新しい納骨先への納骨改葬許可申請は申請者本人が市区町村に出す手続き(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)
頼む必要がある墓石の解体・撤去・搬出、遺骨の取り出し、区画の原状回復墓地の管理者が定める手順・条例に従う工事。石材店(墓地によっては指定業者)
頼むかどうか選べる窓口を一本化する代行サービス/遺骨の粉骨・洗骨/法要の手配/遺骨の送付(送骨)使わなくても手続きは成り立つ。使う場合は内訳の確認が要る

1段目が思いのほか多い、というのがこの表の要点です。役所と寺院と霊園の三者に自分で連絡するのは手間ですが、専門資格が要る作業ではありません。鎌倉新書の第4回調査(2026年1月、n=733)では、実施した人の課題として「引っ越し先選び」と「役所の手続き」が挙がっています。裏を返せば、この2つは本人が担っているということでもあります。

自分で進めるときの順序(6段階)

順序は、墓じまいの流れで整理した6段階と同じです。自分で進める場合に特に効いてくるのは、④を⑤より先に済ませることと、③が終わらないと④の書類が埋まらないことです。

  1. 家族の合意……名義人(墓地使用者)と、お参りする人の意向を揃えます。申請者が墓地使用者でない場合は、使用者の承諾書が要ります(施行規則第2条第2項)。
  2. いまの墓地の管理者に相談する……寺院なら住職、霊園なら管理事務所、公営墓地なら自治体の担当課。ここで、埋蔵証明の出し方(申請書内の証明欄か、別紙か)と、撤去の手順・業者の指定の有無を聞きます。市役所の窓口で答えてもらえるのは改葬許可の申請書・手数料までで、費用の相場や石材店選びは所管の外です。その線引きは市役所の窓口で聞けること・聞けないことで整理しています。
  3. 改葬先を決めて契約する……永代供養墓・樹木葬・納骨堂・手元供養など。契約書や使用許可証は、次の申請で「改葬先に関する書類」として求められることがあります(実査で58自治体が必要書類に挙げていました)。
  4. 改葬許可申請……いまお墓がある市区町村に、申請書と添付書類を出します。詳しくは次の節で。
  5. 閉眼供養・遺骨の取り出し・墓石の撤去……許可証を受け取ってから。閉眼供養は寺院に依頼し、取り出しと撤去は石材店の作業です。
  6. 新しい納骨先へ納骨……改葬許可証を納骨先の管理者に渡します(法 第14条)。

④と⑤の順序について、実査では4自治体(鹿児島市・静岡市・文京区・岡崎市)が「遺骨を取り出す前に申請が必要」「改葬する前に手続き」と公式に明記していました。許可を受けずに遺骨を動かすことは法 第5条第1項に反し、第21条の罰則の対象です。自分で進めるときにいちばん守りたい順序です。

改葬許可申請を自分でする:様式・証明・提出方法

様式の入手。実査149自治体のうち132件が、申請書の様式を公式サイトで公開していました。印刷して手書きで埋めるか、Word・Excel版を配布している自治体ではそのまま入力できます。公開していない自治体は窓口か郵送で取り寄せます。書く内容は施行規則第2条第1項の7項目で全国共通。項目ごとの書き方は改葬許可申請書の書き方にまとめています。古い遺骨で本籍や年月日が分からない項目は「不詳」と書く運用を案内する自治体が多く、空欄のまま止まる必要はありません。

管理者の証明。いまの墓地の管理者から、遺骨がそこにあることの証明をもらいます。実査で必要書類を確認できた146自治体のうち、66件(約45%)は申請書の中に証明欄があり、そこに署名・押印をもらう形でした。別紙の証明書を求める形が61件。どちらの方式かは様式を見れば分かるので、先に様式を入手してから管理者に会いに行くと、二度手間になりません。証明がもらえない事情があるときの代替は必要書類の一覧で整理しています。

提出。窓口へ持参するほか、実査149自治体のうち86件が郵送を受け付け、不可と明記していたのは3件でした。返信用封筒と切手、有料自治体では定額小為替を同封します(郵送での申請)。オンライン申請を受け付ける自治体もあります(オンラインでの申請)。家族が代わりに窓口へ行く場合は委任状の要否が自治体で分かれ、実査では「代理人による提出可」と明記が1件(静岡市)、「代理人は不可(使者は可)」「事前に問い合わせが必要」としていたのが2件(市原市・枚方市)ありました。詳しくは委任状が必要な場合へ。

交付。日数の記載があった45自治体のうち、即日交付相当が15件、1週間以上が17件。郵送なら1週間前後を見ておく案内が多く見られます。受け取った許可証は、新しい納骨先に渡すまで手元で保管します。

なお当サイトは制度の一般的な解説と公式情報への案内を行うもので、申請の代理や書類作成の代行、記入の個別指導は行いません。書き方に迷う点は、申請先の自治体窓口にご確認ください。

自分ではできない作業:墓石の撤去と遺骨の取り出し

墓石の解体・搬出は重機や技能を要する作業で、墓地の管理者が定める手順に従う必要があります。公営墓地では、返還時の原状回復の範囲や業者の指定が条例・規則で決まっています。当サイトが条例・公式資料を実査した31運営主体では、「業者の指定なし」と明記していたのが10件、指定の有無が公式資料に書かれていないものが21件でした。指定がなければ、同じ撤去仕様を複数の石材店に渡して見積もりを比べられます。指定がある墓地では、その業者に頼むことになります。

寺院墓地・民間霊園では、指定石材店が決まっている場合と、自由に選べる場合があります。②の相談の段階で必ず確かめてください。原状回復の範囲(カロート・基礎などの地下構造物まで撤去するか)で工事の内容が変わることは公営墓地の原状回復はどこまでで、費用の見方は墓石の撤去費用相場で整理しています。

遺骨の取り出しも、多くの場合は撤去工事と同じ日に石材店が行います。閉眼供養(お性根抜きなどと呼ばれることもあります)を先に済ませる場合は、寺院と石材店の日程を自分で合わせることになります。ここは自分で「調整する」作業であって、自分で「掘り出す」作業ではありません。

頼むかどうかを選べる作業:代行・粉骨・法要

代行サービスは、役所・寺院・石材店・改葬先との連絡窓口をひとつにまとめるものです。使わなくても手続きは成り立ちます。使う場合に確かめたいのは、代行の範囲に何が含まれ、何が含まれないか。官公署に提出する書類を報酬を得て作成することは、行政書士法が行政書士の業務と定めています。業者が申請の書類作成まで引き受けると言う場合は、誰が担うのかを聞いておくと安心です。費用の構造は墓じまい代行の費用相場にまとめました。

粉骨・洗骨は、改葬先が樹木葬・散骨・手元供養のときに求められることがあります。法要の手配、遺骨を郵送で納骨先に送る「送骨」も同様に、選べる作業です。取り出したあとの遺骨の扱いは墓じまいした後の遺骨はどうする?で分けて整理しています。

自分でやると費用はどう変わるか

正直に書くと、自分で手続きをしても総額はあまり変わりません。行政の費用はもともと小さいからです。改葬許可証の手数料は、実査149自治体で「無料」と明記していたのが44件、有料が9件(1件あたり300円〜600円)。郵送なら切手代が加わる程度です(改葬許可証の費用)。

総額を動かすのは、墓石の撤去工事と新しい納骨先の費用、そして寺院へのお布施です。この3つは自分で手続きしても頼んでも同じ作業が発生します。自分でやることで省けるのは、代行の手数料(窓口をひとつにまとめる対価)と、業者を選ぶ自由を持てることによる見積もりの比較余地です。内訳ごとの目安は費用シミュレーターで試算できます。

自分で進めてつまずきやすい4つの場面

  1. 寺院への切り出し……墓じまいパートナーズの2026年調査(n=230)では、大変だったことの1位が「お寺とのやり取り」で38.5%でした。証明をもらう前に、改葬の意向を伝える場面が来ます。切り出し方は離檀と寺院との関係で扱っています。
  2. 改葬先が決まらないまま申請に行く……申請書の「改葬の場所」欄は、行き先が決まらないと埋まりません。先に改葬先の契約を済ませるのが順序です。
  3. 証明の形式を確かめずに管理者へ行く……申請書内の証明欄型(66件)と別紙型(61件)があるので、様式を先に手に入れてから訪ねます。
  4. 許可証を受け取る前に撤去日を決める……交付までの日数は自治体で違い、1週間以上かかる案内も17件ありました。石材店の工事日は、許可証が手元に来てから確定させると手戻りがありません。

よくある質問

回答中の件数は、当サイトが自治体公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)と、公営墓地31運営主体の条例・公式資料からの集計です。

墓じまいは自分でできますか?

手続きの大部分は本人で進められます。改葬許可申請は申請者自身が市区町村に出す手続きで、当サイトが実査した149自治体のうち132件は申請書の様式を公式サイトで公開し、86件は郵送での申請を受け付けています。いまの墓地の管理者への連絡、改葬先の選定と契約、閉眼供養の依頼も本人が行うことです。自分ではできないのは、墓地内での墓石の解体・撤去工事と、遺骨の取り出しを伴う作業で、これは石材店(墓地によっては指定業者)に頼むことになります。

墓じまいを自分でやる場合、何から始めればよいですか?

順番は、①家族の合意、②いまの墓地の管理者(寺院・霊園・自治体)への相談、③改葬先を決めて契約、④改葬許可申請、⑤閉眼供養と遺骨の取り出し・墓石撤去、⑥新しい納骨先への納骨、が基本です。④より先に遺骨を動かしてはいけない点と、③の改葬先が決まらないと申請書の「改葬の場所」欄が埋まらない点が、順序の要です。

改葬許可申請書は、自分で書いて出してよいのですか?

はい。申請者本人が記入して、いまお墓がある市区町村に提出します。書く内容は施行規則第2条の7項目で全国共通で、実査した149自治体のうち66件は申請書の中に墓地管理者の証明欄があり、その欄に署名・押印をもらう形です。本人以外が窓口に立つ場合は委任状を求める自治体があります(必要書類に委任状を挙げていたのは28件)。

自分でやると、墓じまいの費用はどのくらい変わりますか?

行政手続きの部分はもともと小さく、改葬許可証の手数料は実査149自治体で「無料」と明記44件、有料9件(1件あたり300円〜600円)でした。総額の大半は墓石の撤去工事と新しい納骨先の費用で、これは自分で手続きしても変わりません。代行サービスを使わないことで省けるのは、代行の手数料(窓口一本化の対価)の部分です。

墓石の撤去は自分でしてもよいですか?

墓地の管理者が定める手順に従う必要があり、自分で解体・搬出することは現実的ではありません。公営墓地では返還時の原状回復の範囲や業者の指定が条例・規則で決まっていて、当サイトが実査した31運営主体のうち「業者の指定なし」と明記していたのは10件、記載がないものが21件でした。寺院墓地では指定石材店がある場合があります。まず管理者に、誰に頼めるかを確かめてください。

次の一歩:自分の自治体の様式と郵送可否を見る

自分で進めると決めたら、最初に見るのは、いまお墓がある自治体の案内です。様式が公式サイトにあるか、証明欄はどの形か、郵送できるか、手数料はいくらか。当サイトの自治体別データベースでは、149自治体分を公式サイトの出典と確認日つきで1ページにまとめています。

役所より先に相手になるのは、いまの墓地の管理者です。公営墓地なら返還手続きが改葬許可とは別にあり、公営墓地の返還手続き31運営主体の条件を比べられます。市営墓地からの改葬で証明が省略できる自治体については市営墓地からの改葬許可申請をご覧ください。

自分でできないのは、墓石の撤去です。費用の中で最も金額が動く部分なので、業者を選べる墓地なら、複数の石材店の見積もりを比べることで下がる余地があります。一括見積もりサービスを使う手もあります(以下は広告リンクです)。
全国の優良石材店から一括見積りが無料で出来る【墓石ナビ】比べられるもの: 複数の石材店から届く墓石撤去の見積もり(金額と内訳)を、同じ条件で並べて比較できます費用: 見積もりの依頼は無料です。依頼した石材店と契約する義務はありません依頼後に起きること: 入力した電話番号・メールアドレスに確認の連絡が入ります。この連絡に応じてはじめて見積もりが進みます無料で見積もりを依頼する(確認の連絡あり)外部サイト(墓石ナビ)に移動します。

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大久保亮佑

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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