市営墓地からの改葬許可申請|証明の省略と窓口の違いを実査で整理

大久保亮佑

執筆・編集: 大久保亮佑株式会社Kogera代表生前整理アドバイザー2級

更新日: 2026年9月8日

本ページには広告(アフィリエイト)を含みます

市営墓地からの改葬許可申請|管理者の証明を省略・代替できると明記した自治体は実査149件中8件

市営墓地からの改葬は、寺院墓地からの改葬と手続きの相手が少し違います。許可を出す市区町村と、いまのお墓の管理者が、同じ自治体だからです。管理者の証明を市の帳簿で済ませる、墓地使用許可証で代える、といった省略を認める自治体があります。

当サイトが公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)のうち、市営墓地からの改葬について証明の省略・代替を明記していたのは8件。窓口や様式が寺院墓地と分かれることを案内していたのは15件でした。この記事では、その原文を並べ、改葬許可と返還手続きの関係まで整理します。

この記事の要点(当サイト実査149自治体・45都道府県)

許可は必要か必要。市営墓地からでも、遺骨を他の墓地・納骨堂へ移すことは「改葬」(墓地、埋葬等に関する法律 第2条第3項・第5条)
証明の省略・代替明記あり 8件(鹿児島市・新潟市・岡山市・金沢市・岐阜市・市原市・安城市・伊丹市)。管理者の証明を必要書類に挙げる自治体は全体で 118件(146件中・約81%)
窓口・様式の分岐市営墓地と寺院・民間墓地とで窓口・様式・手続きが分かれると明記 15件(管理事務所で受付、専用様式、事前相談など)
返還との関係改葬許可(遺骨を移す許可)と返還(使用権を返す手続き)は別。返還の条件は公営墓地31運営主体のデータベースで比較
注意明記がない自治体で同じ扱いになるとは限らない。申請書の様式に「市営墓地の場合」の注記があるかを先に確認

市営墓地からの改葬で何が違うのか

改葬許可申請の添付書類は、施行規則第2条第2項が定めています。1つめが「墓地又は納骨堂の管理者の作成した埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の事実を証する書面」。寺院墓地なら住職、民間霊園なら管理会社が書く証明です。市営墓地では、この管理者が市そのものです。許可を出す側と証明を出す側が同じ役所の中にいる。だから「証明欄は市が埋める」「使用許可証を見れば帳簿で確認できる」という運用が生まれます。

ただし、法律や施行規則に「市営墓地なら証明を省略できる」と書いてあるわけではありません。あくまで各自治体の運用です。当サイトが公式サイトを実査した149自治体のうち、必要書類の記載を確認できた146件では118件(約81%)が管理者の証明を挙げていて、市営墓地に限った省略を明記していたのは8件でした。明記がない自治体で同じ扱いになるとは限りません。省略できるかどうかは、申請書の様式と案内ページに「市営墓地の場合」の注記があるかで見分けられます。

もうひとつの違いは相手の数です。寺院墓地からの改葬では、役所(許可)・寺院(証明と撤去の手順)・改葬先(受入)の三者に連絡します。市営墓地からの改葬では、役所と墓地の管理者が同じ自治体なので、実質は二者です。ただし同じ自治体でも担当課が分かれることがあり、そこが次の節の話になります。

管理者の証明を省略・代替できると明記した8自治体

実査で確認できた原文を、そのまま並べます。「証明欄の事前記載は不要」「使用許可書の提出で足りる」「帳簿確認で足りる専用欄」など、書きぶりは自治体ごとに違います。共通するのは、市営墓地からの改葬に限った扱いだという点です。

市営墓地からの改葬で、管理者の証明の省略・代替を公式に案内していた8自治体
自治体公式ページの記載(原文・当サイト転記)確認日出典
鹿児島県鹿児島市改葬前の墓地が鹿児島市営墓地(墓園・納骨堂)の場合は証明者が環境衛生課長となるため証明欄の事前記載は不要2026年9月3日出典を見る
新潟県新潟市移動元が市営墓地・霊堂(内野霊苑、日和山墓地、松浜霊堂、松浜墓地、亀田墓地)の場合は、埋葬又は埋蔵収蔵証明書に代えて『墓地使用許可書』の提出で足りる(市営墓地以外からの改葬の場合は埋葬又は埋蔵収蔵証明書と新たな埋葬先の正式名称・所在地が必要)2026年7月30日出典を見る
岡山県岡山市市営墓地の場合は「墓地使用許可証」の添付で埋蔵(葬)証明書の代わりとなる2026年7月16日出典を見る
石川県金沢市金沢市営墓地からの改葬の場合は、墓地管理者の署名(証明)が不要という明記あり2026年7月16日出典を見る
岐阜県岐阜市ただし市営墓地の場合は管理者証明欄の署名は不要2026年7月29日出典を見る
千葉県市原市市営墓園を利用している場合は収蔵・埋蔵証明書の提出は不要(申請書内の証明欄で対応)2026年7月29日出典を見る
愛知県安城市市営霊園(安城霊園・橋目霊園・多門霊園)利用の場合は市の帳簿確認で足りる専用欄あり2026年7月29日出典を見る
兵庫県伊丹市ただし改葬元が市内公営墓地の場合はこの証明書は不要(墓地使用許可証で足りる)2026年7月29日出典を見る

表の読み方を2つ添えます。ひとつは、「証明が不要」と「使用許可証で代える」は同じではないこと。前者は申請書の証明欄を空欄のまま出せる運用、後者は使用許可証(使用許可書)の原本や写しを添える運用です。持参するものが変わります。もうひとつは、市営墓地以外については、これらの自治体でも通常どおり管理者の証明が要ること。寺院墓地・共同墓地・個人墓地からの改葬で証明が取れない場合の代替は必要書類の一覧で別に整理しています。

窓口・様式が寺院墓地と分かれる15自治体

市営墓地からの改葬は、申請書の様式や提出先が寺院墓地からの改葬と分かれることがあります。霊園の管理事務所でも受け付ける自治体、市営墓地専用の様式を別ページに置く自治体、逆に管理事務所では受け付けず本庁の課に一本化している自治体。方向はまちまちです。実査で確認できた原文を並べます。

市営墓地と寺院・民間墓地とで窓口・様式・手続きが分かれることを公式に案内していた15自治体
自治体公式ページの記載(原文・当サイト転記)確認日出典
北海道札幌市市営霊園の管理事務所(平岸霊園・里塚霊園・手稲平和霊園)でも手続き可との記載あり2026年7月13日出典を見る
宮城県仙台市市営墓地(北山霊園・葛岡墓園・いずみ墓園)から改葬する場合、埋蔵証明欄の記入は各墓園管理事務所で受ける(窓口: 申請書・名簿・墓園使用許可証の原本・本人確認書類を持参/郵送: 申請書・名簿・使用許可証のコピー・110円切手を貼った返信用封筒を同封して各管理事務所へ2026年9月3日出典を見る
埼玉県さいたま市市営墓地(思い出の里市営霊園)専用の様式は別ページ https://www.city.saitama.lg.jp/006/015/041/001/p129656.html に掲載(問い合わせ048-686-3499)2026年7月13日出典を見る
東京都豊島区東京都立雑司ヶ谷霊園・染井霊園にあるお骨を改葬する場合は各霊園管理事務所の専用様式を使用(区の用紙は使用不可)2026年9月2日出典を見る
兵庫県西宮市各墓地管理事務所(西宮市立墓地の各管理事務所等)では改葬手続き不可、必ず斎園管理課窓口または郵送で行う必要がある2026年7月29日出典を見る
兵庫県尼崎市尼崎市弥生ケ丘墓園または西難波墓園(市営墓園)からの改葬は弥生ケ丘斎場管理事務所、それ以外の市内墓地等(寺院・民間霊園等)からの改葬は生活衛生課墓地・斎場担当が窓口2026年9月2日出典を見る
秋田県秋田市市営墓地(平和公園・南西墓地・河辺墓地・北部墓地)が関わる場合の手続きは同ページに別記載があり、市営墓地用の様式(埋蔵・改葬届、遺骨埋蔵(焼骨)・埋葬(土葬)証明書 など)は「市営墓地に関する様式集」( https://www.city.akita.lg.jp/kurashi/1005988/1004248.html )に掲載2026年9月3日出典を見る
大阪府高槻市市営の墓地・納骨堂からの改葬は申請書の様式・手続き方法が異なるため斎園課への事前相談が必要2026年8月1日出典を見る
奈良県橿原市別途、橿原市営墓園・合葬式墓地への埋蔵・改葬の届出は公園緑地景観課(0744-47-3516)が所管しており、一般の改葬許可申請とは別窓口・別書式2026年7月29日出典を見る
滋賀県草津市市営墓地の改葬手続きは別ページ(市営墓地担当)で案内されているため、市営墓地からの改葬は別途要確認2026年7月29日出典を見る
新潟県新潟市市営墓地に関する改葬許可申請は保健所環境衛生課または亀田斎場、民営墓地に関するものは各区役所(中央区は窓口サービス課、他区は区民生活課)が窓口となり、対象墓地の種別・所在区によって窓口が分かれる2026年7月30日出典を見る
兵庫県姫路市窓口は2ルートに分かれる2026年7月29日出典を見る
宮崎県宮崎市窓口が墓地の種類によって分かれる2026年7月29日出典を見る
兵庫県明石市明石市営石ケ谷墓園(合葬式墓地)からの改葬は公園・海岸課へ別途要確認2026年7月29日出典を見る
長野県松本市申請先が墓地の種類(市営霊園か寺院・共同墓地等か)によって異なる点に注意2026年9月3日出典を見る

この表で目立つのは、「どこに出すか」を間違えると受け付けてもらえない自治体があることです。窓口が2つに分かれる自治体では、市営墓地からの改葬を本庁の戸籍・市民担当に持ち込んでも、霊園の管理事務所や墓地の所管課へ回されることがあります。逆に管理事務所では手続きできない自治体もあります。行く前に、案内ページの「市営墓地の場合」の記述を確かめる。それだけで一往復が減ります。

市営墓地からの改葬を進める順序

  1. 使用許可証(使用許可書・永代使用許可証)を手元に用意する……市営墓地の使用者であることを示す書類です。証明の代替に使う自治体でも、返還届に添える自治体でも、最初に要ります。名義人が亡くなっている場合は、先に使用者の変更(承継)が必要になる自治体があります。
  2. 案内ページで「市営墓地からの改葬」の扱いを確かめる……証明を省略できるか、様式は専用か、窓口はどこか。上の2つの表に載っている自治体は原文を確認済みですが、それ以外は自治体別データベースの個別ページと公式案内で確かめてください。
  3. 改葬先を決めて契約する……申請書の「改葬の場所」欄は行き先が決まらないと埋まりません。受入証明書を求めるかどうかは自治体によります(実査で改葬先に関する書類を挙げていたのは58件)。
  4. 改葬許可申請を出し、許可証を受け取る……書き方は改葬許可申請書の書き方で。市営墓地の場合、証明欄は市が確認する運用なら空欄でよい自治体、使用許可証を添える自治体があります。
  5. 返還届・原状回復・使用料の還付(改葬とは別の手続き)……次の節へ。

なお当サイトは制度の一般的な解説と公式情報への案内を行うもので、申請の代理や書類作成の代行は行いません。個別の事情で何が要るかは、申請先の自治体窓口にご確認ください。

改葬許可と返還手続きの関係(別の手続き)

市営墓地の墓じまいには、手続きが2本あります。ひとつは、遺骨を移すための改葬許可(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)。もうひとつは、区画の使用権を自治体に返す返還手続き(各自治体の墓地条例・規則)。前者は法律、後者は条例が根拠で、書類も担当も別です。返還では、返還届のほかに墓石の撤去と原状回復、完了検査、使用料の還付といった手順が定められていることが多く、原状回復の範囲や還付の年限は自治体ごとに違います。

順序としては、改葬許可を受けて遺骨を移し、そのうえで区画を更地に戻して返す流れが基本です。ただし実査では、返還届と改葬許可申請を同時に出すよう案内する自治体もありました。当サイトの公営墓地データベースでは、31運営主体(172墓園)の返還条件を条例・公式資料から比べています。返還の全体像は公営墓地の返還手続き、撤去の範囲は公営墓地の原状回復はどこまで、使用料が戻るかは公営墓地の使用料は返還で戻る?で整理しています。同じ墓園内の合葬式墓地へ移る場合は、返還ではなく施設変更の制度がある自治体もあります(公営墓地内の施設変更)。

よくある質問

回答中の件数・自治体名は、当サイトが自治体公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)と、公営墓地31運営主体の条例・公式資料からの集計です。

市営墓地からの改葬でも、改葬許可申請は必要ですか?

必要です。遺骨を他の墓地・納骨堂へ移すことは墓地、埋葬等に関する法律 第2条第3項の「改葬」にあたり、第5条により、いまお墓がある市区町村長の許可を受けなければなりません。市営墓地の場合は許可を出す市と墓地の管理者が同じ自治体になるため、当サイトが実査した149自治体のうち8件(鹿児島市・新潟市・岡山市・金沢市・岐阜市・市原市・安城市・伊丹市)が、管理者の証明を省略できる、または墓地使用許可証で代えられると公式に案内していました。

市営墓地からの改葬では、埋蔵証明書はいりませんか?

自治体によります。実査では8自治体が「証明欄の記入は不要」「使用許可証の提出で足りる」「市の帳簿確認で足りる」と明記していました。一方で、市営墓地でも通常どおり管理者の証明を求める自治体はあり、明記がない自治体で省略できるとは限りません。申請書の様式に「市営墓地の場合」の注記があるかを先に確かめてください。

市営墓地からの改葬は、どこの窓口に出しますか?

多くの自治体では改葬許可の担当課(市民課・環境衛生課など)ですが、市営墓地からの改葬に限って霊園の管理事務所や墓地の担当課が窓口になる自治体があります。実査では15自治体が、市営墓地と寺院・民間墓地とで窓口・様式・手続きが分かれることを公式に案内していました(札幌市・仙台市・さいたま市・豊島区・西宮市・尼崎市・秋田市・高槻市・橿原市・草津市・新潟市・姫路市・宮崎市・明石市・松本市)。

市営墓地の返還手続きと改葬許可申請は同じものですか?

別の手続きです。改葬許可は遺骨を移すための市区町村長の許可(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)、返還は墓地の使用権を自治体に返す手続き(各自治体の墓地条例)です。多くの場合、返還届・原状回復・使用料の還付といった手順が改葬とは別に定められています。当サイトの公営墓地データベースでは、31運営主体の返還条件を条例・公式資料から比較しています。

市営墓地からの改葬で、改葬先の受入証明書は必要ですか?

改葬元が市営墓地かどうかとは別の話で、自治体の運用によります。受入証明書は法令に名前がなく、「市町村長が特に必要と認める書類」として求める自治体があります。実査で必要書類の記載を確認できた146自治体のうち、改葬先に関する書類を挙げていたのは58件でした。使用許可証や契約書で足りる自治体も多いので、申請先の案内をご確認ください。

次の一歩:自分の市の様式と返還条件を見る

市営墓地からの改葬で最初に見るのは、その市の改葬許可申請書の様式です。証明欄に「市営墓地の場合は不要」の注記があるか、専用様式があるか。当サイトの自治体別データベースでは、149自治体分の様式へのリンク・窓口・手数料・郵送可否を、公式サイトの出典と確認日つきでまとめています。次に見るのが返還の条件で、公営墓地データベースで31運営主体を比べられます。

費用の全体像は費用シミュレーターで試算できます。改葬許可証の手数料は実査149自治体で「無料」と明記44件・有料9件と小さく、金額が動くのは撤去工事と新しい納骨先です。

市営墓地の返還で必ず発生するのが、墓石の撤去と原状回復です。業者を指定していない墓地なら、複数の石材店の見積もりを同じ撤去仕様で比べることで下がる余地があります。一括見積もりサービスを使う手もあります(以下は広告リンクです)。
全国の優良石材店から一括見積りが無料で出来る【墓石ナビ】比べられるもの: 複数の石材店から届く墓石撤去の見積もり(金額と内訳)を、同じ条件で並べて比較できます費用: 見積もりの依頼は無料です。依頼した石材店と契約する義務はありません依頼後に起きること: 入力した電話番号・メールアドレスに確認の連絡が入ります。この連絡に応じてはじめて見積もりが進みます無料で見積もりを依頼する(確認の連絡あり)外部サイト(墓石ナビ)に移動します。

本ページには広告(アフィリエイト)を含みます

参照元

大久保亮佑

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

費用シミュレーターを使う