墓じまいの方法と手順|流れ6ステップと期間・費用の目安を解説
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年9月8日

墓じまいの方法と手順は、家族と話す、改葬先を決める、いまの墓地に伝える、改葬許可を申請する、お墓を撤去する、新しい供養先へ納骨する、の6つのステップです。先に地図を持っておけば、ひとつずつ落ち着いて進められます。
意外に思われるかもしれませんが、行政手続きの部分は軽い。当サイトが自治体公式サイトを実査した348自治体(47都道府県)では、改葬許可証の交付を即日相当としている自治体が27件ありました。時間がかかるのは、むしろ書類の前。「家族との話し合い」と「行き先選び」のほうです。
この記事の要点: 6ステップと、それぞれの相手・費用の区分
| ステップ | 相手 | 費用の区分 |
|---|---|---|
| 1. 家族・親族と話し合う | 家族・親族 | かからない |
| 2. 遺骨の行き先(改葬先)を決める | 新しい供養先の管理者 | 新しい供養先の費用(種類で大きく変わる) |
| 3. いまの墓地の管理者に伝え、埋蔵証明書をもらう | 寺院・霊園・自治体(いまの墓地の管理者) | 証明書の発行費(管理者による)。寺院墓地では閉眼供養のお布施・離檀の話し合い |
| 4. 市区町村へ改葬許可を申請する | いまお墓がある市区町村 | 改葬許可証の手数料(無料〜数百円) |
| 5. 閉眼供養・遺骨の取り出し・墓石の撤去 | 寺院と石材店 | 撤去工事費(面積・立地で変わる。総額の中で最も動く) |
| 6. 新しい供養先へ納骨する | 新しい供養先の管理者 | 納骨の費用(供養先による) |
行政手続き(ステップ4)は、当サイト実査348自治体で「無料」と明記が105件・有料が35件(200円〜600円)。郵送で申請できる自治体は189件。
墓じまいの流れ: 6つのステップ(方法と手順)
墓じまい(改葬)は、遺骨を移すのに市区町村長の許可が要る手続きです(墓地、埋葬等に関する法律第5条)。法律が骨格を決めているぶん、流れは全国どこでも変わりません。次の6つに整理できます。
- 家族・親族と話し合う
最初の一歩は、書類ではありません。お墓は家族・親族の共有の記憶にかかわるものだからです。ここで合意ができていないと、後の工程はすべて止まります。 詳しくは話の切り出し方の記事をご覧ください。 - 遺骨の行き先(改葬先)を決める
納骨堂、樹木葬、永代供養墓、散骨、手元供養。選択肢ごとに費用も供養の形も違います(散骨は熱海市・伊東市など自治体条例による制限があるため、実施エリアの条例確認が前提です)。改葬許可申請書には「改葬の場所」を書く欄があります。行き先が決まらないうちは、書類が完成しません。 詳しくは7つの選択肢の比較記事をご覧ください。 - いまの墓地の管理者に伝え、埋蔵証明書をもらう
寺院、霊園、自治体。いまのお墓の管理者に意向を伝え、埋蔵(収蔵)の事実を証明する書面を出してもらいます。改葬許可申請の法定の添付書類なので、これがないと先に進めません。 - 市区町村へ改葬許可を申請する
申請先は、いまお墓がある市区町村。遺骨1体ごとに出します。記載事項は法令で全国共通に決まっており、手数料は無料〜数百円の自治体がほとんどです。 詳しくは申請書の書き方の記事をご覧ください。 - 閉眼供養・遺骨の取り出し・墓石の撤去
許可証が手元に届いたら、閉眼供養(宗派・地域により呼び方が異なります)を行い、遺骨を取り出します。そのあと石材店が墓石を撤去し、区画を更地に戻します。 - 新しい供養先へ納骨する
改葬許可証を新しい供養先の管理者に渡し、納骨します。許可証を使うのは、この最後の場面です。それまで、なくさないように保管してください。
ステップ4で受け取る改葬許可証は、ステップ6で新しい供養先に渡します。墓地・納骨堂の管理者は、この許可証を受理した後でなければ納骨させることができません(同法 第14条)。書類の名前と役割は改葬許可証とはで、揃える書類の一覧は必要書類の記事で整理しています。受け取ってから渡すまでの間の扱い(有効期限は法令に定めがないこと、なくすと申請のやり直しになる場合があること)は改葬許可証の有効期限と紛失にまとめています。
途中で「やはり今回はやめておく」「時期を改める」となることもあります。それは失敗ではありません。家族で話し合って出た、同じ重さの結論です。
順序を間違えやすい2つのポイント
ひとつは、改葬先を決める前に窓口へ行かないこと。改葬許可申請書には法令上「改葬の場所」の記載欄があり(施行規則第2条)、行き先が決まっていないと書類が埋まりません。当サイトが実査した348自治体のうち、改葬先の受入証明書を必要書類に挙げていた自治体も81件ありました。ステップ2が先でステップ4が後、という順序は制度上の必然です。
もうひとつは、いまの墓地の管理者への相談を後回しにしないこと。埋蔵証明書は法定の添付書類ですから、管理者の協力なしに手続きは動きません。とくに寺院墓地では、証明書をお願いする場面が、そのまま墓じまいの意思を伝える場面になります。書類の話から入らず、これまでの供養への感謝とあわせて意向を伝える。この順序が、話し合いを穏やかにします。離檀にまつわる事情は離檀の記事一覧で整理しています。役所・墓地の管理者・石材店・お寺で相談先がどう分かれるかは市役所で相談できること・できないことに整理があります。
墓じまいの期間はどのくらいかかるか
全体で何か月かかるのか。それを示す信頼できる公的統計は、いまのところ存在しません。だから当サイトは「合計◯か月」と断定しません。代わりに、時間が読める部分と読めない部分を分けてお伝えします。
読めるのは行政手続きです。当サイトが実査した348自治体のうち、処理日数の記載があった103件では、即日交付相当が27件、1週間以上と明記していたのが40件。郵送申請ができる自治体も189件あるので、窓口が遠方でも進められます。書類さえ揃えば、数日から数週間の話です。
郵送のほか、改葬許可のオンライン申請に対応する自治体もあります。ただし、受付方法、本人確認、証明書の添付形式、許可証の受け取り方は自治体ごとに異なります。お墓がある市区町村の窓口・様式・郵送可否は自治体別データベースに出典・確認日つきでまとめています。
読めないのは、家族との話し合い(ステップ1)、改葬先選び(ステップ2)、そして寺院との話し合い(ステップ3)。ここは急がせる部分ではなく、むしろ時間をかけてよいところです。お盆やお彼岸など家族が集まる機会を節目に使うと、無理のない進み方になります。石材店の工事(ステップ5)は、霊園の指定業者の有無や時期によって待ち時間が変わります。下見や相談のときに、あわせて確認しておくと安心です。
墓じまいの費用相場はどのくらいか(ステップ別の目安)
総額の目安として個別サイトが示すのは30万円〜300万円(はせがわ・お墓ガイドなど。統計ではなく参考情報)。幅の主因は、ステップ2で選ぶ新しい供養先の種類と、ステップ5の墓石撤去の条件です。ステップごとに並べると、どこで金額が動くかが見えます。
| ステップ | 費用の項目 | 目安 |
|---|---|---|
| 2. 改葬先を決める/6. 納骨する | 新しい供養先の費用 | 3万円〜300万円(合祀墓から一般墓への引っ越しまで、種類による) |
| 3. 管理者に伝える | 閉眼供養のお布施・離檀にかかる費用(寺院墓地の場合) | 3万円〜30万円。離檀料には公式な相場が存在せず、当サイトは「相場は○円」という断定を書かない |
| 4. 改葬許可を申請する | 改葬許可証の手数料 | 当サイト実査348自治体で、無料と明記 105件/有料 35件(200円〜600円)/公式記載なし 208件 |
| 5. 墓石を撤去する | 撤去工事(墓石の解体・処分・更地化) | 24万円〜72万円(約2㎡〜6㎡の面積別の目安。重機が入らない立地では上がる) |
実際に払った人の分布としては、鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまい実態調査」(2026年、n=733)で「31万〜70万円」が最多、約半数が70万円以下で完了しています。行政手数料は総額の中ではごく一部で、金額が動くのは供養先と撤去工事。内訳の考え方は費用相場の記事に、ご自身の条件(面積・立地・墓地の区分・供養先)を入れて幅を確かめるなら費用シミュレーターをどうぞ。
よくある質問
回答中の自治体の件数は、当サイトが自治体公式サイトを実査した348自治体(47都道府県)のデータからの集計です。費用の目安は参照元に記載した各社の公表値で、統計ではありません。
墓じまいの方法と手順、流れを簡単に教えてください
6つのステップで進みます。①家族・親族と話し合う、②遺骨の行き先(改葬先)を決める、③いまの墓地の管理者に伝えて埋蔵証明書をもらう、④いまお墓がある市区町村へ改葬許可を申請する、⑤閉眼供養をして遺骨を取り出し、墓石を撤去する、⑥改葬許可証を新しい供養先に渡して納骨する。②が④より先、③が④より先、という順序は法令上の必然です。
墓じまいは自分でできますか?やり方は?
改葬許可の申請は、墓地使用者本人(または承諾を得た家族)が市区町村に行う手続きで、専門家に頼まなくてもできます。当サイトが実査した348自治体では郵送で申請できる自治体が189件あり、遠方でも進められます。一方、墓石の撤去は工事で、霊園によっては指定の石材店があります。閉眼供養は寺院に依頼するのが一般的です。全部を自分でというより、行政手続きは自分で、工事と儀式はそれぞれの相手と、という分担になります。
墓じまいにかかる期間はどのくらいですか?
全体の所要期間を示す公的統計はなく、当サイトは「合計◯か月」と断定しません。数字で読めるのは行政手続きの部分で、実査した348自治体のうち処理日数の記載があった103件では、即日交付相当が27件、1週間以上と明記していたのが40件でした。時間がかかるのは書類ではなく、家族との話し合い、改葬先選び、寺院との話し合いのほうです。
墓じまいの費用相場はいくらですか?
個別サイトが示す目安は総額30万円〜300万円で、幅の主因は新しい供養先の種類と墓石撤去の条件です。鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまい実態調査」(2026年、n=733)では「31万〜70万円」が最多で、約半数が70万円以下で完了しています。行政手数料は当サイトが実査した348自治体で、無料と明記が105件、有料が35件(200円〜600円)と、総額の中ではごく一部です。
墓じまいした後の遺骨はどうするのですか?
納骨堂、樹木葬、永代供養墓、散骨、手元供養など、新しい供養先(改葬先)へ移します。選択肢ごとに費用も供養の形も違い、散骨は熱海市・伊東市など自治体条例による制限があるため、実施エリアの条例確認が前提です。改葬許可申請書には「改葬の場所」を書く欄があるので、行き先は申請の前に決めておく必要があります。
墓じまいは何から始めればいいですか?
家族・親族との話し合いからです。書類も役所も、その後で構いません。話し合いの材料として、全体の流れ(この記事)と費用の幅、いまのお墓がある自治体の手続き情報を手元に置いておくと、話が具体的になります。今日決める必要はなく、「今回はやめておく」「時期を改める」も家族で話し合って出た同じ重さの結論です。
次の一歩: 今日できることから
今日から始められるのは、ステップ1の準備だけです。何かを決める必要はありません。この記事を家族に送って、「こういう流れになるらしい」という地図を共通の手元に置く。それで十分です。
手続きの言葉が分かりにくい、家族にどう説明すればよいか迷う。そんなときは無料相談フォームからお知らせください。申請の代理や書類作成の代行は行いませんが、確認すべき項目の整理と公式情報の探し方はお手伝いできます。
参照元
- 墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)第5条・第8条・第14条〔2026年9月2日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)第2条〔2026年9月2日〕
- 鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまい実態調査」(2026年、n=733)〔2026年9月2日〕
- はせがわ 墓じまいの費用(総額の目安30万〜300万円)〔2026年7月14日〕
- 城戸石材加工所 墓じまいの費用(面積別の撤去工事の目安)〔2026年7月14日〕
- お墓ガイド 改葬にかかる費用(供養先別の目安)〔2026年7月14日〕
- 当サイト 改葬許可(自治体別)データベース(348自治体・47都道府県を実査)〔2026年9月2日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
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