遺骨の郵送はゆうパックが選択肢|ヤマト・佐川は約款で引受拒絶の対象、日本郵便の禁止品目に遺骨はない
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年10月1日
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離れて暮らすきょうだいにも、遺骨の一部を届けたい。遠くの納骨先へ、足を運ばずに納めたい。そう考えたとき、遺骨を荷物として手放すことに、ためらいを覚える人もいるでしょう。それでも遠方の家族や納骨先とのあいだでは、郵送が現実的な手段になることがあります。
ヤマト運輸と佐川急便は、約款で遺骨の運送の引受けを拒絶することがあると定めています。日本郵便のゆうパックは、約款にも公式FAQの「送れないもの」にも遺骨が載っていません。当サイトが2026年10月1日に、3社の約款と公式ページを開いて確かめました。
この記事の要点(大手3社の公式文書での扱い)
| サービス | 公式文書の記載 | 遺骨の扱い |
|---|---|---|
| ヤマト運輸 宅急便 | 約款第6条(引受拒絶)が「遺骨、位牌、仏壇」を挙げる | 引受けを拒絶することがある |
| 佐川急便 飛脚宅配便 | 約款第6条(引受拒絶)が「遺骨、位牌、仏壇」を挙げる | 引受けを拒絶することがある |
| 日本郵便 ゆうパック | 約款第7条(引受拒絶)にも公式FAQの「送れないもの」にも遺骨の記載なし | 禁止品目には載っていない。ただし「送れる」という明記もない |
結論:大手3社でゆうパックだけが禁止品目に遺骨を載せていない
ヤマト運輸と佐川急便は、約款の引受拒絶の条に「遺骨、位牌、仏壇」を挙げています。どちらも文言は「運送の引受けを拒絶することがあります」。つまり、持ち込めば必ず断られるという書き方ではありませんが、断られる側に遺骨が入っているということです。
日本郵便のゆうパックは違います。約款の引受拒絶の条にも、公式FAQの「送ることができないもの」にも、遺骨や骨壺という言葉はありません(2026年10月1日確認)。遺骨の郵送にゆうパックが使われるのは、この違いによります。
ただ、ここで線を引いておきます。禁止品目に載っていないことは、日本郵便が「遺骨を送ってよい」と案内していることとは別です。当サイトが開いた公式ページ・FAQ・約款・損害賠償のページのどこにも、遺骨の郵送を個別に案内する記述は見つかりませんでした。次の節から、確認できた原文と、確認できなかった部分を分けて書きます。
3社の約款と公式ページを原文で確認する
ヤマト運輸の宅急便約款(令和6年3月29日認可)は、第6条で「当店は、次の場合には、運送の引受けを拒絶することがあります」と定めています。第7号イの「荷物の性質により拒絶するもの」に並ぶのは、現金・有価証券類、カード類、そして「遺骨、位牌、仏壇」。そのほか銃砲刀剣、ペット類、毒物・劇物類などが続きます。公式ページ「宅急便で送れないもの」にも、同じ「遺骨、位牌、仏壇」の項目があります。
佐川急便の飛脚宅配便約款(令和6年7月30日認可)も、第6条の引受拒絶の第7号イ「荷物の性質により拒絶するもの」に「遺骨、位牌、仏壇」を挙げています。個人向けの「送れないもの」ページは、リストの前に「お取り扱いができない可能性があります」と書き、そのなかに同じ項目を置いていました。
日本郵便のゆうパック約款は、2026年10月1日の最近改正版を開きました。第7条の引受拒絶は、荷造りが運送に適さないとき、危険品・不潔な物品など他の荷物に損害を及ぼすおそれのあるもの、そして「当社が特に定めて表示したもの」まで。この最後の注は、愛護動物、現金、複数の個人情報の3つです。公式FAQ「送ることができないものは何ですか?」の一覧も、爆発性・発火性の物、毒物・劇物、病原体、法令で移動や頒布が禁止された物、愛護動物、複数の個人情報、現金で、遺骨・骨壺・位牌の語は出てきません。
約款の第7条には、品目と関係なく引き受けを拒める場合も書かれています。荷造りが運送に適さないとき((3))はその一つです。禁止品目に載っていなくても、梱包が不十分なら窓口で断られうる、ということです。
ゆうパックで送るときのサイズ・運賃・損害賠償
確認できた条件を、公式文書の出どころとあわせて並べます。
| 項目 | 内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| サイズ・重さ | 3辺合計170cm以下、重さ25kgまで。25kgを超え30kg以下は重量ゆうパック | ゆうパック公式ページ |
| 基本運賃 | 60サイズは840円(県内あて)〜1,930円(第11地帯あて)、80サイズは1,150円〜2,260円。持込割引などは別 | ゆうパック約款の運賃料金表 |
| 損害賠償の限度 | セキュリティサービスとしないゆうパックの亡失・き損は30万円を限度とする実損額。セキュリティサービスは50万円 | 損害賠償制度のページ |
| 賠償の考え方 | 荷物の価格(発送地における価格)を、送り状に記載された責任限度額の範囲内で賠償する | 約款第27条 |
遺骨の場合に、この「荷物の価格」をどう扱うのか。約款にも、損害賠償制度のページにも、個別の記述は確認できませんでした。一部の事業者サイトには、遺骨は金銭評価ができないため賠償の対象外とされるのが通例、という説明があります。日本郵便の文書からは裏付けを取れていないので、ここでは「そう説明している事業者がある」という事実にとどめます。心配なら、発送前に窓口で、遺骨を送る旨とあわせて賠償の扱いを聞いておく方法があります。
梱包と品名:公式には案内が見つからなかった部分
日本郵便が、遺骨専用の梱包規格や品名の書き方を案内するページは、当サイトが確認した範囲では見つかりませんでした。約款は、荷送人に荷物の性質・重量・容積に応じた荷造りを求めています。遺骨についても、この一般則のなかで考えることになります。
実務の手順は、事業者の解説から知ることができます。葬儀社の家族葬のつばさホールの記事は、次の流れを示していました。骨壺の中の水分を確かめ、蓋をガムテープで固定する。ビニール袋に入れて骨箱へ収め、段ボールの底にタオルを敷いて中央に置く。四方を緩衝材で隙間なく埋め、必要書類を同梱して蓋を閉じる。送り状の品名は「遺骨」と明記し、「割れ物」「逆さま厳禁」のシールを貼る。差し出しは郵便局の窓口が無難で、取扱可否は店舗によるので事前に確認する、というものです。
これは事業者の説明であり、日本郵便の公式な案内ではありません。品名の書き方も、窓口での受け付けられ方も、当サイトでは裏付けを取れていません。送骨サービスを使うなら、事業者が送るキットや指定の方法が先です。自分で送るなら、発送前に窓口で品名の書き方と受け付けの可否を聞いておくと、当日に引き返す手間を避けられます。
送り先が求める書類(法第14条)
郵送の可否とは別に、書類の準備があります。墓地、埋葬等に関する法律 第14条は、墓地・納骨堂の管理者は、埋葬許可証・改葬許可証・火葬許可証のいずれかを受理した後でなければ、埋葬・埋蔵・収蔵を行ってはならないと定めています(2026年9月26日確認)。送り先の管理者から見れば、許可証が遺骨と一緒に届くことが受け入れの前提になります。
墓じまいで取り出した遺骨なら改葬許可証、火葬後に一度も納めていない遺骨なら埋葬許可証が対応します。違いは改葬許可証とはと埋葬許可証とはで整理しています。遺骨の一部だけを送る分骨のときは、いまの管理者が出す分骨証明書の話になり、分骨の手続きと分骨証明書とはが参考になります。涙そうそうの送骨納骨のページが挙げる必要書類は、火葬許可証・埋葬許可証・改葬許可証のいずれか、依頼者の本人確認書類のコピー、同社から送られる納骨自認書でした(2026年10月1日確認)。
国際郵便は宛先国で扱いが違う
ここまでは国内の話です。海外に送る国際郵便は、日本郵便の国際郵便条件表が宛先国ごとに禁止物品を定めています。当サイトが確認できたのは1か国、アルジェリア宛だけで、通常郵便・小包・EMSのいずれも「遺骨つぼ」が禁止物品でした(2026年10月1日確認)。ほかの国の扱いは確認していません。海外の家族や施設に送りたいときは、宛先国の条件表を先に見るか、窓口で聞いてください。
送骨サービスと自分で送る方法の違い
送骨サービスは、遺骨を納骨先へ郵送し、納骨と供養を依頼する仕組みです。涙そうそうは送骨納骨を、そう説明しています。公表されている料金(税込)は、合祀墓・合同墓が33,000円から、合祀納骨堂が44,000円から、樹木葬が45,000円から、個人永代供養墓が110,000円からでした。管理費・年会費は不要と書かれています。送骨用の段ボールは自分で用意しても、専用段ボールを買ってもよく、送料はお客様負担です(2026年10月1日確認)。
| 項目 | 自分でゆうパックで送る | 送骨サービス(涙そうそうの例) |
|---|---|---|
| 送り先 | 納骨先や親族に、自分で事前に連絡して受け入れてもらう | 申し込み後に、送付先寺院の情報が案内される |
| 費用 | ゆうパックの運賃のほか、送り先の納骨料など | 合祀墓・合同墓33,000円から(税込)。送料は別 |
| 書類 | 送り先の指定に従う | 許可証、本人確認書類のコピー、納骨自認書 |
| 納骨後 | 送り先による | 寺院から到着連絡を受けて完了報告。合祀墓は後から返骨できない場合がある |
粉骨が必要になるかどうかは、納骨先の条件で決まります。必要なら別料金で、遺骨供養ウーナの粉骨料金は、骨壺のサイズごとに、一般粉骨が11,000円(10cm以下)から19,800円(24cm以上)でした(税込、2026年10月1日確認)。送骨サービスの料金に粉骨が含まれるか、納骨先が粉骨を求めるかは、申し込み前に分けて確かめておく項目です。粉骨の詳しい費用は粉骨とはに、取り出したあとの遺骨の選択肢は墓じまいした後の遺骨はどうするにまとめています。
よくある質問
ヤマト運輸や佐川急便では、遺骨を送れませんか?
両社とも、約款の引受拒絶の条(どちらも第6条)に「遺骨、位牌、仏壇」を挙げています。約款の文言は「運送の引受けを拒絶することがあります」で、公式の「送れないもの」ページにも同じ項目があります(2026年10月1日確認)。実際に発送を試すのではなく、この2社は選択肢から外して考えるのが現実的です。
日本郵便は、遺骨をゆうパックで送ってよいと言っていますか?
「送ってよい」という明言は、当サイトが確認した範囲では見つかりませんでした。ゆうパック約款の引受拒絶の条(第7条)にも、公式FAQ「送ることができないもの」の一覧にも、遺骨・骨壺という言葉は出てきません。禁止品目に載っていないという事実と、公式に案内しているという事実は別のものです。
送り状の品名には「遺骨」と書くべきですか?
品名の書き方について、日本郵便の公式な案内は確認できませんでした。葬儀社の解説記事(家族葬のつばさホール)は「遺骨」と明記するよう勧めていますが、これは事業者の説明です。送骨サービスや納骨先が指定する書き方があるなら、それに従うのが先。迷うときは、発送前に郵便局の窓口で聞いておくと確実です。
ゆうパックで遺骨が破損したり紛失したりしたら、補償はありますか?
日本郵便の公式ページでは、セキュリティサービスとしないゆうパックの亡失・き損は30万円を限度とする実損額とされています(セキュリティサービスは50万円)。約款第27条は、荷物の価格を基準に責任限度額の範囲で賠償すると定めますが、遺骨についての個別の定めは、約款・公式ページとも確認できませんでした。「金銭評価できないため対象外が通例」という説明も事業者のサイトにありますが、日本郵便の文書では裏付けを取れていません。
海外にいる家族に、遺骨を送ることはできますか?
国際郵便は宛先国ごとに条件が違います。当サイトが日本郵便の国際郵便条件表で確認できたのはアルジェリア宛の1か国で、通常郵便・小包・EMSのいずれも「遺骨つぼ」が禁止物品でした。ほかの国は確認していません。送りたい国の条件表を見るか、郵便局の窓口で聞いてください。
郵送のために、役所や墓地での手続きは必要ですか?
郵送そのものの手続きは、日本郵便の公式ページでは確認できませんでした。ただし、送り先の墓地・納骨堂の管理者は、許可証を受理した後でなければ埋葬・埋蔵・収蔵を行えません(墓地、埋葬等に関する法律 第14条)。墓じまいで取り出した遺骨なら改葬許可証、火葬後に初めて納めるなら埋葬許可証が、送り先に求められるのが一般的です。
次の一歩:送り先と書類を先に固める
遺骨は、箱に詰める前に、受け入れ先と書類を決めておく順番が安全です。送り先が決まっていなければ、改葬先7つの選択肢の比較で全体像を確かめられます。改葬許可の申請書は申請書の書き方に、自治体ごとの必要書類は改葬許可(自治体別)にあります。
墓じまいで遺骨を取り出すときは、墓石の撤去も同時に動きます。費用の中で金額が大きく動く部分なので、複数の石材店の見積もりを比べることで下がる余地があります。一括見積もりサービスを使う手もあります(以下は広告リンクです)。
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参照元
- 日本郵便 ゆうパックで送ることができないものは何ですか?(公式FAQ)〔2026年10月1日〕
- 日本郵便 ゆうパック約款(最近改正2026年10月1日。第7条 引受拒絶・第27条 損害賠償の額・運賃料金表)〔2026年10月1日〕
- 日本郵便 ゆうパック(サイズ・重さの条件)〔2026年10月1日〕
- 日本郵便 郵便物等の損害賠償制度(ゆうパックの賠償限度額)〔2026年10月1日〕
- 日本郵便 国際郵便条件表 差出不可能物一覧(アルジェリア宛・「遺骨つぼ」)〔2026年10月1日〕
- ヤマト運輸 宅急便約款(令和6年3月29日認可。第6条 引受拒絶)〔2026年10月1日〕
- ヤマト運輸 宅急便で送れないもの〔2026年10月1日〕
- 佐川急便 飛脚宅配便約款(令和6年7月30日認可。第6条 引受拒絶)〔2026年10月1日〕
- 佐川急便 送れないもの(個人向け)〔2026年10月1日〕
- 涙そうそう 送骨納骨(料金・必要書類・送り方)〔2026年10月1日〕
- 遺骨供養ウーナ 粉骨の料金(骨壺サイズ別)〔2026年10月1日〕
- 家族葬のつばさホール 遺骨をゆうパックで送る方法(梱包・品名・窓口の説明。事業者の解説記事)〔2026年10月1日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)第14条〔2026年9月26日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。