墓じまいに補助金は出る?制度がある自治体を公式情報で確認

大久保亮佑

執筆・編集: 大久保亮佑株式会社Kogera代表生前整理アドバイザー2級

更新日: 2026年8月6日

墓じまいに補助金が出る自治体があると聞いて、お住まいの地域の制度を探している方は少なくありません。結論からお伝えすると、墓じまいそのものへの補助金制度がある自治体は、全国でもごく少数です。

当サイトが自治体公式サイトで確認できた助成制度は、群馬県太田市(墓石撤去費用を上限20万円で助成)、千葉県浦安市(原状回復費を上限15万円で助成)など、いずれも「その市の市営墓地の使用者」を対象とするものでした。横浜市のように、公式サイトで「補助金制度はありません」と明言している自治体もあります。

補助金の実情

制度なしが大半 〜 上限20万円

墓じまいの補助金は「どこでももらえるもの」ではなく、自前の公営墓地を持つ一部の自治体が、その墓地の返還者に限って助成する制度です。寺院墓地・民間霊園からの墓じまいは対象外です。

補助金・助成金の制度がある自治体
ごく少数(公式確認できた例を本文に掲載)
使用料の免除・還付など負担が軽くなる制度
都立霊園の施設変更制度など(補助金とは別物)
大多数の自治体
制度なし(横浜市は公式サイトで明言)
2026年8月6日 各自治体公式サイト(本文・出典欄参照)で確認

結論: 補助金制度は3つの型に分かれる

「墓じまい 補助金」と検索すると、さまざまな自治体名を挙げた記事が見つかります。ただ、当サイトが 自治体公式サイトを1件ずつ確認した範囲では、実情は次の3つの型に整理できます。

第一に、補助金・助成金の制度が実際にある自治体。ごく少数で、いずれも「その自治体が 運営する公営墓地の返還者」だけを対象にしています。第二に、補助金ではないものの、返還時の 負担が軽くなる制度。都立霊園の施設変更制度や、未使用墓所の使用料還付がこれにあたります。 第三に、制度が何もない自治体。これが大多数で、横浜市のように公式サイトで 「補助金制度はありません」とわざわざ明言する例もあります。

つまり、寺院墓地や民間霊園にお墓がある場合、墓じまいの費用を自治体の補助金でまかなえる可能性は、 現状ではほぼ無いと考えておくのが実情に近い理解です。まずこの前提を確認したうえで、実在する制度を 見ていきます。

公式サイトで確認できた助成制度

当サイトが自治体公式サイト・公式PDFを実際に開いて確認できた助成制度は、次のとおりです。いずれも 「市営墓地の無縁化を防ぐため、返還を後押しする」目的の制度であり、対象はその墓地の使用者に 限られます。

自治体公式サイトで確認できた墓じまい関連の助成制度
自治体制度名助成内容対象確認日出典
群馬県太田市八王子山公園墓地墓石撤去費用助成金墓石撤去費用の実費と20万円のいずれか低い額市営・八王子山公園墓地の返還者(管理料の滞納がないこと等の要件あり)2026年8月6日出典を見る
千葉県浦安市墓所返還者等支援事業(墓石撤去等助成)墓所返還時の原状回復費を上限15万円で助成市営墓地公園の通常墓所・小型墓所の使用者2026年8月6日出典を見る

太田市の制度は、市営の八王子山公園墓地を返還する際の墓石撤去費用について、実費と20万円のいずれか 低い額を助成するものです。祭祀や法要の費用は対象外で、撤去完了後に明細書・領収書を添えて申請する 流れが案内されています。浦安市の制度は、市営墓地公園の墓所を返還する際の原状回復費を上限15万円で 助成するもので、あわせて市営の合祀室へ改葬する枠組みも用意されています。

どちらの制度にも共通するのは、「どこの誰でも使える墓じまい補助金」ではないという 点です。対象はその市営墓地の使用者に限られ、要件(管理料の滞納がないこと、返還届の提出時期など)も 定められています。ご自身が対象になりそうな場合は、申請の前に必ず公式ページで最新の要件をご確認 ください。制度の内容は年度によって変わる可能性があります。

補助金ではないが負担が軽くなる制度

「お金を受け取る」補助金とは別に、「支払いが減る・戻ってくる」型の制度もあります。混同されやすいの ですが、性質が異なるため分けて理解しておくと役に立ちます。

ひとつは、東京都立霊園の施設変更制度です。承継者がいないなどの事情がある使用者が 墓所を返還し、遺骨を都立霊園内の合葬埋蔵施設へ移すことができる制度で、募集は年に数回行われます。 新しい納骨先を都立霊園の外に探す場合と比べて費用を抑えられる可能性がありますが、墓石の撤去・ 原状回復の費用は自己負担です。「補助金が出る」制度ではない点にご注意ください。

もうひとつは、未使用墓所の使用料還付です。たとえば宮崎県小林市では、市営墓地で 墓石をまだ建てていない区画を返還する場合に限り、許可から1年以内なら使用料の8割、3年以内なら5割が 還付されると案内されています。これは「使っていない区画の返金」であり、墓石が建っているお墓の 墓じまいには適用されません。お住まいの自治体の公営墓地を利用している場合は、返還時の還付規定が ないか、墓地の管理条例や案内ページを確認してみる価値があります。

「補助金がある」と紹介される情報への注意

インターネット上のまとめ記事には、さまざまな自治体が「墓じまい補助金のある自治体」として紹介されて います。しかし、当サイトが公式サイトを確認した範囲では、裏付けの取れないものが含まれていました。

象徴的なのが横浜市です。横浜市の公式サイトには「横浜市には墓じまいに関する補助金制度はありません」 というページがあり、タイトルでそのまま明言されています。誤った情報が広まっていることへの対応と みられます。また、東京都千代田区も補助金のある自治体として名前が挙がることがありますが、当サイトが 確認した範囲では、区の公式サイト上に該当する制度の案内を見つけられませんでした。

当サイトでは、公式に確認できない制度を「あるかもしれない」として紹介することはしません。この記事に 掲載しているのは、公式サイト・公式PDFを実際に確認できた制度のみです。お住まいの自治体に制度があるか を確実に知りたい場合は、墓地・埋葬を所管する部署(環境衛生課・生活衛生課など。自治体により名称が 異なります)へ直接問い合わせるのが最も確実です。

補助金がなくても費用を抑えるには

大多数の方にとって、墓じまいの費用は補助金なしで組み立てることになります。ただ、補助金がなくても 費用を抑える工夫の余地はあります。総額の内訳を分解すると、金額が大きく動くのは墓石の撤去費と 新しい供養先の費用であり、この2つの選び方で総額は大きく変わります。詳しくは費用を抑える方法の記事で整理しています。

また、行政手続きの費用はもともと小さく、当サイトが実査した自治体では改葬許可証の手数料は無料〜 数百円がほとんどでした。手続き費用の実際の分布は手数料の記事でご確認いただけます。

次の一歩: ご自身のケースの総額を知る

補助金の有無を調べるより先に、ご自身のケースの総額の目安を把握しておくと、その後の判断が しやすくなります。当サイトの費用シミュレーターは、墓地の種類・面積・改葬先など3つの質問に答えると、 出典つきの一次データにもとづいて総額と内訳の目安を試算します。登録やメール入力は不要です。

市営墓地をご利用中の方は、お住まいの自治体の返還制度・助成制度もあわせてご確認ください。自治体別の 改葬許可データベースでは、手続きの窓口・必要書類・手数料を出典つきで確認できます。

大久保亮佑

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。 掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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