受入証明書は改葬先が、埋蔵証明書はいまの墓地が発行する|様式の実物4件と記載例
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年10月1日
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改葬許可の案内を読んでいると、似た名前の書類が2つ出てきます。埋蔵証明書と受入証明書。どちらがどちらか、すぐ見分けがつかなくなるのは自然なことです。
滋賀県大津市の公式ページは、埋蔵証明書を「改葬元」の墓地等管理者から、受入証明書を「改葬先」の墓地等管理者から得る書類として区別しています。当サイトが公式サイトを実査した自治体のうち、必要書類を確認できた525件の中で、いまの墓地の管理者による証明を挙げていたのは428件、改葬先に関する書類を挙げていたのは202件でした。
この記事の要点(2つの証明書の違い)
| 項目 | 埋蔵証明書 | 受入証明書 |
|---|---|---|
| 誰が出す | いまの墓地・納骨堂の管理者 | 改葬先の墓地・納骨堂の管理者 |
| 何を証明する | 遺骨がいまそこに埋蔵・埋葬・収蔵されている事実 | 遺骨を受け入れる場所があること |
| 申請のどこで使う | 法令が定める添付書類。別紙の証明書か、申請書内の証明欄 | 自治体が求める場合の添付書類。不要・代替可とする自治体もある |
結論:埋蔵証明書は「いまの墓地」、受入証明書は「改葬先」が出す
証明する相手が逆です。埋蔵証明書は、いま遺骨が納められている墓地・納骨堂の管理者が「たしかにここに埋蔵(埋葬・収蔵)されています」と証明する書類。受入証明書は、これから遺骨を受け入れる改葬先の管理者が「ここで受け入れます」と証明する書類です。
大津市の公式ページ(2026年10月1日確認)の言い方を借ります。埋蔵証明は、墓地等管理者から改葬許可申請書の下段に必要事項を記入押印してもらうか、墓地等管理者が独自に発行する埋蔵(埋葬)の事実を証する書類(様式不問)で取得するもの。受入証明書は、改葬先の墓地等管理者から記入押印してもらうもの。ただし改葬先の使用許可証の写しや、受入証明書に類する書類(様式不問)の添付でもよい、と書かれています。
どちらも、家族が自分で書いて済ませる書類ではありません。墓地・納骨堂の管理者に証明をもらう書類です。
埋蔵証明書とは:誰が・何を証明する書類か
埋蔵証明書は、墓地、埋葬等に関する法律施行規則 第2条第2項が定める添付書類のひとつ、墓地等の管理者が作成した「埋葬・埋蔵・収蔵の事実を証する書面」にあたります。当サイトが公式サイトを実査した528自治体のうち、必要書類を確認できた525件では428件がこの証明を挙げていました。形は2通りで、別紙の証明書を出してもらう形が151件、改葬許可申請書そのものに管理者の証明欄がある形が309件です。
別紙の証明書の実物として、滋賀県彦根市が「埋葬・埋蔵・収蔵証明書」の様式を公開しています(2026年10月1日確認)。死亡者の生前名・死亡年月日・埋葬等の場所を書く欄があり、「上記の死亡者の遺骨を当( )の墓地に埋葬・埋蔵/納骨堂に収蔵してあることを証明します」の一文に、墓地・納骨堂管理者の住所・氏名・印(代表印又は法人印)が続きます。様式の末尾には、改葬許可申請書に添付する書類として、墓地又は納骨堂の管理者が証明するよう求める注記がありました。
福岡市立霊園の様式は、型が違います。「埋蔵証明申請書(福岡市立霊園からの改葬に伴うもの)」という名前のとおり、管理者が証明文を書く用紙ではなく、証明の発行を霊園管理者に申請する用紙です(2026年10月1日確認)。申請者の住所・氏名・生年月日・電話番号、利用場所(第◯区◯列◯番)、利用者との関係(本人か、本人以外なら続柄)を書く欄があり、「墓地・埋葬等に関する法律第5条第1項の規定に基づき、改葬許可を申請するにあたり、別紙のとおり埋蔵されていることについての証明を申請します」と続きます。「証明書通数」の欄には「2通」と印字されていました。申請者が利用者本人でない場合は、利用者の承諾欄も使います。下部には霊園管理者の処理欄(許可証確認・台帳入力・手数料徴収)があります。
同じ「埋蔵証明」でも、管理者が直接証明文を書く様式と、証明の発行を申請する様式があるわけです。福岡市立霊園の様式は同霊園からの改葬に限った専用のものなので、ほかの自治体や民間霊園が同じ申請書型を使っているかは、当サイトでは確認していません。
受入証明書とは:誰が・何を証明する書類か
受入証明書は、法令が名指ししている書類ではありません。施行規則第2条第2項は、管理者の証明書面と承諾書のほかに「その他市町村長が特に必要と認める書類」を添付書類に挙げており、受入証明書はこの枠で自治体が独自に求めているものです。発行するのは、改葬先(これから納骨する側)の墓地・納骨堂の管理者。中身は、その場所が遺骨を受け入れられる場所だという証明です。
栃木県鹿沼市が公開している「受入証明書(記入例)」を見ると(2026年10月1日確認)、墓地使用者の氏名・現住所の欄には「改葬先(新しいお墓)の使用者の氏名」「改葬先(新しいお墓)の使用者の住所」、墓地所在地の欄には「改葬先(新しいお墓)の場所」と入っています。本文は「上記墓地は使用可能であることを証明いたします」。そのあとに墓地管理者の住所・氏名・印の欄が続き、「改葬先(新しいお墓)の管理者に証明をもらってください」という注記が添えられていました。もうひとつの注記は、改葬先のお墓が同じであれば、移動するお骨が何体でも受入証明書は1枚でよい、というものです。
秋田県横手市の様式も、構造は同じです(2026年10月1日確認)。上段に改葬申請者の住所・氏名、そのあとに死亡者の欄と受入場所(所在地・名称)の欄を置き、「上記の場所にて受け入れることを証明します」の一文、日付、墓地管理者の住所・名称・氏名の欄で終わります。
公式様式の実物4件を並べて見る
ここまでに出てきた4つの様式を、並べて整理します。確認はいずれも各自治体・霊園の公式サイトに掲載されているPDFを開いて行いました(2026年10月1日)。
| 様式 | 種類 | 様式にある欄 | 様式にあった注記 |
|---|---|---|---|
| 彦根市「埋葬・埋蔵・収蔵証明書」 | 埋蔵証明書(管理者が証明文を記す型) | 死亡者の生前名・死亡年月日・埋葬等の場所、証明文、墓地・納骨堂管理者の住所・氏名・印 | 改葬許可申請書に添付する書類として、管理者が証明するよう求める |
| 福岡市立霊園「埋蔵証明申請書」 | 埋蔵証明書の発行を申請する型(同霊園からの改葬用) | 申請者の住所・氏名・生年月日・電話番号、利用場所、利用者との関係、証明書通数、利用者の承諾欄 | 記入例は「利用者が個人の場合」(続柄は「兄」)と「利用者が法人の場合」(続柄は「信者」、利用者は教会)の2種 |
| 鹿沼市「受入証明書(記入例)」 | 受入証明書 | 改葬先の使用者の氏名・住所、墓地所在地、証明文、墓地管理者の住所・氏名・印 | 改葬先のお墓が同じなら、お骨が何体でも1枚でよい。改葬先の管理者に証明をもらう |
| 横手市「受入証明書」 | 受入証明書 | 改葬申請者の住所・氏名、死亡者、受入場所の所在地・名称、証明文、日付、墓地管理者の住所・名称・氏名 | 様式に注記の記載なし |
様式の細部は自治体ごとに違っても、「誰が証明するか」の向きは揃っています。埋蔵側はいまの墓地の管理者、受入側は改葬先の管理者です。ご自身の自治体の様式は、お墓がある市区町村の公式サイトか窓口で入手できます。自治体別の様式の入手先は申請書の書き方の記事に、公式サイトで様式を公開している自治体の数と一緒にまとめています。
受入証明書が不要・代替できる自治体もある
受入証明書は法定の添付書類ではなく、自治体ごとの運用です。当サイトの実査では、越谷市が改葬先の受入証明書は不要と明記していました(確認日2026年7月29日)。岡山市は、受入証明書を移動先の使用許可証・使用決定通知・契約書の写し等で代替できるとしています(確認日2026年7月16日)。大津市も、改葬先の使用許可証の写しの添付でよいとしていました。
埋蔵証明書の側にも代替があります。岡山市は市営墓地であれば墓地使用許可証で埋蔵証明書に代えられるとしており、市営墓地の扱いは市営墓地からの改葬許可申請で、証明が取れないときの各自治体の対応は必要書類の記事で原文つきに整理しています。
求められる書類は自治体で違います。証明書を集める前に、お墓がある市区町村の案内を見ておくと、二度手間を避けられます。許可が必要なのかどうかの判定は改葬許可は必要?不要?に、許可証の位置づけは改葬許可証とはにあります。
よくある質問
受入証明書と埋蔵証明書の違いは何ですか?
発行する人と、証明する内容が逆です。埋蔵証明書は、いま遺骨が納められている墓地・納骨堂の管理者が「ここに埋蔵(埋葬・収蔵)されている」ことを証明する書類。受入証明書は、これから遺骨を受け入れる改葬先の管理者が「ここで受け入れる」ことを証明する書類です。滋賀県大津市の公式ページも、埋蔵証明は改葬元の墓地等管理者、受入証明書は改葬先の墓地等管理者から得るものとして区別しています。
受入証明書は誰が書く書類ですか?
証明するのは改葬先の墓地・納骨堂の管理者です。横手市の様式は、上段に改葬申請者の住所・氏名の欄、下段に墓地管理者の住所・名称・氏名の欄が並ぶ作りで、家族だけで完結する書類ではありません。鹿沼市の記入例にも、改葬先(新しいお墓)の管理者に証明をもらうという注記があります。
埋蔵証明書は、改葬許可申請書とは別に用意するものですか?
自治体によって分かれます。当サイトが必要書類を確認できた525自治体のうち、管理者の証明を別紙の証明書で求めていたのは151件、改葬許可申請書の中の証明欄に管理者の署名・押印を受ける形が309件でした。大津市の公式ページも「申請書の下段に記入押印」か「管理者が独自に発行する書類(様式不問)」のどちらかとしています。ご自身の自治体の申請書に証明欄があるかを先に見ると、別紙が要るかどうかが分かります。
受入証明書は、どの自治体でも必要ですか?
いいえ。受入証明書は法令が名指しで定めた書類ではなく、市町村長が「特に必要と認める書類」として自治体が独自に求めているものです。当サイトの実査では、埼玉県越谷市が改葬先の受入証明書は不要と明記し、岡山県岡山市は受入証明書を使用許可証・使用決定通知・契約書の写し等で代替できるとしています(確認日は越谷市2026年7月29日、岡山市7月16日)。大津市も、改葬先の使用許可証の写しを添付してもよいとしています。
どちらを先にもらえばよいですか?
受入証明書は改葬先が決まっていないと発行を受けられないため、新しい納骨先の契約が先になります。いまの墓地の管理者への埋蔵証明の依頼は、家族の合意ができてからです。書類を揃える順番と待ち時間の実査は、必要書類の記事の「誰に・どの順で頼むか」にまとめています。
これらの証明書を当サイトで作ってもらえますか?
当サイトは制度の一般的な解説と公式様式への案内を行うもので、証明書の作成・発行や、申請書類の作成の代行は行っていません。証明はいまの墓地・改葬先それぞれの管理者が出す書類です。
遺骨の一部だけを分けるときに使う証明書は、改葬許可に添付する埋蔵証明書とは根拠の条文が別(施行規則第5条)です。発行者や後からの発行の可否は分骨証明書の記事で整理しています。
次の一歩:改葬先が決まったら早めに依頼する
2つの証明書は、どちらも家族だけでは完結しません。受入証明書は改葬先が決まらないと発行を受けられないので、新しい納骨先の契約が先。いまの墓地の管理者への埋蔵証明の依頼は、家族の合意のあとです。書類を揃える順番は必要書類の記事に、申請書の記載事項は申請書の書き方にあります。全国の自治体の必要書類は改葬許可(自治体別)で確認できます。
書類が整ったあとに動くのは、墓石の撤去です。費用の中で最も金額が動く部分なので、複数の石材店の見積もりを比べることで下がる余地があります。一括見積もりサービスを使う手もあります(以下は広告リンクです)。
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参照元
- 大津市 墓じまい、改葬許可申請について(埋蔵証明書・受入証明書の説明)〔2026年10月1日〕
- 彦根市 埋葬・埋蔵・収蔵証明書(様式)〔2026年10月1日〕
- 福岡市立霊園 埋蔵証明申請書(福岡市立霊園からの改葬に伴うもの)〔2026年10月1日〕
- 鹿沼市 受入証明書(記入例)〔2026年10月1日〕
- 横手市 受入証明書(様式)〔2026年10月1日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)第2条〔2026年9月26日〕
- 当サイト 改葬許可(自治体別)データベース(528自治体・47都道府県を実査。越谷市・岡山市の記載を引用)〔越谷市2026年7月29日・岡山市2026年7月16日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。