樹木葬と納骨堂の違いを比較。費用と供養の形で選び方を整理

監修体制は構築中です。専門家の確認が取れ次第、氏名・資格を明記します。

更新日: 2026年7月16日

「樹木葬にするか、納骨堂にするか」——改葬先を検討し始めた方の多くが、最初に迷うのがこの組み合わせです。どちらも承継者を必要としない供養の形として選ばれていますが、費用の決まり方も、供養の形も、実は大きく異なります。

鎌倉新書の全国実態調査(2026年、n=1,267)では、樹木葬を選んだ方が47.4%と最も多く、納骨堂を選んだ方は15.5%でした。選ばれる理由の違いを知ることが、自分たちに合う方を見極める手がかりになります。

費用の目安(比較)

樹木葬 20万円〜80万円 / 納骨堂 20万円〜100万円

タイプ(合祀型・集合型・個別型/ロッカー式・仏壇式・自動搬送式)によって幅があります。詳しい内訳は本文の比較表でご確認ください。

樹木葬 平均購入価格(2026年)
71.7万円
納骨堂 平均購入価格(2026年)
81.5万円
樹木葬 選択率(2026年)
47.4%
納骨堂 選択率(2026年)
15.5%
2026年7月14日 research/07 費用モデル一次調査(鎌倉新書全国実態調査・お墓ガイド突合)で確認

樹木葬と納骨堂、何が違うのか

改葬先を検討していると、案内サイトやパンフレットで「樹木葬」「納骨堂」という言葉を並べて目にする 機会が増えます。どちらも従来の一般墓(墓石を建てるお墓)に代わる選択肢として近年広がってきた 供養の形ですが、埋葬される場所も、管理の仕組みも異なります。

樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬する供養の形です。里山や霊園の一角など、屋外の 自然の中に埋葬するタイプが中心です。納骨堂は、屋内の施設に骨壷のまま遺骨を安置する供養の形で、 ロッカー式・仏壇式・自動搬送式など、施設によっていくつかの型があります。

どちらも「承継者がいなくても選べることが多い」「個別に費用が発生する」という共通点がありますが、 費用の決まり方、屋外か屋内か、体数が増えた場合の課金の仕組みが異なります。ひとつずつ整理していきます。

それぞれの型の中身

樹木葬は、埋葬の形によってさらに3つの型に分かれます。合祀型は、他の方の遺骨と同じ区画にまとめて 埋葬する型です。集合型は、同じ区画の中で個別のプレートなど目印を持ちながら、遺骨は共有スペースに 埋葬される型です。個別型は、一人(またはご家族)ごとに独立した区画を持つ型です。

納骨堂も、収蔵の方法によって3つの型に分かれます。ロッカー式は棚状のスペースに骨壷を安置する型、 仏壇式は個別の仏壇型スペースに骨壷とお位牌を安置する型、自動搬送式は参拝時にICカード等で骨壷を 専用の参拝スペースまで機械で搬送する型です。型によって費用と個別性の残り方が変わるため、どちらを 選ぶ場合も「どの型か」まで踏み込んで検討することが、比較のずれを防ぐポイントになります。

費用で比較する

樹木葬の費用は20万円〜80万円が目安で、平均購入価格は71.7万円(鎌倉新書2026年調査)です。納骨堂の費用は 20万円〜100万円が目安で、平均購入価格は81.5万円です。どちらもタイプによって幅が大きいため、 項目ごとに比較します。

樹木葬と納骨堂の費用・管理の比較
項目樹木葬納骨堂
費用の目安(全体)20万円〜80万円(合祀型5〜20万円・集合型10〜60万円・個別型15〜100万円)20万円〜100万円(ロッカー式20〜80万円・仏壇式50〜150万円・自動搬送式70〜150万円)
平均購入価格(鎌倉新書2026年)71.7万円81.5万円
選択率(鎌倉新書2026年)47.4%15.5%
年間管理費施設によって異なる(契約前に個別確認が必要)1万円〜1.5万円/年が別途かかることが多い(区画契約の場合)
体数が増えた場合個別型は体数課金、合祀型は1体あたり課金区画(定員)内なら追加費用が発生しない場合がある(要現地確認)

年間管理費の有無も見落としやすい違いです。納骨堂は区画契約の場合、1万円〜1.5万円/年の年間管理費が 別途かかることが多く、契約している間ずっと発生します。樹木葬は施設によって扱いが異なるため、 見学時に個別に確認することをおすすめします。

費用の幅がどちらも大きい理由は、同じ樹木葬・納骨堂という名前でも、型によって使う土地・スペースの 個別性が違うためです。合祀型・ロッカー式のように他の方と空間を共有する型は費用を抑えやすく、 個別型・仏壇式・自動搬送式のように独立した空間や個別の参拝方法を用意する型は費用が上がります。 「何にお金がかかっているか」を型ごとに理解しておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

供養の形・管理の違い

屋外か屋内か、という点も大きな違いです。樹木葬は自然の中にあるため、季節の変化を感じながらお参り できる一方、天候や足場の状況に参拝が左右されることがあります。納骨堂は屋内施設のため、天候に 関わらず参拝しやすく、雨の日や冬場の負担が少ないという特徴があります。

個別性の残し方にも違いがあります。樹木葬は合祀型・集合型・個別型に分かれ、個別型を選べば一定期間、 他の方の遺骨と分けて安置できます。納骨堂も、ロッカー式・仏壇式・自動搬送式のいずれも基本的に 骨壷単位で個別に安置される形式です。

承継の考え方にも違いがあります。樹木葬は樹木や区画そのものが自然の一部であるため、代を重ねても 訪れる場所として残りやすい一方、施設の管理者が交代した場合の運営継続性は事前に確認しておく 必要があります。納骨堂は施設単位で管理されるため、契約内容(年間管理費・契約期間)が明文化されて いることが多く、確認事項が把握しやすいという特徴があります。

どんな人に向くか

自然の中で供養したい、季節の移ろいを感じながらお参りしたいと考える方には、樹木葬という選び方が あります。天候に左右されず、車椅子でも参拝しやすい環境を重視する方には、納骨堂という選び方が あります。どちらが優れているということではなく、何を大切にしたいかによって選び方が変わる、 という整理です。

費用を抑えたい場合は、樹木葬の合祀型(5万円〜20万円)や納骨堂のロッカー式(20万円〜80万円)が 候補になります。個別の空間を長く残したい場合は、樹木葬の個別型や納骨堂の仏壇式・自動搬送式が 候補になります。

ご家族の中で意見が分かれる場合もあります。「自然の中がいい」という方と「天候に左右されず参拝 したい」という方が同じご家族にいることも珍しくありません。どちらか一方に決めきれない場合は、 両方を見学したうえで、実際の雰囲気を比べてから話し合うという進め方もあります。

検討時に確認したいこと

樹木葬は、契約後に樹木や区画の管理者が変わる可能性や、個別安置期間が定められている施設があるかを 事前に確認しておくと、後から想定と違ったという事態を避けやすくなります。納骨堂は、年間管理費が 契約している間ずっと発生する点と、体数が増えた場合に追加費用が発生するかどうかを、契約前に 確認しておくことが大切です。

見学時に確認しておきたい項目

  • 個別安置の期間が定められているか
  • 期間終了後、合祀されるか延長できるか
  • ご遺骨の体数が増えた場合、追加費用が発生するか
  • 承継者がいなくなった場合、どのように扱われるか
  • 年間管理費が発生するか、発生する場合はいつまで続くか

どちらも、見学時にこうした点を質問しておくと、後悔しにくい選び方につながります。今すぐ決める 必要はなく、複数の施設を見学してから判断しても遅くはありません。

次の一歩:費用を試算してみる

樹木葬と納骨堂は、タイプの選び方だけでも数十万円単位の差が出ます。文章だけで自分たちのケースに 近い金額を判断するのは難しいため、条件を入力して幅を確認できる費用シミュレーターをご用意しています。 供養先を「樹木葬」「納骨堂」のそれぞれで試算し、金額を並べて見比べてみるのもひとつの方法です。

今すぐ結論を出す必要はありません。まずは目安を知ることから始めていただき、気になる方を見学の候補に 入れてみるところから進めていただければと思います。

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