樹木葬と納骨堂の違い|費用・管理費・お参りのしやすさで比較

執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)

更新日: 2026年10月7日

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樹木葬と納骨堂の違い|平均購入価格は樹木葬71.7万円・納骨堂81.5万円(鎌倉新書2026年調査)

樹木葬と納骨堂の違いは、屋外か屋内かだけではありません。費用の決まり方、年間管理費の有無、体数が増えたときの課金の仕組みが異なります。費用の目安は樹木葬5万円〜150万円、納骨堂20万円〜150万円(どちらも型で大きく変わります)。平均購入価格は71.7万円と81.5万円です。

鎌倉新書の全国実態調査(2026年、n=1,267)では、2025年に「いいお墓」経由でお墓を購入した方のうち、樹木葬を選んだ方が47.4%と最も多く、納骨堂は15.5%でした。数の多さがそのまま答えになるわけではありません。何が違うのかを、比較表から順に見ていきます。

樹木葬と納骨堂の比較(費用・管理費・合祀までの期間・何体まで入るか・取り出しの可否・向く人)
項目樹木葬納骨堂
遺骨の置き場所屋外。樹木や草花を墓標として埋葬屋内。骨壷のまま施設に安置
費用の目安(お墓ガイド)5万円〜150万円(合祀型5〜30万円・集合型10〜60万円・個別型20〜150万円)20万円〜150万円(ロッカー式20〜80万円・仏壇式50〜150万円・自動搬送式70〜150万円)
平均購入価格(鎌倉新書2026年)71.7万円81.5万円
購入者の内訳(鎌倉新書2026年)47.4%15.5%
年間管理費施設によって異なる(契約前に個別確認が必要)約1万円/年が別途かかることが多い(区画契約の場合)
合祀までの期間合祀型は最初から合祀。集合型・個別型は期間後に合祀が多い契約期間の終了後に合祀へ移る施設が多い(期間は施設による)
体数が増えた場合個別型は体数課金、合祀型は1体あたり課金区画(定員)内なら追加費用が発生しない場合がある(要現地確認)
何体まで入るか個別型は区画ごとに納められる体数に上限があり、体数に応じて費用が増えるのが一般的。合祀型は1体ずつの契約。先祖代々の複数体をまとめるなら、上限を先に確認区画(定員)単位の契約が多く、定員の範囲なら複数体を同じ区画に納められる。定員は型・施設で異なる(要現地確認)
あとで遺骨を取り出せるか合祀型は不可。集合型・個別型は、個別安置の期間内に限り可能とする施設がある。骨壷から出して土に埋葬する型は、期間内でも戻しにくい骨壷のまま安置するため、契約期間内なら取り出して別の場所へ移せる施設がある。どちらも合祀後は取り出せない
向く人自然の中で供養したい。季節の移ろいを感じながらお参りしたい天候に左右されず、車椅子でもお参りしやすい環境を大切にしたい

数値は research/07 費用モデル一次調査(お墓ガイド・鎌倉新書全国実態調査、確認日2026年7月14日)から。

樹木葬と納骨堂、何が違うのか

いちばん大きな違いは、遺骨が置かれる場所です。樹木葬は屋外、納骨堂は屋内。ここから、費用の決まり方も参拝のしやすさも枝分かれしていきます。

樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬する供養の形です。里山や霊園の一角など、自然の中に埋葬するタイプが中心。納骨堂は、屋内の施設に骨壷のまま遺骨を安置する供養の形で、ロッカー式・仏壇式・自動搬送式など、施設によっていくつかの型があります。

共通しているのは、承継者がいなくても選べる場合が多いこと、そして多くが永代供養(供養の管理を寺院や霊園が引き継ぐ契約)を伴うことです。分かれるのは、費用の決まり方と、体数が増えたときの課金の仕組み。ひとつずつ見ていきます。

費用で比較する

費用の目安(比較)

樹木葬 5万円〜150万円 / 納骨堂 20万円〜150万円

タイプ(合祀型・集合型・個別型/ロッカー式・仏壇式・自動搬送式)によって幅があります。詳しい内訳は冒頭の比較表でご確認ください。

樹木葬 平均購入価格(2026年)
71.7万円
納骨堂 平均購入価格(2026年)
81.5万円
樹木葬 購入者の内訳(2026年)
47.4%
納骨堂 購入者の内訳(2026年)
15.5%
〔2026年7月14日 research/07 費用モデル一次調査(鎌倉新書全国実態調査・お墓ガイド突合)で確認〕

見落としやすいのが年間管理費です。納骨堂は区画契約の場合、約1万円/年が別途かかることが多く、契約している間ずっと発生します。20年で約20万円。購入時の金額だけで比べると、この差が抜け落ちます。樹木葬は施設によって扱いが分かれるため、見学時にお尋ねください。

幅が大きいのは、同じ名前でも型によって使うスペースの個別性が違うからです。合祀型やロッカー式のように他の方と空間を共有する型は抑えやすく、個別型・仏壇式・自動搬送式のように独立した空間や専用の参拝方法を用意する型は上がります。何にお金がかかっているのか。それが分かると、見積もりの妥当性も判断しやすくなります。

公営で選べる樹木型の実額(2例)

民間の目安とは別に、自治体が運営する霊園には、同じ園内に樹木型(樹林型)と慰霊碑型(合葬)の納骨施設が並んでいる例があります。使用料が公式サイトに明記されているので、樹木を墓標にするとどのくらい変わるのかを、同じ物差しで見られます。当サイトの公営霊園データベースから2例を挙げます。

同じ公営霊園で樹木型と慰霊碑型の使用料が並ぶ例(公式の記載をそのまま転記)
自治体・施設使用料(公式の記載)
神奈川県横浜市メモリアルグリーン 慰霊碑型・樹木型納骨施設慰霊碑型 60,000円(1体・30年間、管理料31,420円)、樹木型 140,000円(1体、管理料62,850円)
神奈川県相模原市峰山霊園 合葬式墓所(慰霊碑型・樹林型)慰霊碑型 1体90,000円・2体180,000円、樹林型 1体92,000円・2体184,000円。年間管理料なし

使用料は各市の公式ページの記載をそのまま転記しています(横浜市 確認日2026年10月1日、相模原市 確認日2026年9月9日)。公営の納骨堂の使用料は当サイトの収録範囲に入っていないため、納骨堂側の公営実額は載せていません。

公営の合葬式墓地を改葬先として、使用料・申込資格・募集時期で横並びに見るなら市営墓地の永代供養墓(合葬墓)に改葬するをどうぞ。

それぞれの型の中身

樹木葬は埋葬の形で3つに分かれます。他の方の遺骨と同じ区画にまとめて埋葬するのが合祀型。同じ区画の中に個別のプレートなど目印を持ちながら、遺骨自体は共有スペースに埋葬されるのが集合型。一人(またはご家族)ごとに独立した区画を持つのが個別型です。

納骨堂も収蔵の方法で3つに分かれます。棚状のスペースに骨壷を安置するロッカー式、個別の仏壇型スペースに骨壷とお位牌を安置する仏壇式、参拝時にICカード等で骨壷を参拝スペースまで機械が運ぶ自動搬送式。型が変われば、費用も、個別性がどこまで残るかも変わります。比較するときは「樹木葬か納骨堂か」ではなく、「どの型か」まで降りてください。

供養の形・管理の違い

参拝のしやすさは、屋外か屋内かでかなり変わります。樹木葬は季節の移ろいを感じながらお参りできる一方、天候や足場に左右されます。納骨堂は屋内なので、雨の日も冬場も負担が少なくてすみます。

個別性の残り方も違います。樹木葬は合祀型・集合型・個別型に分かれ、個別型なら一定期間、他の方の遺骨と分けて安置できます。納骨堂はロッカー式・仏壇式・自動搬送式のいずれも、基本的に骨壷単位で個別に安置されます。どちらも、契約で定めた期間の終了後に合祀へ移る施設が多く、合祀後は遺骨を個別に取り出せません。

長い目で見たときの確認点も、それぞれ別のところにあります。樹木葬は樹木や区画そのものが自然の一部であるぶん、代を重ねても訪れる場所として残りやすい。ただし、管理者が交代したときの運営継続性は聞いておきたいところです。納骨堂は施設単位の管理で、年間管理費や契約期間が書面で明文化されていることが多く、確認すべき項目をつかみやすいという特徴があります。

選ぶときの5つの判断軸

優劣ではありません。何を大切にするかで、答えが変わるだけです。家族の条件を次の5つの軸で書き出すと、樹木葬か納骨堂か、そしてどの型かが同時に見えてきます。5つめの「将来また動かす可能性」は、家族の合意がまだ途中の方ほど効いてきます。

樹木葬と納骨堂を選ぶときの判断軸
判断軸自分に問うこと答えによって寄る側
費用一括で払える上限と、管理費が毎年続いてもよいか管理費を避けたいなら樹木葬の合祀型。総額の上限を決めるなら型で比べる
継承の有無次の世代に引き継ぐ前提があるかどちらも承継者なしで契約できる施設が多い。引き継ぐなら区画契約の納骨堂も候補
お参りのしやすさ誰が、どのくらいの頻度で、どんな手段で通うか高齢の家族が通うなら屋内の納骨堂。自然の中を歩けるなら樹木葬
宗旨・宗派現在の宗派で法要を続けたいか寺院運営の施設は宗派の条件がある場合も。どちらも見学時に確認
将来また動かす可能性家族の合意がまだ固まっていない、転居や承継の見通しが変わるなど、あとで別の場所へ移すかもしれないか可能性があるなら、契約期間内は骨壷のまま残る納骨堂に寄る。土に還す形で決着させたいなら樹木葬。どちらも合祀後は戻せない

家族の中で意見が分かれることもあります。「自然の中がいい」という方と「天候に左右されず参拝したい」という方が同じ家に揃うのは、珍しいことではありません。決めきれないときは、両方を見学して、実際の雰囲気を比べてから話す。そういう進め方もあります。条件から候補を絞りたいなら改葬先診断を、合祀墓・永代供養墓・手元供養まで含めて横並びで見たいなら改葬先7つの比較記事をどうぞ。

検討時に確認したいこと

樹木葬なら、契約後に樹木や区画の管理者が変わる可能性、そして個別安置期間の定めがあるかどうか。納骨堂なら、年間管理費が契約している間ずっと発生すること、体数が増えたときに追加費用がかかるかどうか。どちらも契約前に聞いておけば、後から想定と違ったという事態を避けられます。

見学時に確認しておきたい項目

  • 個別安置の期間が定められているか
  • 期間終了後、合祀されるか延長できるか
  • ご遺骨の体数が増えた場合、追加費用が発生するか
  • 承継者がいなくなった場合、どのように扱われるか
  • 年間管理費が発生するか、発生する場合はいつまで続くか
  • 受入証明書を発行してもらえるか(改葬許可の申請に必要になることが多い書類です)

これらを見学の場で聞いておけるかどうかで、後の納得感が変わります。急いで決める必要はありません。当日の質問一覧は見学チェックリストにまとめています。

よくある質問

回答中の金額は、お墓ガイド・鎌倉新書全国実態調査(確認日2026年7月14日)の記載からの引用です。

樹木葬と納骨堂はどちらが安いですか?

型によります。費用の目安は樹木葬が5万円〜150万円、納骨堂が20万円〜150万円で、最も抑えやすいのは樹木葬の合祀型(5万円〜30万円)です。平均購入価格は樹木葬71.7万円、納骨堂81.5万円(鎌倉新書2026年調査)。納骨堂は区画契約の場合に年間管理費約1万円が別途かかることが多く、総額で比べる必要があります。

樹木葬と納骨堂の違いは何ですか?

いちばん大きな違いは遺骨の置き場所です。樹木葬は屋外に埋葬し、納骨堂は屋内に骨壷のまま安置します。ここから、お参りのしやすさ(天候・足場)、費用の決まり方(型ごとの個別性)、年間管理費の有無、体数が増えたときの課金の仕組みが分かれます。

納骨堂の年間管理費はいくらですか?

区画契約の場合、約1万円/年が別途かかることが多いとされています(お墓ガイド、確認日2026年10月7日)。契約している間ずっと発生するため、契約年数分を足して総額を見てください。樹木葬は施設によって扱いが分かれるため、見学時に個別に確認が必要です。

樹木葬と納骨堂で迷ったら、どう決めればよいですか?

費用・継承の有無・お参りのしやすさ・宗旨宗派・将来また動かす可能性の5つの軸で家族の条件を書き出し、両方のタイプを1か所ずつ見学して比べる進め方があります。当サイトの改葬先診断では、条件を入力すると候補が絞れます。

先祖代々の遺骨をまとめて移すなら、樹木葬と納骨堂のどちらが向きますか?

体数の扱いが分かれ目です。納骨堂は区画(定員)単位の契約が多く、定員の範囲なら複数体を同じ区画に納められます。樹木葬は個別型なら区画ごとの体数に上限があって体数課金、合祀型は1体ずつの契約が一般的です。移す体数が多いほど差が開くため、見積もりは「何体で」を伝えたうえで、両方の型から取って並べてください。

納骨堂に納めた遺骨を、あとから樹木葬に移せますか?

契約期間内で骨壷のまま安置されていれば、取り出して移せる施設があります。合祀に移ったあとは、納骨堂でも樹木葬でも取り出せません。移すときは、いまの納骨堂がある市区町村で改葬許可の手続きをもう一度行い、移転先の受入証明書などが必要になることが多いです。期間の満了前に施設から案内があるかどうかも、契約時に確認しておくと落ち着いて判断できます。

次の一歩:費用を試算してみる

樹木葬と納骨堂は、タイプの選び方だけでも数十万円単位の差が出ます。文章だけで自分たちに近い金額を見極めるのは難しいので、条件を入力して幅を確認できる費用シミュレーターをご用意しました。供養先を「樹木葬」「納骨堂」それぞれで試算し、金額を並べてみてください。

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執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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