東京都の墓じまい補助金|都立霊園に施設変更制度、区市の現金助成は確認できず(2026年)

大久保亮佑

執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)

更新日: 2026年10月1日

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東京都の墓じまい補助金|記事の要点を1枚にまとめた図版

「墓じまい 補助金 東京都」という検索は、ラッコキーワードの実測(2026年9月)で月間590件あります。当サイトが都立霊園8園と八王子市営霊園、東京都内の23区・26市の改葬許可窓口ページを確認した範囲では、墓石撤去や原状回復にかかった費用そのものに現金が支給される助成金は見つかりませんでした。

一方で、都立霊園には現金給付ではない別の仕組みとして「施設変更制度」があります。この記事では、その制度の内容を公式PDFで直接確認した結果とあわせて整理します。

結論: 東京都内で確認できた「現金の補助金」は無い

都立霊園(多磨・八柱・小平・八王子・青山・谷中・雑司ケ谷・染井の8霊園)と八王子市営霊園、23区・26市の改葬許可の案内ページを確認しましたが、墓じまいの撤去費用や原状回復費用に現金を支給する制度は見当たりませんでした。千葉県市川市や群馬県太田市のような、撤去費の実費や上限額を助成する制度は、東京都内では今回の調査範囲に含まれていません。

代わりに都立霊園にあるのが、承継者がいない使用者を対象にした「施設変更制度」です。現金は動きませんが、合葬式墓地へ移ることで将来の使用料・管理料がかからなくなる仕組みなので、次の章で詳しく説明します。全国の制度の一覧と、補助金と混同されやすい還付の違いは墓じまいの補助金の全国一覧にまとめています。

都立霊園の「施設変更制度」を公式PDFで確認した内容

東京都公園協会が公開しているPDF「施設変更制度のご案内について」を、当サイトが直接開いて確認しました。対象は「都立霊園の使用者でお墓の承継者がいない方」。内容は「現在使用しているお墓を返還して、ご遺骨を東京都の合葬式墓地に改葬し、東京都が使用者に代わってご遺骨をお守りしていきます」と明記されています。

移行先は小平霊園・八柱霊園の合葬式墓地で、使用者自身がお墓を管理する必要がなくなり、使用料・年間管理料は不要になります。現在のお墓に納骨している遺骨に加え、使用名義人本人とその配偶者(事実婚関係を含む)またはパートナーシップ関係にある方が亡くなった際も、同じ合葬式墓地に納骨できます。PDFには「現在使用しているお墓を更地にする費用は使用者の負担になります」ともはっきり書かれており、今のお墓の撤去費用そのものが免除されるわけではありません。

注意点は2つあります。ひとつは実施の枠が年度ごとに変わることです。PDFは「年度により実施の有無や受入霊園、受付期間等は異なります」「毎年、4月以降にご使用の霊園へお問合せください」としており、毎年申し込めるとは限りません。もうひとつは、この制度を使うと通常の使用料還付(許可から3年以内の返還で使用料半額)の対象からは外れることです。東京都霊園条例施行規則は、施設変更の許可を受けた場合をこの還付の適用除外としています。

出典:都立霊園 施設変更制度のご案内について(PDF)、東京都霊園条例第15条・第16条 確認日:2026年9月28日(PDF・条例・施行規則は2026年10月1日にも開いて照合)

確認した霊園と還付・原状回復の状況

都立霊園と八王子市営霊園について、使用料の還付・原状回復の負担・指定石材店・合葬式墓地の有無を一覧にしました。霊園名から、返還手続きの詳細ページにも進めます。

東京都内の公営墓地の還付・原状回復・指定石材店・合葬式墓地
霊園使用料の還付原状回復の負担指定石材店合葬式墓地
都立霊園(多磨・八柱・小平・八王子・青山・谷中・雑司ケ谷・染井)条件つき。許可日から3年以内に届出・原状回復すれば使用料の半額を還付(短期収蔵施設は使用経過期間に応じ3分の2・半額・3分の1)。施設変更制度を使った場合はこの還付の対象外使用者負担。条例第16条が原状回復を義務づける条例・規則・公式サイトのいずれにも指定の記載なしあり(小平・八柱霊園。施設変更制度で移行可)
八王子市営霊園(緑町霊園など)条件つき。使用承認から2年以内に区画墓地の全部を返還すると使用料の半額を還付。管理料の還付規定なし使用者負担。履行しないときは市長が代行し費用を徴収する規定あり条例・公式ページに指定の記載なしあり(緑町霊園のみ。納骨室・合葬室)

出典:東京都霊園条例・施行規則、八王子市霊園条例・施行規則 確認日:都立霊園2026年8月27日、八王子市営霊園2026年9月18日

八王子市の還付条件は「区画墓地の全部を返還したとき」に限られ、墓石を建てて使用した後の返還がこの条件を満たすかどうかは条文の文言だけでは判断がつきません。金額の見込みを立てたい場合は、事前に管理事務所へ確認したほうが確実です。公営墓地の返還の流れ全般は公営墓地の返還手続きで、墓園ごとの負担条件は公営墓地の墓じまい費用で見比べられます。

東京都内の改葬許可の窓口・手数料

補助金の有無とは別に、改葬許可申請の手数料は自治体ごとに差があるのが実情です。当サイトの改葬許可データベースで確認できた東京都内42区市のうち、16区市は手数料が無料であることを確認できています。八王子市は「改葬許可の申請手続きは、無料です」、町田市は「手数料はかかりません」、品川区は区の戸籍住民課へのメール照会で「改葬許可証の交付手数料は無料」という回答を得ています。

杉並区と渋谷区については、区の手数料条例そのものを全文確認しましたが、改葬許可に該当する項目が条例上存在しませんでした。地方自治法の考え方に沿えば手数料は徴収できないため無料と見なせますが、公式サイトに明記はなく、窓口で確かめておくと安心です。残る24区市は、案内ページ・申請書様式のいずれにも手数料の記載が見当たらず、当サイトでは無料か有料かを確認できていません。新宿区の案内ページも、手数料と郵送申請の可否のどちらも記載がありませんでした。郵送での申請を受け付けている区市は42区市中14件で、多くは戸籍を担当する窓口宛てに、返信用封筒と切手を同封する形です。

出典:東京都内42区市の改葬許可案内ページ(当サイト改葬許可データベース) 確認日:2026年7月13日〜9月18日

東京都内の公営合葬式墓地

補助金がなくても、将来の管理負担を軽くする選択肢が合葬式墓地です。都立霊園では小平霊園・八柱霊園に合葬式墓地があり、前述の施設変更制度を使う場合はここに移ります。新規に申し込む場合の受付は年度によって条件が変わるため、都立霊園の公式サイトで最新の募集状況を確認する必要があります。

区市が独自に運営する合葬式墓地の例が、八王子市の緑町霊園にある納骨室・合葬室です。納骨室は1体用・2体用があり使用期間20年で1回更新可能、期間満了後は合葬室に収蔵されます。区画墓地の使用者がこの合葬式墓地へ施設変更する制度もあり、その場合の使用料は通常の新規申込みより低額に設定されています。

出典:都立霊園公式サイト、八王子市霊園条例 確認日:2026年9月28日(納骨室1体用・2体用と使用期間20年は八王子市公式ページで2026年10月1日にも確認)

よくある質問

回答は、当サイトが公式PDF・条例・各区市の案内ページを確認した範囲に限ります。区市の件数は当サイトの改葬許可データベース(確認日2026年7月〜9月)からの集計です。

新宿区に墓じまいの補助金はありますか?

当サイトが新宿区の改葬許可の案内ページを確認した範囲では、補助金の記載はありませんでした。改葬許可申請の手数料についても、確認したページには金額の記載がなく、区の戸籍住民課への確認が必要です。

都立霊園の施設変更制度は誰でも使えますか?

対象は「都立霊園の使用者でお墓の承継者がいない方」に限られます。実施の有無や受入霊園、受付期間は年度によって異なるため、毎年4月以降に使用している霊園へ問い合わせる必要があります。

施設変更制度を使うと、お墓の撤去費用はかかりませんか?

撤去費用そのものは免除されません。公式PDFに「現在使用しているお墓を更地にする費用は使用者の負担になります」と明記されています。無くなるのは、移行後の合葬式墓地の使用料・年間管理料です。

八王子市に墓じまいの補助金はありますか?

現金の補助金は、当サイトが確認した範囲では見つかっていません。ただし八王子市営霊園には、使用承認から2年以内に区画墓地の全部を返還すると使用料の半額が戻る還付制度があります。

東京都内で改葬許可の申請手数料が無料の区市はどこですか?

当サイトが確認した42区市のうち、八王子市・町田市・品川区・府中市・小平市など16区市が手数料無料を確認できています。残りの区市は記載が見当たらず、窓口への確認が必要です。

次の一歩: 総額の目安と改葬先を確かめる

補助金がないとわかったら、次はご自身のケースでかかる総額の目安をつかむ段階です。当サイトの費用シミュレーターなら、墓地の種類・面積・改葬先など3つの質問に答えるだけで、出典つきの総額と内訳の目安が出ます。登録は不要です。

全国の補助金・助成金の状況は墓じまいの補助金・助成金がある自治体の一覧に、公営墓地を返す場合の流れは公営墓地の返還手続きにまとめています。

指定業者がない霊園では、複数の石材店から見積もりを取って撤去費を比較できます(以下は広告リンクです)。
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大久保亮佑

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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