改葬許可を行政書士に頼む費用|日行連の報酬統計と頼める範囲・自分でやる範囲
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年10月1日

改葬許可の書類を行政書士に頼むと、費用はいくらになるのか。日本行政書士会連合会の報酬額統計(令和7年度)には「改葬等許可申請」の項目があり、回答した23件の平均は63,587円、最小7,000円から最大250,000円まで開いていました。
一方、役所に払う手数料は、当サイトが実査した510自治体で有料と分かったものが62件、1件あたり200円〜600円です。この記事では、報酬と手数料を分けて見たうえで、頼める範囲と自分でできる範囲を整理します。頼むことも、頼まないことも、同じ重さの選択肢として並べます。
この記事の要点
先に数字と結論を並べます。統計の数値は公式資料の転記で、推計や補正は加えていません。
| 項目 | 分かったこと |
|---|---|
| 日行連の報酬額統計(令和7年度)の項目「改葬等許可申請」 | 回答23件/平均63,587円/最小7,000円/最大250,000円。金額は消費税を含み、立替金は含まない |
| 役所に払う改葬許可証の手数料(当サイト実査510自治体) | 無料と明記 160件/有料 62件(200円〜600円)/記載を確認できず 288件 |
| 行政書士に依頼できること | 官公署に提出する書類の作成と、その提出手続(行政書士法 第1条の3・第1条の4) |
| 行政書士の範囲に入らない作業 | 墓石の撤去・遺骨の取り出し、閉眼供養、改葬先の契約、墓地管理者への連絡 |
| 頼まない場合 | 申請者本人が市区町村に申請できる。実査では482件(約95%)が様式を公開、286件(約56%)が郵送を受付 |
日行連の報酬額統計:「改葬等許可申請」の金額
日本行政書士会連合会は、行政書士法 第10条の2第2項にもとづき、会員が業務で受ける報酬額の統計を作成して公表しています。最新の公表分は「令和7年度報酬額統計調査の結果」(令和8年1月実施)。この統計に、改葬の手続きに近い項目がひとつだけあります。項目番号332の「改葬等許可申請」です。「改葬許可申請」という名前の項目ではなく、「等」が付いています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 回答者 | 23件 |
| 平均 | 63,587円 |
| 最小値 | 7,000円 |
| 最大値 | 250,000円 |
| 最頻値 | 10,000円・30,000円・55,000円・80,000円・100,000円が各2件で並び、1つに定まらない |
| 金額帯 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 12,500円未満 | 3件 | 13.0% |
| 12,500円〜25,000円未満 | 1件 | 4.3% |
| 25,000円〜37,500円未満 | 6件 | 26.1% |
| 37,500円〜50,000円未満 | 1件 | 4.3% |
| 50,000円以上 | 12件 | 52.2% |
平均の63,587円だけを見ると「6万円ほど」と思いたくなりますが、分布はきれいな山になっていません。50,000円以上が12件、50,000円未満が合わせて11件。最小と最大の差は30倍以上あり、最頻値は5つの金額が同数で並んでいます。回答が23件と少ない項目でもあり、「改葬許可の相場」と呼べるほどの収束はありません。
読み方で注意したい点が3つあります。ひとつめ。これは回答した会員が実際に受け取った報酬の集計で、各事務所の料金表ではありません。ふたつめ。項目名は「改葬等許可申請」で、申請書の作成だけなのか、戸籍の取り寄せや墓地管理者とのやりとりまで含む金額なのかは、統計に示されていません。みっつめ。立替金(自治体手数料や証明書代などの実費にあたるもの)は含まれていません。つまり、依頼者が最終的に払う総額とも一致しません。
なお、当サイトは行政書士の紹介や斡旋を行っていません。この統計は、費用の目安を知り、見積もりを受け取ったときに比べるための一次情報として引いたものです。
役所の手数料との対比:払う相手が違う2つの費用
改葬の許可を出すのは墓地のある市区町村長で(墓地、埋葬等に関する法律 第5条)、許可証の発行に手数料を取るかどうかは自治体が決めます。当サイトが公式サイトを実査した510自治体のうち、無料と明記していたのが160件。有料と分かったのが62件で、1件あたり200円〜600円でした。手数料の記載を確認できなかった288件も残っています。自治体別の内訳は改葬許可証の手数料にまとめています。
この手数料は、行政書士に頼んでも頼まなくても、自治体に払う金額です。行政書士への報酬とは別の費用で、払う相手も違います。自治体の手数料が無料から数百円だというのは、手続きそのものの費用が小さいということ。報酬として払うお金は、書類を整える手間と、窓口に動く時間に対する対価、と考えると位置づけが見えてきます。
手間の大きさは、自治体の案内から見当がつきます。公式ページが必要書類として挙げていた点数は、記載のあった507自治体で1点から9点、最も多いのが3点(120自治体)でした。この点数は公式ページの一覧に並んでいた項目の数で、実際に全員が揃える書類の数ではありません。また、申請書の様式を公式サイトで公開していたのが482件、郵送で申請できるとしていたのが286件(実査510自治体)あります。いまお墓がある自治体がどちらに当たるかで、自分でやる負担の重さは変わります。
行政書士に頼める範囲・自分でやる範囲・別の相手に頼む作業
他人の依頼を受け、報酬を得て、官公署に提出する書類を作成することは、行政書士の業務です(行政書士法 第1条の3)。あわせて、その書類を官公署に提出する手続を代理することも、業として行えます(同法 第1条の4第1項第1号)。行政書士や行政書士法人でない者が、報酬を得て業としてこれを行うことは認められていません(同法 第19条)。改葬許可申請書は市区町村に出す書類なので、報酬を払って任せるなら相手は行政書士、というのが制度上の整理です。
ただし、任せられるのは書類まわりまでです。墓じまいの作業を分けると、次のようになります。
| 作業 | 行政書士に依頼する場合 | 頼まない場合 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書の作成 | 依頼できる(法第1条の3) | 申請者本人が様式に記入。記載事項は施行規則 第2条の7項目で全国共通 |
| 申請書の提出・許可証の受け取り | 提出手続の代理として依頼できる(法第1条の4)。自治体によっては委任状等を求める | 本人が窓口か郵送で提出。家族が窓口に出す場合の扱いは自治体ごとに違う |
| 戸籍など添付書類の取り寄せ | 報酬に含むかどうかは事務所ごとに異なる。依頼前に確認する | 本人が請求する。名義人が亡くなっているときは戸籍が増えることがある |
| 墓地管理者の証明・墓地使用者の承諾書 | 書類の整え方は依頼できても、証明や承諾をするのは管理者・使用者本人 | 本人が管理者に依頼して、署名・押印をもらう |
| 寺院・霊園への連絡、家族の合意、改葬先の選定と契約 | 行政書士の報酬には含まれない | 本人・家族が進める |
| 墓石の解体・撤去、遺骨の取り出し | 行政書士の業務ではない。石材店(墓地によっては指定業者) | 同じ(自分ではできない作業) |
| 閉眼供養・納骨の法要 | 行政書士の業務ではない。僧侶・改葬先 | 同じ |
行政書士に頼んでも、申請者という立場が変わるわけではありません。申請者が誰かによって、必要な承諾書や委任状も変わります。名義人が亡くなっているときに子が申請者になる形は必要書類で、家族が窓口に立つ場合の自治体ごとの違いは代理申請と委任状で整理しています。
石材店や墓じまい業者のパックに「書類の手続き」が含まれていることもあります。誰が書類を作るのかは、契約の前に確かめておきたい点です。パック全体の費用構造は墓じまい代行の費用相場を見てください。
見積もりで確かめたいこと
行政書士は、事務所の見やすい場所に業務の報酬額を掲示しなければなりません(行政書士法 第10条の2第1項)。ウェブサイトに料金表を出している事務所も多く、統計の平均と見比べる最初の材料になります。見積もりを受け取ったら、次の点を見ておくと、金額の差の理由が分かります。
- 報酬に含まれる作業の範囲。申請書の作成だけか、提出・許可証の受け取り・戸籍の取り寄せ・管理者とのやりとりまで入っているか
- 自治体の手数料、証明書の発行手数料、郵送費などの実費が、別に請求されるのか、込みなのか
- 消費税の扱い(日行連の統計は税込みの金額)
- 遺骨が複数ある場合、墓地が複数の自治体にまたがる場合、名義人が亡くなっていて承継の手続きが先に要る場合の追加料金
- 自治体が委任状を求めるとき、申請者と行政書士のどちらが何を用意するか
同じ「改葬許可」の見積もりでも、含まれる範囲が違えば金額は変わります。統計の最小7,000円と最大250,000円が開いているのも、この範囲の違いが一因かもしれません。ただし統計にその内訳は載っていないので、理由までは分かりません。
頼む・頼まないの判断材料
どちらが正しいという話ではなく、状況によって軽くなる負担が違います。
| 見るところ | 頼む側に傾く場合 | 自分でやる側に傾く場合 |
|---|---|---|
| 動ける時間 | 平日に役所へ行けない。墓地のある自治体が遠く、郵送も使えない | 郵送で申請できる自治体(実査で286件)。平日に動ける |
| 書類の重さ | 名義人が亡くなっていて承継や戸籍の手配が重なる。遺骨が複数ある | 必要書類が少なく、様式が公開されている(実査で482件) |
| 費用の考え方 | 書類の手間と時間に、報酬を払うことができる | 自治体手数料(無料〜600円)と実費だけで済ませたい |
| 気持ちの面 | 書類に不慣れで、記入の誤りによる出し直しが不安 | 家族で手続きの中身を把握しながら進めたい。窓口で書き方を聞けばよい |
どちらの場合でも、最初にやることは同じです。いまお墓がある自治体の案内ページで、申請書の様式、必要書類、郵送の可否を見ること。この情報が手元にあれば、自分でやるか頼むかを決める材料になり、頼む場合も、事務所に正確に伝えられます。窓口に電話して確認する方法もあります。
よくある質問
日行連の統計の数値は公式資料(令和7年度報酬額統計調査の結果)の転記、自治体の件数は当サイトが公式サイトを実査した510自治体(47都道府県)の集計です。
改葬許可の申請を行政書士に頼むと、費用はいくらですか?
日本行政書士会連合会の令和7年度報酬額統計調査(令和8年1月実施)の項目「改葬等許可申請」では、回答23件の平均が63,587円、最小が7,000円、最大が250,000円でした(消費税を含み、立替金は含まない)。ただしこれは回答した会員が受け取った報酬の実績で、料金表ではありません。実際の金額は事務所ごとに異なるため、依頼を考える事務所の報酬額の掲示や見積もりで確かめてください。
行政書士への報酬のほかに、どんな費用がかかりますか?
自治体に払う改葬許可証の手数料があります。当サイトが公式サイトを実査した510自治体のうち、無料と明記していたのは160件、有料と分かったのは62件(1件あたり200円〜600円)で、手数料の記載を確認できなかったのが288件です。このほか、戸籍などの証明書の発行手数料や郵送費といった実費が、報酬とは別に見積もりへ載ることがあります。日行連の統計は立替金を含まない金額なので、見積もりと並べるときは実費の扱いをそろえて見てください。
改葬許可の申請は、行政書士に頼まないとできませんか?
そのようなことはありません。改葬許可は、墓地のある市区町村に申請者自身が申請する手続きで、行政書士への依頼は任意です。当サイトの実査では、510自治体のうち482件が申請書の様式を公式サイトで公開し、286件が郵送での申請を受け付けていました。書き方に迷う点は、申請先の窓口に聞く方法もあります。
行政書士に頼むと、墓じまい全体を任せられますか?
任せられるのは、官公署に提出する書類の作成と、その提出手続といった書類まわりです(行政書士法 第1条の3・第1条の4)。墓石の解体・撤去と遺骨の取り出しは石材店(墓地によっては指定業者)、閉眼供養は僧侶、改葬先の選定と契約や、いまの墓地の管理者への連絡は本人と家族の領分で、行政書士の報酬には含まれません。承諾書や管理者の証明のように、署名や押印をする人が決まっている書類も、本人や管理者の手を経ることになります。
見積もりを取るとき、何を確かめればよいですか?
行政書士は事務所の見やすい場所に報酬額を掲示することが法律で定められているため(行政書士法 第10条の2第1項)、まずその料金表を見ます。そのうえで、改葬許可の報酬に含まれる作業の範囲(申請書の作成のみか、提出や許可証の受け取り、戸籍の取り寄せ、墓地管理者とのやりとりまで含むか)、実費が別か込みか、消費税の扱い、遺骨が複数あるときや名義人が亡くなっているときの追加料金の有無を確認します。
次の一歩:費用の全体像と自治体の案内を見る
行政書士への報酬は、墓じまいの費用の一部にすぎません。金額が大きく動くのは、墓石の撤去工事と改葬先の費用です。全体でどのくらいになるかは、費用シミュレーターで条件を入れて試算できます。
手続きの側は、自治体別の改葬許可データベースでいまの墓地の自治体の必要書類・手数料・郵送可否を確かめてから、頼むか自分でやるかを決めても遅くありません。申請書の項目は書き方ガイド、自分で進める場合の順序は墓じまいを自分でやる方法にあります。
当サイトは制度の一般的な解説と公式情報への案内を行うもので、申請の代理や書類作成の代行、個別の助言は行いません。
参照元
- 日本行政書士会連合会 報酬額の統計(令和7年度報酬額統計調査の結果の掲載ページ)〔2026年10月1日〕
- 日本行政書士会連合会 令和7年度報酬額統計調査の結果(令和8年1月実施)PDF 25ページ 項目332「改葬等許可申請」〔2026年10月1日〕
- 行政書士法(e-Gov法令検索)第1条の3・第1条の4・第10条の2・第19条〔2026年10月1日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)第5条(改葬は市町村長の許可)〔2026年9月2日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)第2条(改葬許可申請書の記載事項・添付書類)〔2026年8月6日〕
- 総務省 行政書士制度(他人の依頼を受け報酬を得て官公署提出書類を作成できるのは行政書士)〔2026年8月7日〕
- 当サイト 改葬許可(自治体別)データベース(510自治体・47都道府県を実査)〔2026年10月1日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。