【独自調査】改葬許可の手数料、約66%の自治体は公式サイトに記載なし
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年8月7日
墓じまい・改葬の最初の行政手続きである「改葬許可申請」。その手数料がいくらか、実は多くの自治体で公式サイトを見ても分かりません。ハカラウ編集部は、全国149自治体(45都道府県)の公式サイト・公式PDFを1件ずつ確認する実査を行いました。
結果、手数料について「無料」と明記していたのは43自治体、金額を明記して「有料」だったのは8自治体(300〜600円)にとどまり、約66%にあたる98自治体では公式サイト上に手数料の記載自体が見当たりませんでした。
調査サマリー(主要な発見)
- 約66%の自治体は、公式サイトに手数料の記載がない。実査した149自治体のうち98自治体で、案内ページ・公式PDFに 改葬許可証の手数料の記載を確認できませんでした。
- 記載がある自治体では「無料」が多数派。「無料」明記が43自治体に対し、 有料と明記していたのは8自治体で、金額はいずれも1通(または遺骨1体)につき 300〜600円でした。
- 値上げ改定の動きも確認。宝塚市は2026年10月1日以降の申請受付分から、 手数料を改定する予定と公式サイトに明記しています(発見2参照)。
- 郵送申請は「可」が主流。郵送可が83自治体に対し、不可と明記して いたのは3自治体のみ。ただし63自治体は可否の記載がありません。
- 交付までの時間は「即日」から「2週間程度」まで開きがある。処理日数の記載があった43自治体のうち、即日交付相当が15件、1週間以上と 記載していたのが17件でした。
調査方法
調査対象は、当サイトの改葬許可データベースに収録している全国149自治体(45都道府県。政令市・中核市・東京特別区を中心に、段階的に拡大中)。2026年7月から8月にかけて、 各自治体の公式サイト・公式PDF・手数料条例を編集部が1件ずつ確認し、記載を原文ベースで転記しました。 検索エンジンの要約やまとめ記事の記述は一切採用していません。
公式サイトに記載がない項目は、推測で埋めずに「公式記載なし」として記録し、順次、電話・メールでの 照会を進めています(例: 新潟市・品川区は自治体担当課へのメール照会により「無料」を確定済み)。 条例に手数料の定めがないことを全文確認できた自治体は、その旨を明記しています。全データは自治体別データベースで、出典URL・確認日つきで公開しています。
発見1: 手数料の記載状況と有料自治体の全リスト
- 無料と明記 43自治体(29%)
- 有料と明記 8自治体(5%)
- 公式記載なし 98自治体(66%)
149自治体の内訳は、「無料」明記43件・「有料」明記8件・ 公式記載なし98件(約66%)でした。改葬許可証の手数料は、当事者が 最初に知りたい情報のひとつですが、7割前後の自治体では公式サイトを見ただけでは分からないのが 現状です。これは自治体が情報を隠しているのではなく、案内ページの記載範囲の問題と考えられます。
有料と明記していた自治体の全リストは次のとおりです(すべて出典つき)。
| 自治体 | 手数料(公式記載) | 確認日 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 富山県富山市 | 申請書1通につき300円 | 〔2026年7月16日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県西宮市 | 遺骨1体につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 奈良県奈良市 | 1枚につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 大阪府豊中市 | 1通につき450円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 大阪府和泉市 | 1通につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県宝塚市 | 市営霊園からの改葬:600円/1体につき、市営霊園以外からの改葬:300円/1体につき | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県川西市 | 許可証1通につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 愛知県一宮市 | 300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
発見2: 値上げ改定の動き
今回の実査で、手数料の改定を予告している自治体を確認しました。宝塚市は、市営霊園からの改葬を 1体600円、市営霊園以外からの改葬を1体300円としていますが、公式サイト上で「2026年(令和8年) 10月1日以降の申請受付分は、それぞれ800円・400円に改定予定」と明記しています。改葬許可の手数料は 少額とはいえ、条例改正により変動しうる費目であることを示す事例です。
発見3: 郵送申請の可否
- 郵送可 83自治体(56%)
- 郵送不可と明記 3自治体(2%)
- 記載なし 63自治体(42%)
遠方のお墓を整理するケースで重要になる郵送申請は、「可」が83自治体と主流でした。 「不可」と明記していたのは3自治体のみです。一方で63自治体は 郵送可否の記載自体がなく、ここでも「公式サイトだけでは分からない」状況が確認されました。 郵送時の切手代・返信用封筒の条件は自治体ごとに細かく異なります(詳細は手数料の解説記事を参照)。
発見4: 必要書類・処理日数の自治体差
母数: 必要書類の記載を確認できた147自治体。リストに挙げていない自治体で不要という意味ではありません。
必要書類のリストを確認できた147自治体では、法定添付書類である埋蔵・収蔵証明書の ほかに、改葬先の受入証明書(相当書類含む)を挙げる自治体が35件、 代理申請時の委任状に言及する自治体が26件、申請者と墓地使用者が異なる場合等の 承諾書類に言及する自治体が74件ありました。同じ法律にもとづく同じ手続きでも、 求められる書類は自治体ごとに幅があります。
交付までの処理日数も、記載のあった43自治体の間で「窓口で10〜15分・即日」から 「1〜2週間程度」まで開きがありました。お盆や彼岸の前に手続きを予定している場合は、余裕を 持った申請をおすすめします。
本調査の引用・転載について(自由・出典明記)
本調査の数値・グラフ・表は、報道・記事・資料への引用・転載を歓迎します(商用媒体を含む)。 引用の際は、出典として「ハカラウ調べ」と明記のうえ、本ページ (https://hakarau.jp/research/permit-fee-survey)へのリンクを設置してください。データは毎月の DB更新にあわせて自動的に最新化されるため、引用時点の数値は記事中に記録されることをおすすめします。 取材・データの詳細に関するお問い合わせはお問い合わせからお寄せください。
調査の限界と今後の更新
本調査は「公式サイト・公式PDF上の記載」を確認したものであり、記載がないことは手数料の不存在を 意味しません(条例確認・窓口照会で無料と判明する例が多くあります)。また、収録149自治体は全国1,700超の市区町村の一部であり、政令市・中核市など人口規模の大きい自治体に偏りがあります。 データベースは毎月拡大しており、本レポートの数値もDBの更新にあわせて自動的に更新されます。 電話・メール照会による「公式記載なし」の解消も継続していきます。
この記事の根拠
- 各自治体公式サイト・公式PDF(自治体別ページに個別の出典URLと確認日を掲載)〔2026年8月7日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)〔2026年8月6日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。 掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。