【独自調査】改葬許可の手数料、約60%の自治体は公式サイトに記載なし
執筆・編集: 大久保亮佑(株式会社Kogera代表/生前整理アドバイザー2級)
更新日: 2026年8月16日

墓じまい・改葬の最初の行政手続きである「改葬許可申請」。その手数料がいくらか、実は多くの自治体で公式サイトを見ても分かりません。ハカラウ編集部は、全国348自治体(47都道府県)の公式サイト・公式PDFを1件ずつ確認する実査を行いました。
結果、手数料について「無料」と明記していたのは105自治体、金額を明記して「有料」だったのは35自治体(300〜600円)にとどまり、約60%にあたる208自治体では公式サイト上に手数料の記載自体が見当たりませんでした。
調査サマリー(主要な発見)
- 約60%の自治体は、公式サイトに手数料の記載がない。実査した348自治体のうち208自治体で、案内ページ・公式PDFに改葬許可証の手数料の記載を確認できませんでした。
- 記載がある自治体では「無料」が多数派。「無料」明記が105自治体に対し、有料と明記していたのは35自治体で、金額はいずれも1通(または遺骨1体)につき 300〜600円でした。
- 値上げ改定の動きも確認。宝塚市は2026年10月1日以降の申請受付分から、手数料を改定する予定と公式サイトに明記しています(発見2参照)。
- 郵送申請は「可」が主流。郵送可が189自治体に対し、不可と明記していたのは5自治体のみ。ただし154自治体は可否の記載がありません。
- 交付までの時間は「即日」から「2週間程度」まで開きがある。処理日数の記載があった103自治体のうち、即日交付相当が27件、1週間以上と記載していたのが40件でした。
調査方法
調査対象は、当サイトの改葬許可データベースに収録している全国348自治体(47都道府県。政令市・中核市・東京特別区を中心に、段階的に拡大中)。2026年7月から8月にかけて、各自治体の公式サイト・公式PDF・手数料条例を編集部が1件ずつ確認し、記載を原文ベースで転記しました。検索エンジンの要約やまとめ記事の記述は一切採用していません。
公式サイトに記載がない項目は、推測で埋めずに「公式記載なし」として記録し、順次、電話・メールでの照会を進めています(例: 新潟市・品川区は自治体担当課へのメール照会により「無料」を確定済み)。条例に手数料の定めがないことを全文確認できた自治体は、その旨を明記しています。全データは自治体別データベースで、出典URL・確認日つきで公開しています。
発見1: 手数料の記載状況と有料自治体の全リスト
- 無料と明記 105自治体(30%)
- 有料と明記 35自治体(10%)
- 公式記載なし 208自治体(60%)
348自治体の内訳は、「無料」明記105件、「有料」明記35件、公式記載なし208件(約60%)。改葬許可証の手数料は、当事者が最初に知りたい情報のひとつです。それが、7割前後の自治体では公式サイトを見ただけでは分かりません。情報を隠しているというより、案内ページにどこまで書くかという記載範囲の問題でしょう。
有料と明記していた自治体の全リストは次のとおりです(すべて出典つき)。
| 自治体 | 手数料(公式記載) | 確認日 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 静岡県静岡市 | 遺骨1体につき300円 | 〔2026年9月3日〕 | 出典を見る |
| 富山県富山市 | 申請書1通につき300円 | 〔2026年7月16日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県西宮市 | 遺骨1体につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 奈良県奈良市 | 1枚につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 大阪府豊中市 | 1通につき450円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 大阪府和泉市 | 1通につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県宝塚市 | 市営霊園からの改葬:600円/1体につき、市営霊園以外からの改葬:300円/1体につき | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県川西市 | 許可証1通につき300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 愛知県一宮市 | 300円 | 〔2026年7月29日〕 | 出典を見る |
| 千葉県浦安市 | 1通300円 | 〔2026年9月13日〕 | 出典を見る |
| 千葉県野田市 | 1通300円 | 〔2026年9月13日〕 | 出典を見る |
| 大阪府守口市 | 1通につき300円 | 〔2026年9月13日〕 | 出典を見る |
| 大阪府池田市 | 300円×人数分 | 〔2026年9月13日〕 | 出典を見る |
| 愛知県稲沢市 | 1通200円 | 〔2026年9月13日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県芦屋市 | 300円×被埋蔵者数分 | 〔2026年9月13日〕 | 出典を見る |
| 新潟県長岡市 | 300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 三重県伊勢市 | 200円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 愛知県津島市 | 300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 岐阜県多治見市 | 1枚300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 石川県小松市 | 300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 兵庫県豊岡市 | 許可証1通当たり300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 石川県輪島市 | 一通300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 奈良県大和郡山市 | 1枚につき300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 新潟県柏崎市 | 1体につき300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 大阪府泉大津市 | 300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 滋賀県長浜市 | 300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 北海道岩見沢市 | 「岩見沢市における改葬許可申請に係る手数料 お骨の数1体につき400円」と明記 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 北海道稚内市 | 「お骨1体につき1件の申請となり、改葬するお骨の数に応じて申請書と手数料200円が必要となります」と明記 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 北海道紋別市 | 「手数料~一つの遺骨につき200円」と明記 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 千葉県鴨川市 | 350円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 千葉県印西市 | 1通300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 静岡県磐田市 | 300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 静岡県湖西市 | 改葬許可書発行手数料350円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 静岡県伊豆市 | 1名につき300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
| 静岡県伊豆の国市 | 遺骨1体につき300円 | 〔2026年9月18日〕 | 出典を見る |
発見2: 値上げ改定の動き
今回の実査で、手数料の改定を予告している自治体を確認しました。宝塚市は、市営霊園からの改葬を 1体600円、市営霊園以外からの改葬を1体300円としていますが、公式サイト上で「2026年(令和8年) 10月1日以降の申請受付分は、それぞれ800円・400円に改定予定」と明記しています。改葬許可の手数料は少額とはいえ、条例改正により変動しうる費目であることを示す事例です。
発見3: 郵送申請の可否
- 郵送可 189自治体(54%)
- 郵送不可と明記 5自治体(1%)
- 記載なし 154自治体(44%)
遠方のお墓を整理するとき、郵送申請ができるかどうかは大きな分かれ目になります。結果は「可」が189自治体で主流。「不可」と明記していたのは5自治体のみでした。ただし154自治体は可否の記載自体がなく、ここでも「公式サイトだけでは分からない」状況です。郵送時の切手代・返信用封筒の条件は自治体ごとに細かく異なります(詳細は手数料の解説記事を参照)。
発見4: 必要書類・処理日数の自治体差
母数: 必要書類の記載を確認できた347自治体。リストに挙げていない自治体で不要という意味ではありません。
必要書類のリストを確認できた347自治体では、法定添付書類である埋蔵・収蔵証明書のほかに、改葬先の受入証明書(相当書類含む)を挙げる自治体が81件、代理申請時の委任状に言及する自治体が64件、申請者と墓地使用者が異なる場合等の承諾書類に言及する自治体が176件ありました。同じ法律にもとづく同じ手続きでも、求められる書類には自治体ごとの幅があります。
交付までの処理日数も、記載のあった103自治体の間で「窓口で10〜15分・即日」から「1〜2週間程度」まで開きがありました。お盆や彼岸の前に手続きを考えているなら、早めに動いておくと安心です。
本調査の引用・転載について(自由・出典明記)
本調査の数値・グラフ・表は、報道・記事・資料への引用・転載を歓迎します(商用媒体を含む)。引用の際は、出典として「ハカラウ調べ」と明記のうえ、本ページ(https://hakarau.jp/research/permit-fee-survey)へのリンクを設置してください。データは毎月の DB更新にあわせて自動的に最新化されるため、引用時点の数値は記事中に記録されることをおすすめします。取材・データの詳細に関するお問い合わせはお問い合わせからお寄せください。
集計のもとになった348自治体の実査データは、機械可読な形でも公開しています。/data/v1/all.jsonから取得できます。手数料・郵送可否ともに「公式サイトに記載なし」を独立した状態として持っており、記載がないことを「無料」「不可」として配信することはありません。 各項目には確認日と出典URL、窓口で確認していただきたい旨の注記を添えています。
引用文例(コピーしてご利用ください)
改葬許可証の手数料は、約60%の自治体で公式サイトに記載がない——墓じまい情報サイト「ハカラウ」が全国348自治体の公式サイトを実査した調査で明らかになった。有料と明記していたのは35自治体(300〜600円)にとどまる。
出典: ハカラウ調べ(https://hakarau.jp/research/permit-fee-survey)
以下の図解素材(1200×630px)は、出典明記のうえ記事・SNS・資料にそのままご利用いただけます。画像を保存するか、URLを直接ご利用ください。

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調査の限界と今後の更新
本調査は「公式サイト・公式PDF上の記載」を確認したものであり、記載がないことは手数料の不存在を意味しません(条例確認・窓口照会で無料と判明する例が多くあります)。また、収録348自治体は全国1,700超の市区町村の一部であり、政令市・中核市など人口規模の大きい自治体に偏りがあります。データベースは毎月拡大しており、本レポートの数値もDBの更新にあわせて自動的に更新されます。電話・メール照会による「公式記載なし」の解消も継続していきます。
参照元
- 各自治体公式サイト・公式PDF(自治体別ページに個別の出典URLと確認日を掲載)〔2026年8月7日〕
- 墓地、埋葬等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)〔2026年8月6日〕

執筆・編集
大久保亮佑株式会社Kogera代表
生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)
墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。