墓じまいの費用は平均いくら?相場との違いと2026年調査3本の分布

大久保亮佑

執筆・編集: 大久保亮佑株式会社Kogera代表生前整理アドバイザー2級

更新日: 2026年9月2日

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墓じまいの費用は平均いくら?相場との違いと2026年調査3本の分布|記事の要点を1枚にまとめた図版

墓じまいの費用の平均は、2026年の実態調査では「31万〜70万円」が最多で、約半数が70万円以下でした(鎌倉新書・n=733)。ただし経験者の分布を見ると「10万円未満」と「30〜50万円」が各19.2%で並び、1点には集中していません(墓じまいパートナーズ・n=52)。

まず平均を知りたい。そう思うのは自然なことです。ただ、費用のように上下の幅が大きいものは、平均値だけを見ると実態とずれた印象になりやすい。この記事では「平均」「相場」「分布」を分けて、2026年に公表された調査3本の数字を出典つきで読み解きます。

墓じまいの費用: 平均・相場・分布

31万円 〜 70万円が最多

鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査」(2026年1月、n=733)の最多価格帯です。約半数が70万円以下で完了しています。供養先に一般墓を選ぶと供養先だけで平均152.0万円(同社 第17回調査)かかり、平均値は上に引っ張られます。

総額の最多帯(鎌倉新書2026年・n=733)
31万〜70万円、約半数が70万円以下
総額の分布(墓じまいパートナーズ2026年・n=52)
10万円未満19.2%・30〜50万円19.2%が同率上位
供養先の平均購入価格(鎌倉新書第17回・n=1,267)
樹木葬71.7万円・納骨堂81.5万円・一般墓152.0万円
行政手続き(改葬許可等)
無料〜600円(実査149自治体)
2026年9月2日 鎌倉新書2026年調査2本/墓じまいパートナーズ2026年調査/当サイト自治体実査(本文・参照元参照)で確認

「平均」だけでは実態がつかみにくい理由

平均値は、一部の高額なケースに引っ張られます。一般墓への引っ越しや、高額な離檀料が発生した例が少し混じるだけで、全体の平均は上に動く。つまり平均値は、「典型的な1件」を表しているとは限りません。

言葉も分けておきます。相場は単価を積み上げた目安で、墓じまいの費用相場の記事で内訳ごとに整理しました。平均は実際に払った人の金額をならした値、分布はその金額がどの帯に何割いるかです。この記事は切り口を変えて、統計調査の平均と分布そのものを見ます。

2026年の実態調査3本の数字

2026年に公表された墓じまいの調査は3本あります。対象も集計方法も違うので、並べて見ると平均だけでは見えなかった幅が浮かんできます。

2026年公表の墓じまい実態調査(2026年9月2日時点)
調査主体・時期・対象費用に関する結果
第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査鎌倉新書、2026年1月16日〜23日、n=733費用は「31万〜70万円」が最多、約半数が70万円以下。中止理由の1位は「費用の高さ」
墓じまい実態調査2026墓じまいパートナーズ、2026年3月、n=230(経験者52)総額は「10万円未満」「30〜50万円」が各19.2%で最多。お布施は「5〜10万円」23.8%
墓じまいと供養先の再選択に関する実態調査終活協議会(想いコーポレーショングループ)、2026年6月、n=860費用を「具体的に知らない」が88.6%。「自分の代で墓を終わらせてよい」に共感61.1%

3本目の調査が示すのは、気持ちは決まりつつあるのに、数字が見えていない人が9割近くいるという事実です。この記事は、その差を埋めるためのものです。なお改葬件数は、厚生労働省の衛生行政報告例で2024年度(令和6年度)に176,105件、前年比5.5%増、10年で約2.1倍でした。この統計は遺骨数ベース(墓じまいの基数ではありません)で、1件の墓じまいで複数の遺骨を移すと複数件として数えられます。

墓じまい総額の分布

墓じまいパートナーズの2026年調査(経験者n=52)が、撤去工事・供養儀式・行政手続き・新しい供養先を含めた総額の分布を報告しています。

墓じまい総額の分布(経験者n=52)
総額の帯割合
10万円未満19.2%
20〜30万円17.3%
30〜50万円19.2%
50〜70万円13.5%
70万円超要確認(同調査ページで未掲載)

「10万円未満」と「30〜50万円」が、ともに19.2%で並びます。突出して多い価格帯は、ありません。70万円を超える帯については、同調査のページで内訳を確認できておらず、当サイトでは断定を避けて「要確認」として扱っています。空いている部分を推測で埋めることはしません。鎌倉新書の調査(n=733)で「約半数が70万円以下」だったことと重ねると、半数前後が70万円以下、残りがそれより上に広がっている、と読むのが妥当です。

なお、この総額のうち行政手続き(改葬許可証の手数料)が占める割合は、ごくわずかです。当サイトが自治体公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)のうち、「無料」と明記していたのは44件、金額が明記されていた「有料」は9件で300600円でした。10万円未満から70万円超まで分布が広がる理由は、新しい供養先の選び方や撤去工事の条件にあります。行政手続きの費用差ではありません。自治体別のデータは改葬許可証の手数料に、お住まいの自治体の窓口・必要書類は改葬許可(自治体別)データベースに整理しました。

供養先ごとの平均購入価格

次に鎌倉新書の第17回お墓の消費者全国実態調査(2026年、n=1,267)から。供養先ごとの平均購入価格と選択率が報告されています。これは「新しい供養先」単体の価格です。撤去工事・供養儀式を含む墓じまい総額とは別の軸の数字なので、そこは混ぜずに読んでください。

供養先ごとの平均購入価格・選択率(2026年)
供養先平均購入価格(2026年)選択率
一般墓152.0万円15.2%
納骨堂81.5万円15.5%
樹木葬71.7万円47.4%
合祀墓・合葬墓統計データなし16.4%

いちばん多く選ばれているのは樹木葬で、選択率47.4%。平均購入価格は71.7万円と、納骨堂の81.5万円、一般墓の152.0万円より低めです。合祀墓・合葬墓は選択率16.4%と報告されていますが、同調査に独立した平均購入価格の区分がなく、当サイトが確認できた統計データはありません。分かる範囲だけを正直にお伝えします。

離檀料の分布(相場は断定しない)

離檀料についても「相場はいくらか」とよく聞かれます。けれど、決まった相場というものは存在しません(曹洞宗も公式に相場の存在を否定しています)。支払った方の実態としては、5万円未満が19.0%、5〜10万円が23.8%で最多、20〜30万円が21.4%という分布が報告されています(墓じまいパートナーズ2026年調査、支払経験者n=42)。高額請求のケースも報告されており、幅の大きい項目です。

そもそも離檀料は寺院墓地の場合にだけ発生し、民営霊園・公営霊園では発生しません。ご自身のお墓がどちらの区分かで、この項目があるかないかが変わる。平均を見るうえで、ここは大きな分岐点です。分布が「5〜10万円」に最も集まりつつ、「20〜30万円」も21.4%を占めている。単一の相場が存在しないことが、この形からもうかがえます。

選択率が高い=正解ではない

鎌倉新書の調査で、樹木葬の選択率は47.4%。最も高い数字です。ただ、多く選ばれていることと、その選択が自分の家族に合っているかどうかは、別の問いです。合祀墓・合葬墓(16.4%)を選ぶ方も、納骨堂(15.5%)や一般墓(15.2%)を選ぶ方も、それぞれ一定数いらっしゃいます。

一般墓の平均購入価格152.0万円は、墓石代の平均101.7万円と土地利用料(永代使用料)の平均46.5万円で構成されています(鎌倉新書2026年調査)。墓石という工作物と、土地の使用権。この2つにまとまった費用がかかるから高くなる。内訳を見ると、理由はそのまま読み取れます。

平均を読むときに注意したいこと

自分のケースが平均より高いか低いか。そこを気にしても、あまり実りはありません。一般墓への引っ越し(平均152.0万円)を選んだ方が調査対象に何人か含まれていれば、その分だけ全体の平均は上がるからです。それよりも、「自分の条件(墓地区分・面積・立地・希望する供養先)に近いケースは、どの帯に入りそうか」と考えるほうが、実感に近い目安になります。

墓じまいパートナーズの調査でも、「10万円未満」と「30〜50万円」がともに19.2%で並んでいました。代表値ひとつで語るより、複数の帯にまたがって散らばっているという実態を知っておくほうが、自分の見積もりを読むときの支えになります。金額の高低で「多い・少ない」を判断しない。条件の近い帯を探す。この読み方をおすすめします。

地域差についてもよくご質問をいただきます。ただ、当サイトが確認した範囲では、都市部と地方の人件費差を裏づける具体的な数値データは見つかっていません。「地域差よりも石材店ごとの価格設定の差のほうが大きい」という定性的な情報にとどまり、数字としてお示しできる段階にはありません。

よくある質問

回答中の自治体数は、当サイトが自治体公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)のデータからの集計です。調査データはすべて参照元に出典URLを載せています。

墓じまいの費用の平均はいくらですか?

「平均○円」と一言で言える公的統計はありません。2026年に公表された実態調査では、鎌倉新書(2026年1月、n=733)で「31万〜70万円」が最多、約半数が70万円以下。墓じまいパートナーズ(2026年3月、経験者n=52)では「10万円未満」と「30〜50万円」が各19.2%で並び、1点に集中していません。一般墓へ引っ越す場合は供養先だけで平均152.0万円(鎌倉新書 第17回調査)かかるため、平均値は一部の高額なケースに引っ張られます。

墓じまいの「平均」と「相場」は何が違いますか?

平均は実際に払った人の金額をならした値、相場は単価を積み上げた目安です。相場は撤去工事(1㎡あたり8万〜15万円)・閉眼供養のお布施(3万〜10万円)・改葬許可の手数料(無料〜数百円)・新しい供養先(3万円台〜300万円)の合計で示され、条件を入れると自分のケースに近づけられます。平均は他の人の実態を知るための数字で、自分の金額をそのまま教えてはくれません。

墓じまいの費用に地域差はありますか?

当サイトが確認した範囲では、都市部と地方の人件費差を裏づける具体的な数値データは見つかっていません。「地域差よりも石材店ごとの価格設定の差のほうが大きい」という定性的な情報にとどまります。数字としてお示しできる段階にはないため、推測で埋めずに「要確認」としています。

改葬許可証の手数料は平均いくらですか?

ほとんどの自治体で無料〜数百円です。当サイトが自治体公式サイトを実査した149自治体(45都道府県)では、「無料」と明記していたのが44件、金額が明記された「有料」は9件で300〜600円、公式サイトに記載が見当たらなかったのが96件でした。総額の分布が10万円未満から70万円超まで広がる理由は、行政手続きの費用差ではありません。

墓じまいをする人はどのくらい増えていますか?

厚生労働省の衛生行政報告例では、改葬件数は2024年度(令和6年度)に176,105件で、前年比5.5%増、10年で約2.1倍です。この統計は遺骨数ベース(墓じまいの基数ではありません)で、1件の墓じまいで複数の遺骨を移すと複数件として数えられます。

次の一歩:自分の条件で試算する

平均も分布も、あくまで他の方の実態です。自分のケースの金額を、そのまま教えてくれるものではありません。面積・立地条件・墓地区分・新しい供養先を入力すれば、条件に応じた幅で試算できる費用シミュレーターをご用意しています。「改葬」と「墓じまい」の言葉の違いから確かめたい方は改葬とはからどうぞ。

今すぐ結論を出す必要はありません。分布のどのあたりに自分がいそうか、イメージするところから始めて、必要であれば家族との話し合いに進んでください。

分布の幅をつくっている項目のひとつ、墓石撤去費は、複数の石材店の見積もりを比べることで自分の帯が見えてきます。一括見積もりサービスを使う手もあります(以下は広告リンクです)。
全国の優良石材店から一括見積りが無料で出来る【墓石ナビ】比べられるもの: 複数の石材店から届く墓石撤去の見積もり(金額と内訳)を、同じ条件で並べて比較できます費用: 見積もりの依頼は無料です。依頼した石材店と契約する義務はありません依頼後に起きること: 入力した電話番号・メールアドレスに確認の連絡が入ります。この連絡に応じてはじめて見積もりが進みます無料で見積もりを依頼する(確認の連絡あり)外部サイト(墓石ナビ)に移動します。

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大久保亮佑

執筆・編集

大久保亮佑株式会社Kogera代表

生前整理アドバイザー2級(一般社団法人生前整理普及協会、2026年5月取得)

墓じまい・改葬の費用と手続きを、自治体・省庁の一次情報や公的統計にあたって整理しています。掲載内容の企画・データ調査・編集の最終責任を負っています。

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